翻訳レポート発行 『カーボンユニコーンを追いかける〜炭素市場と「ネットゼロ」のまやかし〜』
FoE Japanでは、2021年2月にFoE Internationalが公表した、炭素市場等に関するレポート “CHASING CARBON UNICORNS: THE DECEPTION OF CARBON MARKETS AND “NET ZERO” を翻訳しました。
近年、さまざまな場面で「カーボンニュートラル」「ゼロエミッション」「実質ゼロ」「ネットゼロ」という言葉を目にする機会が増えました。
「カーボンニュートラル」とは、「"温室効果ガスの排出量"から"吸収量もしくは除去量"を差し引いた合計をゼロにする」ことを意味します。しかし、増加する「ネットゼロ」「カーボンニュートラル」の実態は、化石燃料の使用を継続し、温室効果ガス排出量の段階的削減の必要性から注意をそらすためものとなっています。
そこで本レポートでは、化石燃料企業や航空企業、アグリビジネスといった大型排出企業等が掲げる「ネットゼロ」戦略を紐解きながら、「ネットゼロ」の考え方の根本的な誤り、彼らがネットゼロ戦略の中で用いようとしている「炭素市場」や「自然に基づく解決策」等によって懸念される問題点、そして大型排出企業等がどのように「炭素市場」拡大していく予定なのかを分析・解説します。そして、「オフセット」や「炭素市場」に頼らずに気候正義を実現するための道筋を示します。
詳しくはレポートをご覧ください。
目次:
はじめに
1. 「ネットゼロ」の科学と政治
2. 「ネットゼロ」と炭素市場、そしてカーボンオフセット
- オフセットと「実質ゼロ」
- 「オフセット再び」の新戦略
- 主役と脇役の顔ぶれ
3. 国の「ネットゼロ」目標の設定
4. 自然と炭素市場を結びつける:生物の多様性に関する条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)、および気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)第26回締約国会議(COP26)
5. 自然は誰のもので、解決策は誰のため?
6. 結論
原文はこちら:Feiends of the Earth International, “Chasing Carbon Unicorns: The deception of carbon markets and net zero", 2021年2月
https://www.foei.org/resources/publications/chasing-carbon-unicorns-carbon-markets-net-zero-report
*本レポートは地球環境基金の助成を受けて翻訳しています。
関連ページ
- COP25マドリード会議 – 気候危機はすでに私たちの目の前に
- FoE Internationalの気候の公平性とエネルギープログラム(CJE) のページへ(英語サイト)