お知らせ
開催報告 院内セミナー「原発震災から子どもたちを守れ!」
~専門家・市民による独立放射能汚染調査報告と要請~
4月13日、FoE Japan、飯舘村後方支援チーム、福島老朽原発を考える会が主催し、院内セミナー「原発震災から子どもたちを守れ!」を開催しました(>開催案内)。急な呼びかけにも関わらず、約30名の国会議員、議員秘書のみなさまをはじめ、200名以上の方にお集まりいただきました。
現在も進行中の放射能汚染の広がりに対する市民の不安や憤り、東電・政府の対応へのもどかしさなど、切実な思いがアンケートからも伝わってきました。FoE Japanは一市民団体として、微力ながらできる限り市民の思いを議員や政府に届けるよう努めてまいります。
以下、講師のみなさまからの発表を簡単に報告します。
福島老朽原発を考える会代表の阪上武さんからは、市民団体と県による各地の小学校校庭の放射能測定の結果で、特に県北地域の校庭の一部で高い値が示されたことが報告されました。
そのような状況の中福島県は、4月6日に福島県内の多くの小中学校の入学式の実施を決めました。現地で雨のなか傘もささずに歩く児童を目にして、放射線防護の呼びかけの必要性を強調し、新学期の延期や学童疎開検討の必要性を訴えました。
京都大学原子炉実験所の今中哲二さんからは、「飯舘村周辺放射能汚染調査チーム」が3月28~29日に、原発から北西方向25km~45kmの飯舘村で実施した、空中および土壌の放射能汚染調査結果が報告されました。
そこにずっといた場合の「積算線量」が避難に値する深刻なレベルであることが述べられました。
また、20年にわたり同村で持続可能な村づくりを支援してきた日本大学の糸長浩司さんは、国からの情報開示の遅れやブレを指摘し、30km圏の線引きにこだわらず汚染状況に応じたきめ細かい対応・対策と支援が必要であることを報告しました。
また今後の復興について、もっと現場の人の声を聞いて、一緒に考えていくことが必要であると強調しました。
>糸長浩二氏講演資料[PDF]
最後に、原発から約5kmの町から避難してきた住民の方から「計画避難地域が11日に指定されたが、危険性をもっと早く指摘していれば、30km圏内の子どもや妊婦がもっと早く避難できていたのではないか」と発言がありました。
今中さんからは、放射能被曝による健康障害には、急性と晩発性があるが、われわれが問題としているのは後者だとコメントされました。
動画報告はこちら
>https://www.ustream.tv/recorded/13964934
>https://video.labornetjp.org/Members/YUMOTO/videos/mamore.wmv/view
原発震災から子どもたちを守れ!
~専門家・市民による独立放射能汚染調査報告と要請~
丹精込めて手入れした田んぼ(飯館村) (C)小澤祥司 |
福島第一原子力発電所の事故に伴い、避難勧告、屋内退避が政府から出されていますが、避難勧告の範囲外であっても、高い放射線量が確認されている地域もあります。福島県の小学校では、新学期が始まろうとしています。
政府の20km圏以内の避難指示、20~30kmの自主避難要請は、果たして適切なのでしょうか。
このたび、専門家、市民のそれぞれ2つのチームが独自の調査を実施しました。
京都大学原子炉実験所の今中哲二助教率いる「飯舘村周辺放射能汚染調査チーム」は、原発から北西方向25km~45km に位置する飯舘村において放射線調査を実施し、福島県内の他地域に比べて汚染の大きい、ホットスポットと推定される放射能汚染が生じていることが認められました[注1]。また、15年にわたり同村で持続可能な村づくりを支援してきた日本大学生物資源科学部糸長浩司教授から、住民のくらしと生業を守るためにどのような対策が必要なのか解説いただきます。
福島県内と隣接する宮城県南部を中心に活動する市民団体が、各地の小学校校庭の放射汚染状況を調査し、校庭の一部に放射能量が高いホットスポットと言われる部分が存在することがわかりました。新学期に伴い、児童・生徒たちをいかにして守るのか、福島老朽原発を考える会(ふくろうの会[注2])の阪上武さんが解説いたします。
注1:
飯舘村周辺放射能汚染調査チーム暫定報告
>https://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf
注2:
フクロウの会HP
>https://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/
日 時 | 2011年4月13日(水)15:00~17:00 ※終了時間が変更になりました。 ※議員会館の外からお越しの参加者には、14:45から15:15まで、衆議院第2議員会館の入口で入館証を配布します。大幅に遅れる場合は、あらかじめご連絡ください。 |
会 場 | 衆議院第2議員会館多目的会議室 >地図 東京都千代田区永田町1-7-1 |
講 師 (敬称略) |
今中哲二(京都大学原子炉実験所 助教) 糸長浩司(飯舘村後方支援チーム代表、日本大学生物資源科学部教授、 NPO法人エコロジー・アーキスケープ代表) 阪上武(福島老朽原発を考える会代表) 小澤祥司(飯舘村後方支援チーム) 浦上健司(飯舘村後方支援チーム) >講師プロフィール |
資料代 | 500円 |
定 員 | 140名 |
主 催 | FoE Japan、飯舘村後方支援チーム、福島老朽原発を考える会 |
協 力 | 環境エネルギー政策研究所、原子力資料情報室、「環境・持続社会」研究センター |
申込み | 申込みフォームよりお申込みください。 ※定員に達したため、お申し込みを締め切りました。 ※当日は、下記で、Ustreamでの中継を予定しています↓ >https://www.ustream.tv/channel/cnic-news |
問合せ | FoE Japan 満田、渡辺 Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219 Email: finance@foejapan.org |
【講師プロフィール】 [↑戻る]
阪上武氏(福島老朽原発を考える会 代表)
東電の原発及び浜岡原発の運転停止、老朽原発の廃炉、プルサーマル中止を求めて、福島の市民運動と連携しながら首都圏で活動。浜岡原発運転差止訴訟原告、東電MOX裁判元原告。
今中哲二氏(京都大学原子炉実験所 助教)
大阪大学工学部卒業後、東京工業大学理工学研究科、原子核工学修士終了。現在、京都大学原子炉実験所 / 原子力基礎工学研究部門(助教)。
研究課題は、原子力施設がもたらす環境影響に関する研究(放射能汚染、被曝評価、チェルノブイリ事故)、広島・長崎原爆による中性子線量評価に関する研究(原爆放射線、中性子輸送,被曝評価など)。
糸長浩司氏(飯舘村後方支援チーム 代表、日本大学生物資源科学部 教授)
日本大学生物資源科学部糸長研究室、NPO法人エコロジー・アーキスケープでは、飯舘村と共同で持続可能な村づくりを目指すさまざまな取り組みを15年にわたり行ってきたことから、今回の東電原発事故災害に伴う、情報収集・広報・助言などを行っている。今回の「汚染調査チーム」にも、小澤祥司、浦上健司のメンバーが参加している。
飯舘村の村づくり支援および震災後の支援を行うNPO法人エコロジー・アーキスケープのサイトはこちら
>https://www.ecology-archiscape.org/