お知らせ
【開催報告】
1/25・27 フェアウッド推進セミナー
~持続可能性の実現に向けて、どうするフェアウッド&合法木材?!~
フェアウッド&合法木材の一層の利用促進に寄与するために、これまで先陣を切ってフェアウッド&合法木材等の利活用に積極的に取組んできた企業の方々を中心に、個々の事例におけるこれまでの成果と今後の課題を共有し、森林・林業の持続可能性の実現に向けた次の一歩として何が必要なのか、ポイントになるのかについて、検討、議論しました。
第一部は、世界におけるフェアウッド供給体制の状況、木材生産国の状況(ベトナムおよびロシア)についてFoE Japanが報告を行いました。第二部は、企業の取り組みとして、住宅メーカー、建材メーカーの木材調達方針等についてご発表いただきました。第三部は、パネルディスカッション形式で、フェアウッド調達における苦労話、導入によるメリットや課題等、セミナー参加者との意見交換を行いました。
イントロダクション 世界が向かうフェアウッド
発表:三柴淳一(FoE Japan)
フェアウッド&合法木材の概念、2006年のグリーン購入法改正の内容および合法木材ガイドライン、欧米諸国で行われている輸入規制の取り組みを紹介。2010年10月に欧州議会でEU市場規制が承認され、アメリカでは、2008年に改訂されたレイシー法により、違法木材製品を販売した会社が摘発された。調達者に責任が課せられるようになってきた。
1.フェアウッド供給体制の現状~生産国調査報告 ベトナム編
発表:満田夏花(FoE Japan)
ベトナムでは人工林が増え、天然林が劣化している傾向がある。その原因は農地転換、大規模インフラのための開発、違法伐採。ベトナム国内での違法伐採は減少していると言われているが、木材の国内需要の8割を周辺国からの輸入に頼っていることから、近隣国からの違法木材がベトナムに持ち込まれている。ベトナムから木材輸入する際には原産地確認が重要。
2.フェアウッド供給体制の現状~生産国調査報告 ロシア編
発表:佐々木勝教(FoE Japan)
世界最大の森林面積を持つロシアは、5690万haが伐採リースに割り当てられている。ソビエト連邦崩壊後、加工の精度、木材生産量ともに後退し、木材加工業への取り組みが盛んになっている。2007年に森林局が地方政府下へ移り、国家による森林管理が不安定となり、違法伐採が多発している。地方・州政府による仕組み作りが求められる。
3.住宅メーカーの取り組み~調達方針運用実績と効果、および今後の課題
発表:岡靖明氏(ミサワホーム株式会社 建設推進部 環境推進グループ)
「生物多様性の保全」、「持続可能な利用」をキーワードに、2010年6月に「木材調達ガイドライン」を発行。ガイドラインの冒頭では、生態系に悪影響を与える木材調達を行わない姿勢を示し、時代に合った環境戦略を打ち出したことをアピール。フィンランド直営工場建設による木材の安定供給、一貫体制での管理(資源採取から現場施工まで)、現地での植林活動等を紹介。
4.住宅メーカーの取り組み~調達方針運用実績と効果、および今後の課題
発表:木戸一成氏(積水ハウス株式会社環境推進部)
木材調達ガイドラインの特徴は、生態系保全および社会的影響を視野に入れた持続可能性、NGOとの協働、サプライチェーンとのコミュニケーション。2007年4月に10の調達指針を作成し、各指針に点数をつけた合計点で評価。サプライヤーとは対話をしながら、10の調達指針の中から、柔軟に対応してもらっている。一般市民に対するフェアウッド情報発信が重要。
5.建材メーカーの取り組み~調達材の切替え実績と効果、および今後の課題
発表:谷口正剛氏(朝日ウッドテック株式会社 経営企画室 環境推進グループ)
環境に配慮し、長く使えるコンセプトで、製品体積の7割以上が持続可能な木質部材で使われている「エコフロアー」を紹介。持続可能な木質部材の定義として、適切に管理された森、アグロフォレストリー、マテリアルリサイクルの3つを掲げる。木質部材の調達においては現地訪問し確認することを重視(カリマンタン島のFSC認証林区を紹介)。
■資料ダウンロード
>一括ダウンロード (1/25東京) (5.1MB)
>一括ダウンロード (1/27大阪) (3.8MB)
■ 実施日/参加者数
・平成23年1月25日(東京) 13:00~16:00
国立オリンピック記念青少年総合センター
センター棟 セミナーホール
参加者数:89名(企業関係者 81名、自治体関係者 3名、NPO/NGO 3名、個人 2名)
・平成23年1月27日(大阪) 13:00~16:00
エル・おおさか(大阪府立労働センター)6階606号室
参加者数:57名
(企業関係者41名、自治体関係者4名、NPO/NGO1名、その他法人5名、個人6名)