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インドネシア・チレボン石炭火力発電事業
チレボン石炭火力・拡張計画
現地グループ共同声明「新型コロナウイルスからのコミュニティーの安全確保のため、チレボン石炭火力発電所・拡張計画の停止を」(和訳)
https://walhijabar.id/2020/11/30/demi-keselamatan-rakyat-dari-covid-19-stop-proyek-pltu-cirebon-2/
現地グループ共同声明「新型コロナウイルスからのコミュニティーの安全確保のため、チレボン石炭火力発電所・拡張計画の停止を」(和訳)
バンドゥン発――多くの労働者がCovid-19に感染しているにもかかわらず、チレボン石炭火力発電事業・拡張計画(2号機)は継続されている。同計画の事業者であるチレボン・エナジー・プラサラナ社(CEPR)は(そうした状況に)懸念を感じる代わりに、同計画が円滑に進んでいることに好意を示しさえしている。
メディア等で報じられているところによれば、同拡張計画に関係する労働者69名がCovid-19の検査で陽性と確認されている。その中には、複数の外国人もおり、韓国拠点の現代建設の労働者も含まれているということだ。
Covid-19に感染した多数の労働者が、事業地周辺の村に暮らす地元の契約労働者であることは懸念すべき事実です。西ジャワ州の新型コロナ対策本部の情報によれば、チレボン県は(新型コロナウイルスの感染リスクが最も高い)レッドゾーンに分類されている。チレボン県内での新しいクラスターの発生が、チレボン拡張計画、また稼働中のチレボン石炭火力発電所1号機で確認されている。
(アスタナジャプラ郡の)カンチ・クロン村の住民の話によれば、社会的弱者の家庭の住民らが、すでにCovid-19の感染のため病院で処置を受けているとのことだ。その情報によれば、チレボン拡張計画に関係する労働者から感染が広がり始めている可能性があるということだった。
現地グループ・ラペル(Rapel Cirebon)のリーダーであるモハマド・アアン・アンワルディンは、今回の事態について次のように強調している。「実際、私たちはCovid-19の感染拡大がインドネシア全体で起こる以前から注意喚起をしてきた。チレボン県では、石炭火力発電事業に関係する外国人から感染する可能性に注意を払わなくてはならない。」彼はまた、「石炭火力発電所に関連する労働者のなかで感染が拡大していることから、チレボン県知事は確固たる対応をとるべきだ。」と加えた。
また、(ナフダトゥル・ウラマー(NU)の青年組織である)アンソール・チレボン支部の環境部リキ・ソニアもまた同様の発言を寄せた。「チレボン石炭火力発電事業における新型コロナウイルスの感染拡大は深刻に受け止められるべきだ。同発電事業は新しいクラスターを起こした。したがって、同事業は停止されるべきだ。」彼は次のように説明を続けた。「これは深刻な事態なので、チレボン県知事は毅然とした対応をとるべきだ。選択の余地はない。県知事は石炭火力発電事業で新しいクラスターが発生した状況を無視しているかのようだ。同時に、彼は保健や教育施設を閉鎖しようとしている。」
一方、WALHI(インドネシア環境フォーラム)西ジャワのキャンペーナーであるワヒュディンは、事業者としてCEPR社は説明責任を果たすべきだと語った。「Covid-19に感染した労働者の数などに関して、CEPR社は建設請負業者に責任を押し付けるべきではない。」
したがって、アンソール・チレボン支部、ラペル、WALHI西ジャワは、以下のとおり、懸念を示すとともに要求する。
1.CEPR社や現代建設は、労働者や事業地周辺のコミュニティーの安全に配慮し、チレボン石炭火力・拡張計画における建設工事の作業を停止すること。
2.チレボン県知事は公共の安全性のため、Covid-19の感染拡大防止の観点から、チレボン石炭火力・拡張計画の停止を早急に命令すること。
アンソール・チレボン支部、ラペル、WALHI西ジャワは、あらゆる局面において、コミュニティーの安全が優先されるよう要請する。チレボン石炭火力発電所がすべてではない。コミュニティーの良質かつ健康的な生活と環境を保障することが、経済の重要性よりもまず優先されなくてはならない。
連絡先:
WALHI西ジャワ ワヒュディン
アンソール・チレボン支部 環境部 リキ・ソニア
(★)インドネシア・西ジャワ州チレボン石炭火力発電事業
1号機は、丸紅(32.5%)、韓国中部電力(27.5%)、Samtan(20%)、Indika Energy(20%)の出資するチレボン・エレクトリック・パワー社(CEP)がインドネシア国有電力会社(PLN)との間で30 年にわたる電力売買契約(PPA)を締結。総事業費は約8.5億米ドルで、融資総額5.95億ドルのうちJBICが2.14億ドルを融資した。2012年に商業運転が開始されている。2号機は、丸紅(35%)、JERA(10%)、Samtan(20%)、Komipo(10%)、IMECO(18.75%)、Indika Energy(6.25%)の出資するチレボン・エナジー・プラサラナ社(CEPR)がPLNとの間で25年にわたるPPAを締結。総事業費は約22億米ドルにのぼり、うち8割程度について、JBIC、韓国輸銀、日本・オランダの民間銀行団が融資を供与する(JBICはうち7.31億ドル)。現場では、アクセス道路の整備や土地造成作業などが終わり、本格的な工事が始まっている。2022年に運転開始見込み。
詳細はこちら → https://www.foejapan.org/aid/jbic02/cirebon/background.html
●関連WEBサイト
「JBICの石炭発電融資にNo!」プログラムについて → https://sekitan.jp/jbic/