緊急申し入れ賛同募集中!(10/20朝7時まで)「汚染水を海に流さないで!」

原発

※賛同呼びかけは、11月16日朝7時まで継続します。

漁業者の断固たる反対の声にもかかわらず、政府は近日中にも「海洋放出に一本化」という決定をしてしまう方向です。
原子力市民委員会が提唱してきた大型タンクによる長期安定的な保管、モルタル固化処分など、代替案が十分検討されたとは到底いえません。
合意形成プロセスにも大きな問題があります。このようななかで海洋放出を決めることは許されません。こうした状況を踏まえ、下記の要請書を経済産業省に提出することにしました。

※FoE Japanの呼びかけで10月17日朝から10月20日朝まで賛同を募集したところ、6,886人の方々の賛同を得ることができました。10月20日午後、頂いたご署名およびメッセージを添えて経産省に提出しました。11月3日現在、署名は15,000筆を超えました。

提出&記者会見の模様(YouTube映像)

10月20日提出版(PDF)

【参考情報】
東電福島第一原発で増え続ける、放射能を含んだ「処理水」Q&A


2020年10月20日

経済産業大臣 梶山 弘志 様

原発処理汚染水に関する要請

東京電力福島第一原発の処理汚染水について、近日中にも、政府が海に流すという決定をすることが報じられています。

現在、タンクにためられている処理汚染水の7割には、トリチウムのみならず、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物質が、全体として基準を上回って残留しています。東電は「二次処理する」と言っていますが、その総量はいまだ公表されていません。

海に流す以外の代替案として、技術者や研究者のグループから「大型タンクによる長期安定保管」や「モルタル固化処分」といった提案がなされましたが、これらについて十分に検討されないままです。

福島県では59市町村のうち41市町村議会が、海洋放出へ反対もしくは慎重な意見書や決議を可決しました。また、経産省が行ったパブリック・コメントには4,000件を超える意見が寄せられていますが、現在まで開示請求により公開されているもののうち7割が放出に反対する意見です。福島県内の団体が呼びかけて経産省に提出された海洋放出に対する反対署名は42万人を超えていいます。原発被災地から、汚染水の海洋放出に異議をとなえる声が幅広く示されているにもかかわらず、無視されている状況です。

政府はこれまで汚染処理水の処分について、一応、意見を聞く場を設けてきました。
2018年の説明公聴会の際、意見表明した44人中42人が、海洋放出に反対しました。
また、今年になってから経済産業省は、7回もの「御意見を伺う場」を開催し、この場で、福島県の漁業、林業、農業関係の団体、全漁連などの代表が、明確に海洋放出に反対しました。政府はこうした声に耳を傾けるべきではないでしょうか。

ところで、この「御意見を伺う場」には、経済産業省が「関係団体」とした産業団体・自治体などしか呼ばれておらず、意見表明を行った43名中42名が男性であり、ジェンダーバランス、世代バランスの点でも問題があること、一般市民の声はほとんどきかれていないこと、議論がまったく行われていないことなど、多くの問題点があります。

私たちは、次世代に引き継ぐべき環境に強い関心をもつ、現世代を生きる一人の人間としての立場から、汚染水を海洋に放出することに反対します。放射性物質は集中管理をすることが原則です。拡散させてはなりません。

また、上記のような意思決定のあり方についても現在の政府の形式的なやり方に関して強い憤りを感じています。

私たちは、政府に対して、本件に関して関心を有し、幅広い立場の市民が意見を言うことができる公聴会を開催すること、海洋放出以外の代替案についても提案者が公開の場で説明し、開かれた議論が行われること、こういった意見や議論を反映した上での意思決定を行うことを求めます。

提出および記者会見の模様


FoE Japanは、ALPS処理汚染水をめぐる福島の漁業者らの声を「見える化」するため、映像を作成し、公開しました。
漁業者たちは、試験操業を行いつつ、独自に放射能測定を行うなど、信頼を回復する努力を積み重ねてきました。漁業の復興に向けて一歩ずつ積み上げ、ようやく漁獲制限がすべて解除になった矢先に…。漁業者たちの言葉に苦悩がにじみます。

▼処理汚染水について6都県の漁協にアンケート
9割が海洋放出に「反対」、85%が「福島県外での意見聴取を行うべき」
https://www.foejapan.org/energy/fukushima/200519.html

 

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