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インドネシア・チレボン石炭火力発電事業
チレボン石炭火力・拡張計画
韓国紙「現代建設、発電所建設でインドネシア地元政治家への贈賄を認める」(和訳)
https://www.koreatimes.co.kr/www/tech/2019/05/693_268175.html
現代建設、発電所建設でインドネシア地元政治家への贈賄を認める
2019年5月2日
コリア・タイムズ紙 Jung Min-ho署名記事
韓国の大手建設会社「現代建設(Hyundai Engineering & Construction)」は、西ジャワ州の石炭火力発電所の建設事業でインドネシア地元政治家に対する贈賄行為を認めた。
コリア・タイムズ紙が繰り返し照会したところ、現代建設ソウル本社のスポークスパーソンは、建設をめぐり抗議していた住民を静めるため、仲介者を通じてチレボン県知事(当時)スンジャヤ・プルワディサストゥラに多額の資金を渡したと述べた。
「県知事は仲介者を通じて私たちにアプローチし、問題解決を申し出てきた。」と同社は話した。「私たちにとっては、期日通りに完工することが重要だ。そうでなければ、高額の罰金を課せられる可能性がある。したがって、彼に資金を渡した。」
地元紙によれば、スンジャヤが現代建設に賄賂を要求し、現代建設は要求された95億ルピア(約7,600万円)のうち65億ルピア(約5,200万円)を渡した。
「これくらいの大事業では、県知事が(利益の)分け前をもらうべきだと思った。」とインドネシア語でスンジャヤが述べたことが引用されている。
「(下請けの)ルディヤントのトラックが抗議活動をしていた住民らに妨害され、事業地に入ることができなかった。私たちが仲裁したおかげで、彼らは(事業地に)入ることが許され、私たちに支払いをした。」
主要な建設請負業者3社の一つである現代建設は、チレボン石炭火力発電所2号機(1,000メガワット)を建設中である。韓国電力公社(KEPCO)の子会社である韓国中部発電(KOMIPO)を含む出資者からの資金で2016年に着工し、来年には完工予定とされている(訳者注:工事遅延により、完工は2022年にずれ込む予定)。
スンジャヤは、本件を含むさまざまな汚職の容疑で公判中である。インドネシアの汚職撲滅委員会はこの7ヶ月間、徹底調査のなかで、彼の他、西ジャワの3名を逮捕している。
国際監視団体グローバル・ウィットネス(GW)のシニアスタッフはコリア・タイムズ紙に対し、「贈収賄事件が頻繁にニュースの見出しとなっているインドネシアの石炭産業に誤った投資をすることで、韓国政府と企業は評価を下げるリスクを抱えている。」と話した。
「石炭は、気候変動による破壊(的な損害)や大気汚染といったリスクを増すだけでなく、計り知れない、過小評価していた贈収賄のリスクもある。」とGWのアダム・マクギボンは述べた。
(★)インドネシア・西ジャワ州チレボン石炭火力発電事業
1号機は、丸紅(32.5%)、韓国中部電力(27.5%)、Samtan(20%)、Indika Energy(20%)の出資するチレボン・エレクトリック・パワー社(CEP)がインドネシア国有電力会社(PLN)との間で30 年にわたる電力売買契約(PPA)を締結。総事業費は約8.5億米ドルで、融資総額5.95億ドルのうちJBICが2.14億ドルを融資した。2012年に商業運転が開始されている。2号機は、丸紅(35%)、JERA(10%)、Samtan(20%)、Komipo(10%)、IMECO(18.75%)、Indika Energy(6.25%)の出資するチレボン・エナジー・プラサラナ社(CEPR)がPLNとの間で25年にわたるPPAを締結。総事業費は約22億米ドルにのぼり、うち8割程度について、JBIC、韓国輸銀、日本・オランダの民間銀行団が融資を供与する(JBICはうち7.31億ドル)。現場では、アクセス道路の整備や土地造成作業などが終わり、本格的な工事が始まっている。2022年に運転開始見込み。
詳細はこちら → https://www.foejapan.org/aid/jbic02/cirebon/background.html
●関連WEBサイト
「JBICの石炭発電融資にNo!」プログラムについて → https://sekitan.jp/jbic/