フェアウッド
キャンペーン趣意書
「世界の森林保全のため、木材や紙のグリーン調達を推進します」
企業が事業活動を行うにあたり、単に利益の追求だけではなく、環境問題をはじめ様々な社会的側面に配慮して経営を行うという「企業の社会的責任(CSR)」を果たすことは世界の潮流です。原料調達、製造・加工、販売における自らの環境負荷や社会への影響を把握するためサプライチェーン・マネジメントを構築し、多様なステークホルダーに対して説明責任を果たすことは、CSRの中核をなすものと考えられます。
一方、世界で起こっている森林の減少・劣化を食い止めるためには、保護すべき森林をきちんと保護するとともに、利用をする森林については持続可能な森林管理を行っていかなければなりません。私たち日本人は毎年9,000万m3の木材を紙や建設、家具用などとして使っており、世界屈指の木材輸入国です。そのうち、8割以上が海外から輸入された木材であり、原産国には原生林を含む保護価値の高い森林の乱伐や違法伐採問題がはびこっている国々も含まれています。
欧米では公共調達において紙・木材の調達方針を設ける国が増えています。また、ビジネス界でもCSRの一環として紙・木材について調達方針を設け、伐採地まで遡ったサプライチェーン・マネジメントを行い、持続可能な森林管理を支援しようという流れが確実に広まっており、調達先に対しても同様の取り組みを求める企業が増えてきています。
私たちは、以上の問題を認識し、世界に残された貴重な森林生態系を保全し、持続可能な森林管理を支援するため、社会全体での取り組みを進め、とりわけ木材や紙の購入者や企業に対して以下の行動を呼びかけてまいります。
1.木材や紙のグリーン調達を推進すること
2.そのために、木材や紙のサプライチェーン・マネジメントを行い、持続可能な森林管理が行われるよう購入者として要望すること
「フェアウッド・キャンペーン」は、(財)地球・人間環境フォーラムと国際環境NGO FoE Japanが共同で実施しているキャンペーンです。木材や紙の利用者として責任ある行動をとることで、生産地における持続可能な森林管理を支援し、世界の森林環境保全に貢献することを目指しています。キャンペーンでは主に以下の活動を行っております。
● 世界の森林についての情報収集、調査・分析、情報発信
● 木材・紙のグリーン調達のためのツールやガイドブックの開発と普及
● セミナーや勉強会、シンポジウムの開催、「紙・調達調達方針にかかるワーキング・グループ」
【呼びかけ人】
(財)地球・人間環境フォーラム、国際環境NGO FoE Japan
【賛同人】(五十音順、敬称略、2004年12月16日現在)
(株)クレアン、荒谷明日兒(新潟大学)、磯崎博司(明治学院大学)、井上真(東京大学)、大橋照枝(麗澤大学)、柿澤宏昭(北海道大学)、角谷宏二(全国木材組合連合会)、熊崎実(岐阜県立森林文化アカデミー)、黒田かをり(CSOネットワーク)、幸田シャーミン(環境ジャーナリスト)、後藤敏彦(環境監査研究会) 、坂本茂實(環境監査研究会)、高村ゆかり(龍谷大学)、中島徹(東京大学)、中原秀樹(武蔵工業大学)、藤原敬(森林総合研究所)、山本良一(東京大学)