オランダ環境3団体、政府が秘密裏に進めるバイオマス発電新規支援を控訴

バイオマス2024.7.5

オランダの環境団体 Comité Schone Lucht (CSL, 英名 Clean Air Committee)、Leefmilieu、mobilisation for the Environment (MOB)の3団体は、公的情報アクセス法(Public Access to Government Information Act)に基づく情報公開請求によって、2023年に気候エネルギー省がエネルギー大手のバッテンフォール (Vattenfall) 社のバイオマス発電建設に対し、3億9,500万ユーロもの補助金を獲得できるよう支援していたことを明らかにしました。オランダ中央政府は、この新たな補助金の交付割り当て決定を公開していませんでした。

2022年4月の閣議決定により、オランダではバイオマス発電への新たな補助金は即時廃止となったほか、バッテンフォール社がディーメンに予定しているバイオマス発電計画への環境許可1は、2023年夏の閣議決定及び国務院の裁定によって取り消されていました。

情報公開請求で得た文書には、気候エネルギー省の関係者間で「補助金の凍結の意図に従って」という文言を取り除くよう指示したことや、同省とバッテンフォールのやり取りにおいて、この件が公になれば問題が生じることを懸念することが記されていました。CSLは、補助金廃止の決定に反することを認識した上でのこの支援に対し、「前例のない規模の政治的誤ち」と指摘しています。

3団体は、本件に対して中央政府を控訴し、補助金の撤回と、その資金をクリーンエネルギーと省エネのために使うよう要求しています。


詳細は、以下の原典をご覧ください。

Comité Schone Lucht, “Ministry officials secretly helped with new biomass subsidy Vattenfall | ‘This is going to cause hassle’”, <https://comiteschonelucht.nl/en/ministry-officials-secretly-helped-with-new-biomass-subsidy-vattenfall>


  1. 環境管理法(Wet milieubeheer)に基づく環境許可(証)のこと ↩︎
 

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