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インドネシア・チレボン石炭火力発電事業
チレボン石炭火力・拡張計画
インドネシア・チレボン石炭火力・拡張計画― 地元紙「(汚職容疑に関する)裁判で(前チレボン県知事)スンジャヤ氏『号泣』」(和訳)
https://www.radarbandung.id/metropolis/2019/04/11/sunjaya-mewek-di-persidangan/
裁判でスンジャヤ氏「号泣」
2019年4月11日(木)
レイダーバンドン
(写真)贈収賄疑惑の件でバンドン汚職裁判所の公判に臨むチレボン前県知事スンジャヤ・プワディサストゥラ氏
レイダーバンドン、バンドン発 ― チレボン前県知事スンジャヤ・プワディサストゥラ氏は、役職の昇進や譲渡に対する不正な支払いを要求したことに加え、(韓国企業の)現代建設(Hyundai Engineering Corporation:HDEC)にも賄賂を要求していたようだ。伝えられているところによれば、彼は要求した95億ルピアのうち、65億ルピア(約5,200万円)を受け取ったとのことだ。
本件に関する証拠は、スンジャヤがチレボン県における贈賄事件において被告として尋問された今日(2019年4月10日)の裁判で明らかにされた。公判は、バンドン市内のバンドン汚職裁判所で開かれた。
スンジャヤは、尋問中、突然泣き出した。汚職撲滅委員会のアイリン・カニアサリは、スンジャヤをすぐに叱責し、冷静を保ち感情的にならないよう、また、率直に証言するよう諭した。
「自分の行為を後悔している。罪を犯してしまったと感じている。自分の行為が違法であったと認める。」スンジャヤは泣きながら呟いた。
「被告に冷静になるよう求める。泣くのを止めなさい。」とアイリンは述べた。
それから、アイリンは、被告がブブル(訳者注:本文ではアスタナジャプラとなっているが、後段のとおり、正しくはブブル)郡長リタ・スサナを通じて行なった石炭火力発電所の建設業者に対する要請に関して、警察の調書を読み上げた。
警察の調書の記録によれば、「それくらいの規模の事業であれば、県知事が(ある利益の)一部をもらえるはずだと思う」とスンジャヤは語ったとのことである。
同調書によれば、それが、現代建設からスンジャヤに対して流れた資金の端緒となった。現代建設は、スンジャヤに対して95億ルピア支払うことに合意したものの、これまでに支払われたのは65億ルピアのみだったとのことだ。
その支払いは数回に分けて行なわれた。現代建設は、1,000 MWのチレボン2号機の主要な建設請負業者である。同資金は、スンジャヤに代わり、アスタナジャプラ郡長ムハムド・リン・タジュディンの妻であるブブル郡長リタ・スサナに渡された。
しかしながら、スンジャヤは、その資金がチレボン2号機事業の土地収用を促進した自分の奉仕に対する対価であったと反論した。
「地域の法の執行に注意が払われるよう、私はただ支援を求めただけだ。彼らは、私たちが(事業の)分け前を受け取ったと考え、私たちに(資金を)求め続けていた。しかし、ヘル氏(チレボン2号機事業の代表)は、彼らに直接(資金を)あげることはできないが、後日、同事業を通じてなされるだろうと言った。」とスンジャヤは述べた。
65億ルピアに関して尋ねられると、スンジャヤは、再度それを認められないとした。なぜなら、その資金は彼の助手であるデニが受け取ったものだからだと、彼は主張した。それに加え、同公判で明らかになったのは、スンジャヤが他の関係者、すなわち、ハジ・ビスリを通じてルディヤントから5億ルピア(約400万円)の資金を受け取っていたということである。
「当時、同事業の下請けであったルディヤントのトラックが、抗議活動をしていた地域住民によって阻まれ、事業地に入れなかった。ただ単に私たちの仲介によって、彼らがアクセスできたということへの感謝として、彼は私たちに現物支給しただけだ。」と彼は述べた。
スンジャヤの証言を聞き、フアッド・ムハンマディ判事はスンジャヤに対し、彼の助手の背後に隠れるのは止め(、明らかにす)るよう求めました。
「あなたは、受け取った資金の額を知らないと主張し、あなたの助手がすべてやったことと言い訳して隠れている。ちゃんと明らかにしてほしい。」と判事は求めた。
それから判事は、当該資金が銀行口座に振り込めるよう、スンジャヤが彼の助手であるデニに精神障害者の代わりに銀行口座を開くよう命じたことに関して、再び尋問した。
「あなたは、(銀行口座に)使われるワモおよびトピックという二人の精神障害書の身元について尋ねた。」と彼は言った。
公判ではまた、スンジャヤが、公共事業事務所などのさまざまな事務所から7億ルピア(約560万円)を受け取っていたことや、郡長らから定期的な支払いを受けていたことが明らかとなった。彼はまた、役職の昇進に関する要求について公にしていた。第4階級は昇進に1,000万ルピアの支払いが必要で、第3階級は1億ルピア、第2階級は5億ルピア必要である。
スンジャヤは、そうした支払いは彼の前任以来あったことで、「伝統」を単に続けていただけだと述べた。
このような彼からの回答を聞き、汚職撲滅委員会の弁護士は尋ねた。
「なぜ支払いを求め続けたのか。それが違法であったと知りながら、それでもあたなは続けた。」アイリン弁護士は尋ねた。
スンジャヤは、「調整のための資金は地域予算から供与されない。したがって、彼は常に、彼らの活動を維持するため、地域の警察長官や軍の代表、また地域の評議会議員に困らされていた。」と述べた。
「したがって、このようなルートを通じて得た資金は、調整のために彼らに供与された。地域の評議会議員は、条例などを審議する際に資金を常に求める。」と彼は言った。
(★)インドネシア・西ジャワ州チレボン石炭火力発電事業
1号機は、丸紅(32.5%)、韓国中部電力(27.5%)、Samtan(20%)、Indika Energy(20%)の出資するチレボン・エレクトリック・パワー社(CEP)がインドネシア国有電力会社(PLN)との間で30 年にわたる電力売買契約(PPA)を締結。総事業費は約8.5億米ドルで、融資総額5.95億ドルのうちJBICが2.14億ドルを融資した。2012年に商業運転が開始されている。2号機は、丸紅(35%)、JERA(10%)、Samtan(20%)、Komipo(10%)、IMECO(18.75%)、Indika Energy(6.25%)の出資するチレボン・エナジー・プラサラナ社(CEPR)がPLNとの間で25年にわたるPPAを締結。総事業費は約22億米ドルにのぼり、うち8割程度について、JBIC、韓国輸銀、日本・オランダの民間銀行団が融資を供与する(JBICはうち7.31億ドル)。現場では、アクセス道路の整備や土地造成作業などが終わり、本格的な工事が始まっている。2022年に運転開始見込み。
詳細はこちら → https://www.foejapan.org/aid/jbic02/cirebon/background.html
●関連WEBサイト
「JBICの石炭発電融資にNo!」プログラムについて → https://sekitan.jp/jbic/