【プレスリリース】261の日本の市民団体が欧州委員会に公開書簡 「グリーン」でも「持続可能」でもない原発をEUタクソノミーに含めるべきでない

福島支援と脱原発2023.7.10

公開書簡  >プレスリリースのPDF版はこちら

署名サイトを立ち上げました(2022年1月26日から)

本日、日本の261のNGOや市民団体が、原発をEUタクソノミー(注)に含めるべきではないとする公開書簡を欧州委員会宛てに発出しました。環境NGOや各地でエネルギー原発に取り組む団体、原発事故被害者団体、支援団体などが含まれています。

書簡では、「原発は、ウランの採掘から原発の運転、廃炉に至るまで、放射性廃棄物を生み出し、環境中に放射性物質を出し続け、持続可能性や環境保全とは真逆のもの」とし、「原発への投資にEUがお墨付きを与えることになれば、EUタクソノミーの信頼が損なわれるのみならず、EUおよび世界中の人々の将来に大きな負の遺産を残す」と訴えています。

また、福島第一原発事故は終わっていないこと、高レベル放射性廃棄物は、地下深くで長期間にわたり管理が必要だとされているのにもかかわらず、日本も、また多くの国々においても、処分地すら決まっていないこと、燃料の原料となるウラン採掘の際にも、環境汚染や人権侵害があとをたたないことを指摘、原発を気候変動対策とすることは、EUタクソノミーの「‘do no significant harm’ (DNSH):重大な害をもたらさない原則」に反するとしています。

原発事故被害者団体連絡会代表の武藤類子さんは「原発事故から長い時間が経っても、深刻な被害が続いていることを考えると、原発が環境にやさしいエネルギーであるということはありえない」と話しています。

FoE Japan気候変動・エネルギー担当、深草亜悠美は「原発は超長期にわたり管理が必要な核のごみを生み出し続け、将来世代に大きな重荷を押し付ける。環境にも社会にも大きな負の影響をもたらしてきている。未だ原発事故の被害に苦しみ続ける人たちがいる中で、原発をEUタクソノミーに位置づけることは、受け入れられない」とコメントしています。

Fridays For Future Sendai,Japanの鴫原宏一朗さんは「懸念していた事態。気候変動対策で原発を利用することは、気候変動を生み出してきた社会、一部の人が利益をあげ、矛盾・被害を外部化し、誰かを犠牲にする社会を継続することにほかならない。私たちが求めていかなければならないのは「脱炭素」ではなく「気候正義」」とコメントしています。

以上

注)EUタクソノミーとは:気候変動など6つの環境分野に貢献する活動を明確にし、それらの事業に投資を促進するためのEU独自の仕組み。

参考記事)EUタクソノミーと原発をめぐる議論:
https://foejapan.wordpress.com/2022/01/05/taxonomy_nuclear/


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「持続可能」でも「グリーン」でもない原発を
EUタクソノミーに含めるべきではない

2022年1月11日

欧州委員会委員長
ウルズラ・フォン・デア・ライエン 様

欧州委員会が、気候変動対策などへの投資を促進するための「EUタクソノミー」の案に原発を盛り込んだことについて、原発事故を経験した私たち日本の市民は大きな衝撃を受けています。
原発は、ウランの採掘から原発の運転、廃炉に至るまで、放射性廃棄物を生み出し、環境中に放射性物質を出し続け、持続可能性や環境保全とは真逆のものです。もし、原発がEUタクソノミーに含められ、原発への投資にEUがお墨付きを与えることになれば、EUタクソノミーの信頼が損なわれるのみならず、EUおよび世界中の人々の将来に大きな負の遺産を残すものとなるでしょう。私たちとしては到底受け入れられるものではありません。

1.福島第一原発事故は終わっていない

東京電力福島第一原発事故は終わっていません。未だに少なくとも3万人を超える人たちがふるさとに帰れないまま暮らしています。多くの人たちがそれまでの生活、生業、生きがいを失いました。
廃炉は遅々として進まず、日本政府は、敷地にためられている放射性物質を含んだ大量の水を海洋に放出し、また、除染によって発生した放射性物質を含む土を公共事業などに利用しようとしています。原発事故の原因解明も終わっていません。
福島原発事故は、チェルノブイリ原発の深刻な事故のわずか25年後に発生しました。それまで、日本政府や電力会社は「原発は絶対に安全」として無責任に原発を推進してきました。
EUはこうした原発事故の悲惨さに学び、ソ連や日本の二の舞を避けるべきです。

2.原発は深刻な環境汚染や人権侵害をもたらす

原発は稼働し続ける限り、さまざまなレベルの核廃棄物を生み出します。高レベル放射性廃棄物は、地下深くで10万年以上も管理が必要だとされているのにもかかわらず、日本も、また多くの国々においても、処分地すら決まっていません。仮に地下深くに処分しても将来の環境汚染は避けられません。
燃料の原料となるウラン採掘の際にも、環境汚染や人権侵害があとをたちません。
原発は、電力を多く消費する都会ではなく離れた過疎地に建設されます。原発事故で被害を受けたのは、福島第一原発が電気を送っていた東京ではなく、電気を使っていなかった福島およびその周辺だったのです。また、運転や点検作業に直接従事する労働者は常に被ばくによる健康リスクを負うことになります。こうした意味で原発は、社会的な大きなひずみや不正義の象徴とも呼べるものです。

3.原発は気候変動対策にはならない

以上のように、原発を気候変動対策とすることは、EUタクソノミーの「‘do no significant harm’ (DNSH):重大な害をもたらさない原則」に反しています。
それと同時に、原発は事故やトラブルを起こしやすく、コストが高く、不安定な電源です。近年の異常気象により、水温上昇で炉心冷却に使う十分な水が取水できず原発を停止せざるをえないケースや、海岸沿いの原発の水没リスクが増大するなど、原発が気候変動に脆弱であることを示す報告が相次いでいます。
大規模な原発の事故被害の深刻さは福島第一原発事故で明らかですが、小型モジュール炉にも解決不可能な問題があります。原発を使い続けることは、大量に電力を消費する社会構造を促し、EUはエネルギーや社会を持続可能なものとする機会を失うでしょう。

以上の理由から、私たちは原発をEUタクソノミーに含めないよう、強く要望します。

(261団体)

国際環境NGO FoE Japan、気候ネットワーク、ピースボート、原子力資料情報室、環境エネルギー政策研究所、これ以上海を汚すな!市民会議、Fridays For Future Sendai、Fridays For Future Hirosahima、Fridays For Future太宰府、国際環境NGO 350.org Japan、原発事故被害者団体連絡会、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、ちくりん舎(NPO法人市民放射能監視センター))、フクロウの会(福島老朽原発を考える会)、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟、志賀原発を廃炉に!訴訟原告団、ベクレルフリー北海道、原発いらん!山口ネットワーク、さよなら玄海原発の会・久留米、Protect Our Winters Japan、YAMANOVA、山田建設株式会社、脱原発をめざす北電株主の会、ふぇみん婦人民主クラブ、特定非営利活動法人北海道グリーンファンド、環境文明21、釧路火力発電所を考える会、グリーンコープ生活協同組合おかやま、袖ヶ浦市民が望む政策研究会、原発さよなら千葉、市原憲法を活かす会、さよなら原発!三鷹アクション、グリーンピープルズパワー、一般社団法人おひさまネットワーク倉敷、平和と自治のひろば、山口被爆二世の会、カトリック札幌教区正義と平和協議会、NPO法人NNAA、トランジションタウン府中、原発止めよう!東葛の会、一般社団法人GQパワー、原子力規制を監視する市民の会、言霊の交換、横須賀火力発電所建設を考える会、市民自治を創る会、原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会、NoNukes! 野にゆく会、認定NPO法人環境市民、被ばく医療を考える会かごしま、さっぽろ市民放射能測定所はかーる・さっぽろ、千葉中央臨海部大気環境を考える会、原発止めよう!九電本店前ひろば、日本山妙法寺、地球救出アクション97、原発ゼロへ・生駒の会、エナガの会、エラスムス平和研究所、神戸国際キリスト教会、(社)神戸国際支縁機構、反原労(反原発労働者行動実行委員会)、電力改革プロジェクト、かながわ平和憲法を守る会、新空港反対東灘区住民の会、さよなら原発なら県ネット、食政策センター・ビジョン21、さよなら原発北葛の会、脱原発・自然エネルギーをすすめる苫小牧の会、原発やめよう/つながろう関西・マダム会議、NPO法人 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ、鎌倉・岐れ路の会、放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会、ZENKO関電前プロジェクト、パレスチナ連帯・札幌、NPO法人 九州・自然エネルギー推進ネットワーク、脱原発大分ネットワーク、真宗遺族会広島地方支部、福島応援プロジェクト・茨城、PV-Netほどがや、反戦老人クラブ・京都、311を忘れない in 静岡、支援交流『虹っ子』、一般社団法人大磯エネシフト、大間とわたしたち・未来につながる会、市民のひろば、合同出版株式会社、フェアトレード&エコショップオゾン、シニア・ワーカーズコープ仙台、今を生きる会、パワーシフト福岡、十姉妹の会、東区から玄海原発の廃炉を考える会、NPOこだいらソーラー、さよなら原発品川アクション、一般社団法人所沢市民ソーラー、アグリ・ウォッチャ-・クラブ、脱原発へ!関電株主行動の会、市民環境研究所、玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会、原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動、脱被ばく実現ネット、まちだ市民連合、八王子市民放射能測定室・ハカルワカル広場、ぐるぅぷ未来、平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声、羽田空港増便問題を考える会、さよなら原発・ぎふ、行動する市民科学者の会・北海道、若狭の原発を考える会、東京・生活者ネットワーク、福島老朽原発を考える会、350 Shizuoka、ウチら困ってんねん@京都、対話をすすめる市民有志、<ノーモア南京>名古屋の会、フクシマを思う実行委員会、さよなら原発デュッセルドルフ、赤塚・成増九条の会、核のごみキャンペーン関西、戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会、小平・環境の会、憲法を活かす市民の会・やまぐち、連帯労組・やまぐち、AWC山口、原発はごめんだヒロシマ市民の会、脱原発アクション in 香川、つなごう命の会、とめよう原発!!関西ネットワーク、全労協退職者ユニオン、北区市民発電所いいんかい、中野・生活者ネットワーク、自然エネルギ^ねやがわ市民の会、サヨナラ原発福井ネット、市民連合多摩、市民連合おうめ、反戦タイガース兵庫、脱原発!いとしまネットワーク、さよなら原発イン所沢連絡会、福島原発裁判を支える会・所沢、子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会、アジェンダ・プロジェクト、脱原発をめざす新潟市民フォーラム、原発反対八王子行動(金八デモ)実行委員会、この指止まれ、さよならニュークス ベルギー、緑の党グリーンズジャパン、脱原発の日実行委員会、原発いらない金曜行動、放射能汚染水放出に反対する北区の会、NPO法人上田市民エネルギー、日伊の架橋ー朋・アミーチ、JAN (Japanese Against Nuclear) UK、丹波自由学校、会津放射能情報センター、フクシマ・アクション・プロジェクト、トランジションタウン川西、脱原発をめざす女たちの会・北海道、よそものネット・フランス、放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜、京都脱原発原告団、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、川内原発30キロ圏住民ネットワーク、北海道のエネルギの未来を考える10000人の会、東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)、脱原発かわさき市民、東村山エナジー、原発の危険性を考える宝塚の会、長野市環境を守る会、ピースフォーラム湘南、一般社団法人あつぎ市民発電所、特定非営利活動法人元気力発電所、ドルトムント独日協会、さよならニュークスデュセルドルフ、首都圏反原発連合、緑の大阪、モントリオール KIZUNA、サヨナラ・ニュークス・ベルリン、日蘭イ対話の会、三陸の海を放射能から守る岩手の会、グリーン・ニューディール政策研究会、子ども脱被ばく裁判の会、みやぎ脱原発・風の会、さよなら原発神戸アクション、みんなの放射線測定室「てとてと」、宮崎の自然と未来を守る会、「さよなら原発」ステッカーの会、日本山妙法寺 成田道場、反原発自治体議員・市民連盟、平和をつくり出す宗教者ネット、東日本大震災被災者支援千葉西部ネット、福島の子どもたちとともに・西湘の会、再稼働阻止全国ネットワーク、原発と気候危機を考える狛江の会、生活クラブ生活協同組合・神奈川、未来の福島こども基金、浜岡原発を考える静岡ネットワーク、脱原発・東電株主運動、チェルノブイリ子ども基金、NPO法人きらきら発電・市民共同発電所、沖縄・球美の里、経産省前テントひろば、アソシエイトエナジー株式会社、さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト、「平和への結集」をめざす市民の風、環境まちづくりNPOエコメッセ、脱原発仙台市民会議、原発さよなら四国ネットワーク、XR四国、市民の意見30の会・東京、湘南海浜植物育成会、柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会、高木仁三郎市民科学基金、公益財団法人 日本YWCA、NPO法人世田谷みんなのエネルギー、福島こども支援・八王子、NPO法人こがねい市民発電、生活クラブ生活協同組合(滋賀)、原発災害情報センター、一般社団法人あわエナジー、4月3日のひろば、東電株主代表訴訟、原発の廃止を求める会、生活クラブ生活協同組合(群馬)、アジア共同行動(AWC)日本連絡会議、市民電力連絡会、環境ウォッチTOKYO、NNR国賠訴訟原告団、脱原発と平和を武蔵野市から進める市民の会、災害避難者の人権ネットワーク、トランジションタウン小金井、市民エネルギーとっとり、えねみら・とっとり(エネルギーの未来を考える会)、安全食品連絡会、茅葺 桜井、グリーン市民ネットワーク高知、月1原発映画祭、アジア共同行動・京都、フクシマを忘れない会、people21、福島原発震災に関する研究フォーラム、日本キリスト教会北海道中会ヤスクニ・社会問題委員会、高木学校、原発事故を考える町田市民の会、上関原発止めよう!広島ネットワーク、さようなら原発@板橋ネットワーク、NPO法人循環型社会研究会、地方自治を考える市民の会、メコン・ウォッチ、一般社団法人 縮小社会研究会、みやぎ金曜デモの会、350中四国ネットワーク、福島原発震災情報連絡センター、NGO気候危機アクション藤沢、藤沢エコネット、NPO法人みたか市民協同発電、アイ女性会議広島支部、イチモクの会、アイ女性会議福山支部、特定非営利活動法人東大和エネルギーの会、核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団、飯舘電力㈱、市民ネットワーク北海道

 

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