問題と視点
開発金融機関への
政策提言 個別事業モニタリング 気候変動と開発 資料室 参加しよう
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カナダ・LNGカナダプロジェクト
パイプライン建設工事の様子(写真:コースタル・ガス・パイプライン(CGL)社)
「太古の昔から、私たちは大地と調和のとれた関係を保ってきました。私たちは大地に生かされており、大地を守る責任があるのです。」「彼らは私たちを私たちの土地から抹消しようとしています。これらの行為はすべて集団虐殺です。彼らは我々の土地に対する権利を全てないものにしようとしているのです。」
ーフレダ・ヒューソン(先住民族Wet'suwet'en)
2019年4月24日国連先住民問題に関する常設フォーラムにて
2019年4月24日国連先住民問題に関する常設フォーラムにて
現在、カナダのブリティッシュ・コロンビア州で液化天然ガス(LNG)をアジアに輸出するカナダ初の大型LNG事業が進んでいます。この事業は
1)天然ガスを採掘するためのモントニー・シェールガス開発事業
2)採掘場から輸出ターミナルに天然ガスを運ぶためのコースタル・ガスリンク・パイプライン事業(CGL事業)
3)天然ガスを液化、貯蔵、そして輸出するためのLNGカナダプロジェクト
の3つで構成されています。三菱商事、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)・国際協力銀行(JBIC)がモントニーでシェールガス開発事業に関与し、同じく三菱商事が出資するLNGカナダプロジェクトに対してもJBICが融資の検討を行っています。
特にパイプライン敷設事業に関してはカナダ先住民族の土地を使用することから、先住民族の中で反対の声が上がっており、カナダ政府・事業実施者は先住民族からの「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(free, prior and informed consent)」を得ていないと指摘されています。
また、化石燃料である天然ガスを採掘し燃料として使用することも環境・気候へ大きな負荷を与えることから、事業への反対の声が上がっています。
INVATION(Unist'ot'en制作/2019年)