森のプレゼント
JR西日本による支援
●2013年度実施できたこと
2012年度寄付総額 | 3,134,800円 (2013年度に活用させていただきました) |
● 使って守ってオフセット!
我が国は、国土の約7割が森林に被われる森林大国です。しかしながら、うち約4割を占めるスギ・ヒノキ等の人工林、その他広葉樹などが生い茂る天然林は、木材輸入の自由化による国内林業の衰退やエネルギー転換により1950年代以降、次第に使われなくなってきました。間伐が行われないために成長が妨げられた林地、利用されなくなり荒れ放題になった里山では、本来の森としての機能が低下し、Co2の固定機能も低下してしまいます。
このような国内森林の現状に対し、木の流れから未来を変えることを目指し、身近な地域にある顔を見える木をどんどん使っていくことで炭素を固定し、国内の森林保全に寄与すべく以下の事業を実施しました。
1. 被災地において地域材を使った復興住宅建設を目指す住宅供給業者支援
東日本大震災から既に3年が過ぎ、震災復興が進められるなか、津波により甚大な被害を受けた地域の住宅復興は予定よりも遅れており、未だに応急仮設住宅に居住する被災者がほとんどです。FoE Japanが震災後から支援活動を開始した宮城県では、H26年2月末時点でも、災害公営住宅の建設は計画の4.6%に留まっています。この他、約3万戸と予想される自立再建(個人住宅)も、土地の造成の遅れ等から思ったように進められていません。
1万5千戸と予想される災害公営住宅を、地域の木材を使って作ろうという考えの下、FoE Japanが支援する被災地の業者さんは、新たな受注体制作りに参画し、協議を継続しています。また、自立再建を望む被災者のために、地域材を使った住宅説明会や構造見学会を開催し、地域の人材と資材を使った家づくりを普及する機会の創出に努めました。
2. フェアウッドを使った企業協力と一般への普及・啓発
「顔のみえる木を使おう」をキャッチフレーズに進められてきたフェアウッド事業において、2013年度は、企業さんの本業の部分における環境配慮を実現する方法として、これまで価格や仕様ベースで選択することが通常であった資材の選び方へ、産地の見える国内材の利用を盛り込んでいただき、建設する展示スペースや店舗什器に地域材を使っていただくお手伝いをしました。資材の提供に際しては、モノだけの提供ではなく、実際に産地へ足を運び、生産者と対話するための視察も行うなど、バックグラウンドの情報提供にも努め、より密接なコミュニケーションを通じ、産地の森の保全についても理解していただきました。
一般の方々への普及としては、野外イベントへ多数出展し、昨年度より支援を開始した東北の木工製品をより多くの方々へ販売することで、約8割を輸入に頼る木材流通の現状や違法伐採材の混入の可能性を背景に、国産材や地域材とよばれる身近な森林からの木材を使う意義を理解してもらえるように努めました。今年度の野外イベントでは、木と触れ合うワークショップも開催し、親子が一緒になって参加する機会を設け、間伐材から作られた木製品を長く使うことによる森林保全への貢献の重要性についても知ってもらいました。