森のプレゼント
JR西日本による支援
●J-WESTポイントの「カーボンオフセット特典」
JR西日本が発行するクレジットカード“J-WESTカード”。カード利用によって貯まるJ-WESTポイントの交換方法の一つが「カーボンオフセット特典」です。
FoE Japanは、カードのご利用者の温かいお気持ちにより、1ポイント=2円の寄付を頂いています。ご寄付は森林保全や地球温暖化対策に関する活動に充てさせていただいています。
>J-WESTカードのWEBサイトへ
●2015年度実施できたこと
2014年度寄付総額 | 3,017,600円 (2015年度活用させていただきます) |
● 被災地の海岸林を再生させ、地域材の利用を拡大し身近な森から守る!
我が国は、国土の約7割が森林に被われる森林大国です。しかしながら、うち約4割を占めるスギ・ヒノキ等の人工林、その他広葉樹などが生い茂る天然林は、木材輸入の自由化による国内林業の衰退やエネルギー転換により1950年代以降、次第に使われなくなってきました。間伐が行われないために成長が妨げられた林地、利用されなくなり荒れ放題になった里山では、本来の森としての機能が低下し、Co2の固定機能も低下してしまいます。
現在、我が国は木材需要の7割以上を輸入材に依存しています。海外の森林伐採は、日本国内の人工林の伐採とは異なり、天然林の皆伐が主流であり、生態系へのインパクト、地域住民の人権侵害、違法伐採の危険性が高いのが実情です。このように環境・社会リスクの高い輸入材の利用を抑制し、国産材の利用を拡大することで、国内外の森林保全に貢献することが必要とされているのです。
国内森林の問題を解決するためには間伐による森林の整備が必要ですが、間伐を推進するだけでは不十分であり、私たち自身が消費を通して森林や木材をより身近なものとして実感し、木材利用自体を拡大させることが不可欠となります。木材消費スタイルを変え、身近な地域にある「顔をみえる木」の利用をスパイラルアップさせることで国内の森林利用を推進し、この結果として森林内外における木へのCo2固定を拡大することを目的として、以下の事業を実施しています。
また今年度から、東日本大震災の津波に際して甚大な被害を受けた海岸林を再生(植林)することで、被災地の環境を保全すると共に、住民参画を促すことで本来的な被災地の復興にも寄与することを目指します。
1. 被災地において地域材を使った復興住宅建設を目指す住宅供給業者支援
東日本大震災の津波による海岸林の流失面積が被災地で最大であった宮城県亘理郡山元町において、海岸林再生プロジェクトを進めています。海岸林は、強い海風や潮害から農地や集落を守る環境保全機能を持っていますが、それが失われた現在は、農業の復興も難しく潮風に強い農作物から初めているのが現状です。
今年度は、海岸林植樹の初年度として、現地NPO法人と協力の上、自治体と植栽地利用の協定を締結し、行政が土盛りした台地状の植栽地0.1haへクロマツと広葉樹(コナラ、クヌギ等)を合わせて500本を植林しました。0.1haは、クロマツ(3年生)を植樹した場合で概算すると、年間で0.92tのCo2を吸収し、10年生時には36.6tのCo2を固定するとされています。
その後、苗木の順調な育成のため、8月には下草刈りと追肥を実施。降雨や強風によって崩れてしまう土壌を補正し、排水のための溝掘りをする等の日常的なメンテナンスも実施しています。11月には、冬季の厳しい土壌侵食から苗木を守るために麻製で土に還る材質の防草シートを設置しました。
年明けからは来年度の植樹のため、新たに植栽地の利用協定を締結。今年度の約4倍である0.37haの利用が可能になりました。植樹は春のみ実施可能なため、年度初めの植樹祭開催を目標に、植栽地の地拵え(重機を導入し、土壌を掘り返し、肥料を混入。その後、手作業で苗木を植える小山を一定間隔でつくる)を行いました。
また、本来はビニールハウスが必要である広葉樹の育苗を、試験的に露地で開始。2~3年後の植樹に向けて育苗方法の改良も含めて検討を行っています。
2. フェアウッドの利用拡大のための展示会・ワークショップ開催
環境・社会へ配慮した木の使い方を普及するフェアウッドカフェでは、これまで出展してきた野外イベントの他、より長い期間にわたり多くの方々に木に触れる機会を創出することを目的として展示会を開催しました。店内の内装に、すべて生産者のみえる国産材=フェアウッドを使っている飲食店パン・オ・スリールと協力の下、2ヶ月間の展示を行い、40日間で約10,000人の来客があった。会期中には寺社で伐られた木、みかん園の木など、街中の身近な木材を使って木製のスプーンやフォークを作っている静岡県三島市の木工作家であるRokumokuさんによる木工ワークショップ・お話会を合計3回実施。キーホルダーにもなる木製のフランスパン・食パンのチャームづくりを行うと同時に、地域の木を使った製品づくりの大切さを伝えました。これに加え、野外イベント(来場者19,000人)にも出展し、木工製品の展示・販売を行った。
間伐材を活用したベンチを公共施設等へ寄贈する流れを継続することで間伐材への需要を増やし、森林整備を促進する森のプレゼントでは、新たに子どもたちがどろんこになって遊べる空間として近年整備され始めているプレーパークでも木育ワークショップを実施し、親子の参加の下でベンチの組立てを行いました。年間で約90名の参加の下、間伐の大切さを伝える紙芝居の実演と、間伐材ベンチの組立てを行った。