吉野新復興大臣に要請~避難者に向き合って!
復興大臣の交代を踏まえ、本日、避難者支援を行っている「避難の協同センター」は、以下の要請書を吉野正芳復興大臣宛てに提出しました。
2017年4月27日
復興大臣 吉野正芳 様
【要請書】避難者の実態に向き合い、「人」を大切にする政策への転換を
このたび今前村復興大臣が、東日本大震災に関連し、「東北で良かった」という趣旨の発言を行い、その後、被災者を傷つける発言をしたとして、復興大臣を辞任しました。
一連の今村前大臣の発言は、人に向き合っておらず、ハコモノ・インフラ建設にのみ注力する「人間なき復興政策」の表れではないかと考えます。また、今回の今村大臣の発言は地震・津波に関するものであるととれますが、原発被害に関しては、現在に至るまで、危険と被害が地方に押し付けられ、大都市圏が利益のみを享受するという歪んだ構造が存在していることを認識すべきだと考えています。
私たちは、今月4日の「自主避難者が福島に帰れないのは本人の責任である。基本は自己責任。裁判でも何でも,やれば良いではないか」という発言に抗議し、復興大臣の辞任を求めるとともに、避難者を切り捨ててきた政策の転換を求めて、復興庁に申し入れを行いました。
2012年6月に自民党・公明党も含む、全国会議員の賛成のもとに制定された「原発事故子ども・被災者支援法」は、「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていない」(第一条)と明記しています。国の「これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任」(第三条)についても明記し、「居住」「避難」「帰還」の選択を被災者が自らの意思で行うことができるよう、医療、移動、移動先における住宅の確保、就業、保養などを国が支援するとしています。しかし、これらの理念は、ほとんど具体化されていません。
私たちは改めて吉野正芳新大臣および復興庁に対して、以下を求めます。
- 「原発事故子ども・被災者支援法」の理念を守り、その実現に力をつくすこと
- 避難者の実状把握を急ぐこと。
①現段階で住まいが確定できていない避難者の把握
②家賃支払いや転居費用などで経済的に困っている避難者の実態把握
- 上記の結果を踏まえて、緊急の避難者対策を行うこと。住宅無償提供打ち切りを撤回し、家賃支援を行うこと。
- 被害者の生活再建や被ばく防護策を含む、原発事故被害者救済のための立法を急ぐこと。
- 復興大臣が早急に避難当事者団体・支援団体からの意見聴取を公開の場で行い、施策に反映させること。
以上
避難の協同センター