【COP24】サイドイベント報告:Reclaiming Power 〜化石燃料からのフェーズアウトを目指して〜
12月4日、Friends of the Earth インターナショナル(FoEI) は、他のNGOとともにCOP24の会場でサイドイベント「“Reclaiming Power: The People’s Global Movement to Phase Out Fossil Fuels for Real Climate Action(パワーを取り戻そう!真の気候アクションのための世界的な脱化石燃料の動き)」実施しました。同イベントで発せられた、世界各地の仲間からのメッセージを紹介します。
Philippine Movement for Climate Justice(フィリピン)の代表イアン・リベラ氏は「中国、韓国、日本の石炭火力プロジェクトへの融資は、誰も望んでいない。」と発言。
FoE EWNI(England, Wales, North Ireland)のレイチェル・カナーリー 氏は「脱石炭だけでは安心はできない。石油、LNGといった化石燃料も採掘時の環境への大きな悪影響、採掘場付近ではパイプラインの設営を巡っての問題がある」と発言。FoE EWNIはフラッキング(ガスの採掘方法の一種で、多大な環境負荷が発生する)に対するキャンペーンを展開しています。
FoE ナイジェリアのワリ・オバワンジュ氏からは「地産地消の、再生可能なエネルギーが必要だ。LNGは利権争いなど紛争を地域にもたらしている。」とのメッセージがありました。
また、参加者から化石燃料への代替案として、原発利用が提案されましたが「原発は、その建設過程から運営に至るまで非民主的に進められる。また、放射能に対する対処法がまだない。原発国フランスでは放射能漏れによって、何日も水が飲めないということが起きた。」との回答が登壇者からありました。
イベントでは、石炭をはじめとする石油や天然ガスといった化石燃料、原発、メガソーラー等、環境に悪影響を与え、人々の生活を脅かすエネルギーを“Dirty Energy(汚いエネルギー)”として批判。FoE グループは非民主的で、環境負荷が大きく、気候変動を加速させるエネルギーを"汚いエネルギー"であるとして反対しており、もちろん原発にも反対しています。
日本が直面しているエネルギーの問題は、今、世界のどの国でも直面している問題なのだと肌で感じます。
みなさん、これでも石炭を、化石燃料を、原発を進めますか?
これら“Dirty Energy”を「必要悪」と捉える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、誰かの犠牲の上に成り立つエネルギーは、本当に必要なのでしょうか?
危険で有害なエネルギーに拠らない経済の仕組みや社会のあり方に、私たちは正面から向き合わなければならないと感じました。
(高橋英恵)