福島にて第1回ご当地エネルギー会議に参加

福島支援と脱原発2024.7.17

11月3-4日に、福島市で開催された「第1回 世界ご当地エネルギー会議」に、FoE Japanも参加しました。アフリカやアジア、ヨーロッパや南米からも参加があり、2日間での参加者は640人以上。世界各地で再エネ産業やまちづくりのうねりが起きていることがあらわされるような、熱気ある会議でした。

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4日午前の3-Bセッションは、「都市公社・地域電力」がテーマ。こちらでパワーシフト・キャンペーンについて報告しました。

みやまスマートエネルギーの磯部達さんからは、高齢者の見守りサービスなど、エネルギーだけでない地域のサービスにどうつなげていくかの試みが紹介されました。

パルシステム電力の野津秀男さん、2016年の再エネFIT電源(予定)割合は89%。はがきの請求書で、電源構成や地域の情報を伝えたいとのこと。

デンマーク大使館の田中いずみさんからは、再生可能熱利用を中心に、地域での再エネシフトとCO2削減が現実化していることが具体的に示されました。

ドイツ・オスナブリュックの都市公社(シュタットヴェルケ)のヘルマン・ブランデブーゼマイヤーさんは、風力発電を中心に、将来的には再エネ100%の電気を住民に届けたいと語りました。

スペインの前欧州再エネ連合代表、ジョン・ファジス氏からは、スペインでも再エネ固定価格買取制度によって大きく導入が進んだが、一方で2013年政策変更により新規導入にブレーキがかかっているとのこと。

パワーシフト・キャンペーンの吉田明子からは、日本でも再エネ電力会社や再エネ・シュタットヴェルケを目指す電力会社が多数現れていること、一方で「価格の安さ」が追求されると石炭火力・原発推進につながってしまう懸念を報告しました。

司会の山下紀明さんからは、今時点の安さなのか、どの時点での安さを考えるかという視点も重要とコメントいただきました。

日本の「パワーシフト」の現状(厳しい状況もふくめ)についてオスナブリュックで再エネ市民共同組合に取り組む方から、まるで以前のドイツの状況を見ているようだ、と激励を頂きました。

ドイツ連邦環境省のハラルド・ナイツェル氏も、日本もいずれは変わらざるを得なくなるだろうが、市民からの働きかけは必要だ、と暖かいコメントをくださいました。

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<3-B. 都市公社・地域電力・地域ユーティリティ>
http://www.wcpc2016.jp/program/session3-b/
(動画・資料は後日アップされる予定です)

このセッションでは、都市公社や地域電力の役割について議論します。エネルギー構造の分散化の潮流を背景に、地方自治体や企業が地域にエネルギーサービスの提供を担いはじめており、その役割について議論を進めます。

司会: 山下紀明(環境エネルギー政策研究所)
磯部達(みやまスマートエネルギー)
吉田明子(パワーシフトキャンペーン/FoE Japan)
野津 秀男(パルシステム電力)
田中いずみ(デンマーク王国大使館)
ヘルマン・ブランデブーゼマイヤー(オスナブリュック電力公社)
ジョアン・ファジェス(前 欧州再生可能エネルギー連合代表)

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写真のオレンジの手はドイツの「市民エネルギーを市民の手に」キャンペーンのもの。これ、まさに今の日本でも必要です。
ぜひ、日本でもやりましょう!  (吉田 明子)

 

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