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国際金融公社（IFC）のセーフガード政策・情報公開政策の改訂

世界銀行やIMF（国際通貨基金）、ADB（アジア開発銀行）などの国際金融機関の政策は、途上国の人々や環境に大きな影響を与えています。FoE Japanは、これらの機関の政策やプロジェクトに注目し、海外のNGOと協力し提言活動を行っています。

国際金融公社（IFC）は、世界銀行グループの一機関として、民間セクター支援を実施しています。2009年7月より、セーフガード政策（環境社会配慮政策）である「社会環境持続可能性政策」、「パフォーマンス・スタンダード」の改訂作業を行っています。同時に情報公開政策の改訂作業も進めています。

これらの政策は、各国の輸出信用機関（ECA）や赤道原則(*)に加盟している民間銀行が基準にしたり、参照されるため、これらの金融機関の環境社会配慮政策に幅広く影響を及ぼします。

* 赤道原則：世界の大手民間銀行などが批准している環境社会配慮の指針。現在67行が批准している。
日本では、みずほコーポレート銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行など。

改訂作業の経緯

●第１期コンサルテーション
IFCは、世界各地でコンサルテーション開催やコメント受付を通じて、セーフガード政策への意見を受け付けてきました。FoE Japanも、09年11月、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)と共同で、現在のパフォーマンス・スタンダードの強化を求める提言を提出しました。＞提言書はこちら

●第１ドラフトの公開～第２期コンサルテーション
こうしたプロセスを経て、IFCは改訂のための第１ドラフトを作成、2010年5月に公開しました。
第１ドラフトはこちら　＞https://www.ifc.org/ifcext/policyreview.nsf/Content/Resources

第１ドラフトでは、①現在のパフォーマンス・スタンダードより基準が弱くなった点、②改善すべきなのに改善されていない点がありました。例えば①について、現在のパフォーマンス・スタンダードでは、開発事業の「影響を最小化する」とされていたものが、全て「影響を減少させる」に置き換わってしまいました。

IFCは、第１ドラフト作成後、これに対するコメントを受け付ける第２期コンサルテーションを実施しています。その一環としてIFCが主催したコンサルテーション（7月・マニラ）で、FoE JapanはJACSESと共同で提言を提出しました。＞提言書はこちら

●第２ドラフトの公開～第３期コンサルテーション
IFCは、第２期コンサルテーションで受け付けた意見を踏まえて、2010年12月、第２ドラフトを公開しました。
第２ドラフトはこちら
＞https://www.ifc.org/ifcext/policyreview.nsf/Content/ProvideInput

第２ドラフトでは、第１ドラフトよりも改善された部分もありましたが（例えば、上述の「影響を減少」は「影響を最小化」という表現に戻った）、一方で、第１ドラフトよりも後退していると思われる部分や表現もあること、また、改善されるべき点も残されています。

第３期コンサルテーションの一環として、2011年1月21日、東京の世銀事務所でコンサルテーションが開催されました。FoE JapanはJACSESと共同で、第2ドラフトの改善点を提案する提言書を提出しました。
＞提言書はこちら(PDF版)

1月～2月にかけて、世界各地でのコンサルテーション及びパブリックコメントの受付が行われます。
パブリックコメントの受付先はこちら
＞https://www.ifc.org/ifcext/policyreview.nsf/Content/ContactUs

第3期コンサルテーションの後、理事会承認を経て、2011 年秋に、改訂持続可能性政策、パフォーマンス・スタンダード及び改訂情報公開政策が発行される予定です。

FoE Japanは、IFCの持続可能性政策、パフォーマンス・スタンダード及び情報公開政策が、以前よりも劣ったものにならずに、さらに強化されたものとなるように、関係機関に働きかけていきます。