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環境先進国ドイツに学ぶ スタディツアー
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北ドイツ環境都市ツアー
●ベルリン(2004~2009)
環境先進国ドイツの首都。議会、省庁をはじめ、政党やNGOの本部も置かれ、国レベルの環境政策を動かしている現場。また、東西分裂の歴史を経た統一後の再開発で様々なエコロジーの実践が見られる。
・ BUND(ドイツ環境自然保護連盟・FoEドイツ)本部
BUND(ドイツ環境自然保護連盟)は、1975年、反原発運動の高まりとともにバーデン=ヴュルテンブルク州の既存の自然保護団体が統合して設立。地域の団体を次々とメンバーに入れながら拡大し、ドイツ最大の環境団体に成長、現在会員数は約40万人。エネルギー、廃棄物、自然保護、交通、教育など各分野で活動し、国や地域の環境政策に多大な影響を与えてきた。
1989年よりドイツのメンバーとしてFoEインターナショナルの一員となり、国際的な共同プロジェクトでもリーダーシップを発揮している。
・ BUND青年部本部
BUNDの会員のうち、25歳以下の会員(約4万人)で組織。若者たち自身の発想で独自にユニークなプロジェクトを展開している。中でも、1998年にドイツ政府の「7年で10%」というCO2削減目標に対して「それでは遅すぎる、自分たちは7ヶ月で10%減らせるよ」と首相に「賭け」を挑んだことは有名。
2005年の愛知万博にFoE Japanとともに出展し、今後も共同プロジェクトを予定している。
エコロジー住宅 ラントホフプロジェクト |
・ ランドホフ・プロジェクト(ベルリン郊外)
旧東ドイツ政府は、西に亡命した人々の家を没収し、東ドイツ市民に分け与えていた。ところが東西統一後、西から戻ってきた元の所有者から家や土地の明渡しを迫られ、住むところのなくなった人々がいた。そのような13家族が集まり、自分たちの住宅として、徹底的にエコロジーにこだわって建設した住宅地。地元の木材や粘土を使用。注目すべきはコンポストトイレ。生ゴミもトイレに入れてしまい、地下のコンテナで堆肥化され菜園に使われる。
・ ソーラーボート
ベルリン東南コーぺニック地区の運河を走る太陽エネルギーで動くボートツアー(オプション)。屋根全体が太陽パネルで覆われた船着場施設から出発。ボートは2人乗りから団体用まで各種あり。太陽のエネルギーを感じながらゆっくりと街並みを眺められる。
・ 緑の党・同盟90 連邦議会事務局 (2005)
緑の党の前身は、70年代、森林保護運動、反原発運動の活発化に伴い、当時の環境政策に不満や不安を抱く人々が結成した各地の政党である。これらの政党が、70年代終わりに州議会で議席を獲得し、83年に初めて国政で緑の党が議席を獲得した。女性の積極的な登用や、ロックコンサートなどのユニークな選挙運動も若い世代の支持を得、急速に拡大。環境・人権・平和を主要テーマとしながらも、時代に合わせた政策を生み出し、98年から社会民主党とともに連立政権を担い、環境大臣等の閣僚を擁する。同盟90は旧東ドイツで生まれた政党。
文字通り「ガラス張り」議事堂ドーム |
・ 連邦議会議事堂☆
かつてのドイツナショナリズムの象徴であったドイツの帝国議会議事堂は、統一ドイツの首都移転に伴い修復され、その顔を大きく変えた。ガラス張りのドームに象徴される開かれた政治とともに、エネルギー効率を追求し、統一ドイツの進むべき方向を表現している。
・ 連邦環境自然保護原子炉安全省☆
1986年に設立。連邦環境庁、連邦自然保護庁、放射線保護庁とともに、先進的な環境政策を打ち出すドイツ環境行政の中心である。
・ ベルリン都市清掃会社(2005)
ベルリン市内の廃棄物の処理、清掃、廃棄物処理相談などを行っている。訪問する「リサイクル・ステーション」は、古いポンプ場がリサイクル製品によって改修された場所。市民は、ここに粗大ごみや特殊廃棄物を持ち込むことができる。
・ メルキシェス・ラントブロート(エコロジカルなパン工場)(2004)
伝統的な製法や有機素材にこだわる「ビオ」なパンメーカーだが、パンだけでなく、それを焼く工場自体もエコロジカルである。太陽光発電の設置をはじめ、必要な電力はすべて再生可能エネルギーでまかない、屋上緑化、雨水利用などにより省エネルギーに勤めている。2000年のハノーファー万博では、工場自体が、場外展示場になった。
・ ポツダム広場
ベルリンの中心地にそびえ立つダイムラー・シティ(敷地面積6万8000平方メートル)とソニーセンター(敷地面積2万6500平方メートル)から成る商業・ビジネス・芸術などの総合エリア。新生ベルリンの象徴的存在であるハイテクビルの中には、最新式のエネルギー効率、雨水利用、荷物搬出搬入車両および廃棄物搬出管理システムなどの工夫がこらされており、大都市や大型ビルにおけるエコロジー実践のモデル的エリアでもある。
学校生物センターの庭で |
2000年の環境万博開催都市。万博をきっかけにいくつもの先進的なエコプロジェクトが実施されてきた。
・ 学校生物センター☆
ハノーファー市の環境教育施設。市内及び周辺の小・中・高160校の生徒がクラス単位で、環境や自然、生物について学びにやってくる。授業に必要な用具やうさぎ、虫の学校への貸し出し、教師対象の研修コースも実施している。約7ヘクタールの敷地内には、森林部分を始め、農園、コンポスト、生物が見られる池、ハーブ園、ミツバチハウス、小動物の飼育小屋などがあり、五感を使って体験できる。
・ ウィンドヴェルツ(風力発電投資会社)(ハノーファー郊外)☆
1994年、個人でも風力発電事業に参画できるシステムをつくろうと5人で設立。風力発電の立ち上げに必要な風況調査、市町村の許可申請、土地のリース、出資募集、風車メーカーへの発注などなどの業務を行う。ドイツ政府による再生可能エネルギー促進の政策のおかげで大きく成長した企業のひとつ。バスに乗って同社のプロジェクトで設置した風車の見学も行う。
芸術風車・マルティーナ |
・ リサイクル作業学校(2003)
トルコ人にドイツ語を教えていた先生たち8人が失業をきっかけに1983年、若者たちが手に職を付けられる実践的な学校をと、団体を設立して始めた。リサイクルをはじめ、二輪車修理、電気技師の3種類の職業訓練コースがある。訓練期間は3年。地域の粗大ゴミなどを回収して部品として使ったり、バザーなどでリサイクル品を販売したりと地域とのつながりを大事にした、学校であり作業場である。雇用促進プログラムの一環として運営費は職安から出ている。
・ BUNDニーダーザクセン州支部、BUNDハノーファー(2003)
BUND(ドイツ環境自然保護連盟)は、1975年、反原発運動の高まりとともにバーデン=ヴュルテンブルク州の既存の自然保護団体が統合して設立。地域の団体を次々とメンバーに入れながら拡大し、ドイツ最大の環境団体に成長、現在会員数は約37万人。エネルギー、廃棄物、自然保護、交通、教育など各分野で活動し、国や地域の環境政策に多大な影響を与えてきた。
1989年よりドイツのメンバーとしてFoEインターナショナルの一員となり、国際的な共同プロジェクトでもリーダーシップを発揮している。
ハノーファーには、ニーダーザクセンの州支部と、ハノーファーのローカルグループが同じビル内に事務所を構える。ハノーファーでは、絶滅の危機に瀕したこうもりの保護プロジェクトに力を入れている。
・ タイルソーラー(2003)
エコシュタット(環境都市)という団体による太陽光発電施設の市民共同設置プロジェクト。「タイル(teil)」とは、シェアするという意味。最初は、市や基金などの補助金を得て、ハノーファー中央駅裏に位置するパビリオン(公民館)の屋上に太陽光発電施設を設置、駅前で多くの市民が利用する施設であるだけに、人々の関心を集めた。市民参加としては、ニーダーザクセン州立図書館、市郊外の小学校屋上に、パネルのオーナーを募集し、太陽発電施設を設置している。
・ DSD自動分別工場 (ハノーファー市郊外)(2003)
DSD(デュアルシステム)とは1991年にドイツの企業が協力してつくった容器包装リサイクルのシステム。参加企業はライセンス料を支払い、グリュ-ネプンク(緑の点)トを製品の包装に表示、自治体の有料ごみとは別に回収。ワンウェイイガラス瓶、缶、プラスチック、紙などあらゆる材質の包装材を扱う。
回収された包装材の分別は人手で行っていたが、エキスポの年2000年に、ハノーファーに全国初の自動分別工場が建設された。現在はドイツ国内で195ヶ所ある工場のうち10ヶ所が全自動。運び込まれたゲルベザック(DSD専用の黄色い回収袋)は乾燥したり湿らせたりする過程で比重により素材ごとに分けていく。費用削減になりむらのない分別ができるため、DSDは全国で自動化展開を目指している。
・ ヘルマンス村 (ハノーファー近郊)(2003)
ヘルマンス村とは、オルタナティブな農業と食品生産・流通を実践するために最初にミュンヘン郊外に作られたエコロジー村プロジェクト。ハノーファーの村は、2000年のハノーファー万博に際し、市と万博の誘致で作られた2番目の村。エコ農業だけでなく、自然エネルギーの会社エネルコンとの共同fプロジェクトにより、風力、バイオマス、太陽光によりエネルギーを自給自足している。牛や豚、鶏は有機飼料で開放的に飼育し、糞尿と生ごみによるバイオガスで、電気と熱を生み出し、残りは肥料になって農場に戻る。村のエコスーパーでは村で生産されたエコ農産物を買うことができ、レストランもある。
●ミュンスター(2003~2009)
中世の趣を残す古都であり、大学町、そして「ドイツで一番自転車にやさしいまち」として知られる。先進的な地球温暖化対策や廃棄物対策で1997年の環境首都を受賞。
・ BUNDミュンスター
会員数は約1000人。市民太陽光発電所の設置、下水灌漑地の保全、環境マーケットの開催など、地域に根付いた様々な環境問題に取り組んでいる。
ホームステイ先で、家族と団欒 |
・ 環境フォーラム・ミュンスター環境フォーラム・ミュンスター(ミュンスター)☆
ミュンスター内にある16の環境保護団体(合計で6000人の会員)の横断組織。それぞれの団体の共通の関心をまとめたり、団体間の情報交換の橋渡しを行っている。ミュンスター市の環境政策に対する積極的な提言活動も行っている。
週末
はメンバー宅にホームステイして家族との団欒を楽しむ。交流パーティではお礼として、参加者一同で日本食をふるまう。
自転車専用道を走って体験! |
・ 自転車のまちミュンスター体験ツアー
ミュンスター駅前の約3000台収容の駐輪場。ガラス張りの三角形の建物の屋根には一面に太陽光パネルが取り付けられている。地下で駅と直結している駐輪場の脇には、レンタサイクルもあり、ここで自転車を借り、市内に巡らされた自転車道をサイクリングします。
・ ヴァイセンブルクカーフリー地区
2001年8月に設立された「車を所有しない」ことが入居条件の住宅地。住民団体は、車をなるべく使わない生活を提案しつづけている。
・ 住民主導型エコロジー改修団地
市街地の中心部に位置する19世紀末に建設された団地。1990年代に住民の主導により、エコロジー改修された。20世帯が住む。雨水利用やコジェネレーションが導入されている。
・ ビオマルクト
1993年に創業したエコロジースーパーマーケット。ミュンスターに本店を置き、計8店舗を近隣の町に構える。それぞれの店舗面積は、200平方メートルから700平方メートル。2002年の売り上げは、620万ユーロ。野菜、肉、チーズ、パン、ワイン、ビール、家庭用品など約6000商品を扱い、その全てがエコロジー商品。
・ エムズホフ(2005)
ローカルアジェンダ21の考え方を学ぶことを目的に、8ヘクタールの土地に作られた農業体験型環境教育施設。子供から大人まで、農業や自然の中で、一人で、または共同で、環境、経済、そして社会の繋がりを体験する場。教師が環境教育の手法を学びに来ることも多い。
・ ミュンスター市交通局
「自転車のまちミュンスター」について、市の担当より説明していただく。
・ 省エネプロジェクト実施学校(2005)
生徒や先生が協力して省エネを行った成果として、節減した光熱費の30%がミュンスター市から学校に還元され、学校が自由に使えるというプロジェクトに参加しているモデル校を見学する。
・ ミュンスター市緑地環境保全局気候エネルギー政策調整機関「KLENKO」(2003)
環境首都を受賞する鍵となったミュンスター市の気候変動政策を中心に、市の環境政策の概要を伺う。また、市民のための環境相談所も訪問。
2007年度参加者集合写真 (ミュンスターにて) |
・ ミュンスター廃棄物処理会社、リサイクリングホフ
市の廃棄物処理部門が民営化された、ミュンスター廃棄物処理会社(Abfallwirtschaft Munster)では、市の廃棄物政策について話を伺う。併設のリサイクリング・ホフは、市内に10ヶ所あるホフの中でも最大。市民が不要になった家具などを持ち込む他、薬品、有害物質など処理に問題のある廃棄物は全てここのリサイクリングホフに収拾される。
・ カーシェアリング会社 「Stadtteilauto」
車を各自が所有するのではなく、地域の会員で共有することで、財布にも環境にもやさしいシステムとして、カーシェアリング事業を行う。
1991年設立。2006年時点で会員950名、23種100台のカーシェアリング車を所有。駐車場は市内36箇所。
●ハム(2003)
・ 未来のための環境都市事務局
ハム市は、1993年から2002年まで行われた州のモ デルプロジェクトである「未来のための環境都市」に参加。エコロジカルな都市改革の構想作りと対策を実施している。
エコロジカル住宅地区、市所有建築物の緑化、エコロジカルなギムナジウムの増築、フィフティ・フィフティ(市立学校の省エネで浮いた経費の半分を学校に残し自由に使える制度、18校で実施)、各種助成制度、企業向けのプロジェクトなどを実施。
・ フライヘル・フォン・シュタイン・ギムナジウム
エコロジカルなギムナジウム(日本でいえば高校)として有名。渡り廊下の屋根は緑化され、校舎の床は自然の石、階段の手すりは無塗装である。教室の照明は非ハロゲン系で暗くなると点灯する。雨水利用、太陽光発電と、経費はかかっても徹底的に環境に配慮している。
・ マクシミリアンパーク
ここは、1970年代まで石炭鉱業所として稼動していたところ。閉山後、1984年に開催された州の庭園博会場として復活した公園。ビオトープや再生可能エネルギーなどが設備されており、休日には家族連れでにぎわう。炭鉱の工場であった四角い建物は前面ガラス張りの象のオブジェにリメイクされた。中は熱帯植物園になっている。
●アウリッヒ(2003)
・ エネルコン風力発電工場
ドイツ最大の風力発電メーカー、エネルコンの本社、工場、ウィンドパーク。1984年にわずか5人で始めた風車の製造会社が再生可能エネルギー買取法などより急成長し、いまや世界有数の風力発電メーカーに成長。日本にも50基以上を納入している。
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