米カリフォルニア州当局に木質ペレット工場新設事業に反対するコメントを提出、FoE Japan含む米国内外の109団体が署名 (6/30)

バイオマス2023.7.10

6月30日、米カリフォルニア州及び米国内外の109団体が、同州シエラ郡中央部およびモドック高原に大規模木質ペレット工場建設を予定する、ゴールデンステート・ナチュラル・リソーシズ(GSNR)事業に対し、気候・地域社会・森林に取り返しのつかない害を及ぼすとして、反対するコメントを提出しました。日本からはFoE Japanとウータン・森と生活を考える会が賛同しています。

建設が予定される2つの木質ペレット工場では、合計年間100万トンの木質ペレットが生産され、日本、韓国、イギリス、オランダなどの国々に輸出される予定です。木材の多くはそれぞれの工場から半径100マイル(約160km)の国有林から伐採され、その中にはカリフォルニア州の最も象徴的な景観も含まれます。また、木質ペレットの輸出が予定されるストックトン港および工場の建設予定地域周辺は、州内で最も汚染の高い地域であり、この工場の稼働により、火災や大気汚染などのリスクがさらに大きくなることが懸念されています。

カリフォルニア州で本事業に反対する多くの団体が、昨秋にもGSNR事業に対する懸念を提示していますが、一部の改善はあったものの、地域の人々の健康・気候・環境に関する潜在的影響についての懸念への対応が検討されていません。今回のコメントは、改めてGSNR事業への強い反対の意を示すとともに、利用可能な最善の科学を用いて同事業の影響を評価することを求めるものです。

FoE Japan は、GSNR事業から日本に木質ペレットが輸出される可能性があることから、バイオマス発電や石炭火力発電による混焼によって気候変動を加速させること、またカリフォルニア州の森林生態系に取り返しのつかない悪影響を与えることから、本コメントの取りまとめ団体の依頼に応えてプレスリリースに以下のコメントを寄せました。

気候と生物多様性の危機を悪化させるGSNR事業に私たちは強く反対します。
さらに多くの森林を木質ペレットに変え
「カーボン・ニュートラル」と装って木質ペレットを燃やすこと
また木質ペレットを供給し、石炭火力発電所の延命を手助けすることは
到底容認できるものではありません。

コメントとプレスリリースの全文は以下からご覧いただけます。

 

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