南極の気候危機と海洋保護区について知ろう!日本語版リーフレットができました。
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南極の生態系保全に取り組む南極南大洋連合(ASOC)[*1]が、2024年に発行した南極の気候危機と海洋保護区に関するリーフレットの日本語版を作成しました。FoE Japanは、ASOCのメンバー団体として南極保全に取り組んでおり、日本のみなさんにも南極が直面する人為影響、そしてそれらの脅威から南極の生態系を守るために必要な海洋保護区について知ってもらいたいという願いから、たくさんあるASOCの発行物から選りすぐったリーフレット3つを日本語に翻訳しました。ここでは、内容を少しだけご紹介します。どのリーフレットも5分ほどで読めますので、ダウンロードしてじっくり読んでみてくださいね。そして、読んだ内容や感想を周りの人に話してみてください。みなさんの小さなアクションが大きな海洋保護区の設立につながります!
[*1] 南極南大洋連合(ASOC: Antarctic and Southern Ocean Coalition) について、詳しくはこちら
南極の気候危機
世界各地で気候変動が原因とされる山火事や干ばつ、豪雨など異常気象が相次いでいます。地球上に残された手つかずの大自然と称される南極も例外ではありません。今、南極では何が起きているのでしょうか?なぜ海洋保護区が気候危機による生態系への影響を減らせるのでしょうか?
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何が起きているの?
- 南極で温暖化が急速に進んでいる。地球平均の2倍以上に温暖化した場所も!
- とくに南極半島の影響が深刻。平均気温は、1970-2020年の間に3℃以上も上昇!
- 南極の氷は年間2,520億トン溶けている。その速さは1980年代の6倍以上。
なぜ海洋保護区が必要なの?
- 漁業や海洋汚染など、南極の生態系を脅かすほかの影響を減らせる。
- 広いエリアを海洋保護区に指定して南極の多くの生き物たちの生息地を守ることで、気候変動に適応したり、その他の脅威から回復する力を高めることができる。
東南極海洋保護区
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インド洋の真南に位置する東南極は、南極で最も人を寄せ付けない、地球上で最も寒く、最も強い風の吹く場所です。現在 CCAMLR [*2]で、海洋保護区の設置が提案されています。97万平方キロメートル(日本の国土の約2.6倍の広さ)を保護区にすることで、冷水域サンゴを含む海底の生物多様性や複数の重要野鳥生息地を守ることができます。
[*2]「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会」のこと。南極の海の生物を守るために作られた国際組織で、南大洋(南極海)で行われる漁業の管理や海洋保護区の設置などを協議・検討している。
CCAMLRについて、詳しくはこちら
ウェッデル海 第1フェーズ海洋保護区
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大西洋の南、南極半島の東に位置するウェッデル海は、氷に覆われた生態系が育む野生生物の宝庫として知られています。地球上でここにしか生息しない多くの固有種が見られる海です。しかし、急速に進む温暖化による影響が深刻化しており、海洋保護区の設立が急がれています。CCAMLRでは、広さ200万平方キロメートル(日本の国土の約5.3倍の広さ)を海洋保護区に指定することが提案されており、提案が通れば、地球上で最大の保護区となります。