日インド原子力協定にNO!
複数の報道によると、インドのモディ首相が来日中の11月に日本とインドが原子力協定に署名するのではと言われています。
FoE Japanはかねてより原発輸出に反対していますが、特にNPT(核不拡散条約)に加盟せず核実験も行っているインドとの協定締結は日本の核不拡散の姿勢とまったく矛盾し、核拡散のリスクを拡大させることから反対してきました。
今回は日インド原子力協定の問題点を改めて整理したいと思います。
【背景】
1975年、インドがカナダによる民生協力をもとに核実験を行った事からNSG(原子力供給国グループ)が設立され、NPTに加盟していない/IAEAの査察を受け入れない国との原子力貿易を制限(但し拘束力は無い)しました。これにより長らくインドは世界の核市場の外にありました。しかし、アメリカを含む様々な国がインドとの「例外的」な原子力協定を結びだし、日本も締結交渉を開始。
これには、広島・長崎市長をはじめ、多くの反対の声にもかかわらず昨年、覚書が取り交わされ、日インド共同声明の中で“両首脳は,日印民生用原子力協力協定に関し,両国政府間で合意に達したことを歓迎し,必要な国内手続に関するものを含む技術的な詳細が完成した後に署名されることを確認した”と記されました。
安倍総理は2016年1月7日の参議院本会議において
(以下要約)日印協定は、インドが核の平和利用に責任ある行動をとらせるものであり、実質的に核無き世界に向けた日本の姿勢に合致する。仮にインドが核実験を行った場合、日本からの協力は停止する。核実験モラトリアムが協定の前提になる事は、インド側も認識しており、そのうえで原則合意に至った。米仏がインドと締結したもの以上の協定を目指す。
と発言していますが、NPTやCTBTには触れていません。
【焦点】
協定締結交渉の焦点は
ーインドに日本が輸出した原発から発生する使用済み燃料の再処理を認めるかどうか
ーインドが核実験を行った場合に日本が原子力協力を停止する事を明記できるかどうか
と言われています。
しかし、日本はこれまで‘NPT’を中心とした不拡散レジームの維持を主張してきました。
日本政府側の言い訳としては
「インドはほかの非NPT国と違う…核実験をおこなうようなことがあれば、日本からの協力は停止」(12月14日内外情勢調査会)
としていますが、核実験をさせない枠組みや方法が明確でなく、またNPTに入らずとも原子力協定を結べるのなら、むしろNPT加盟へのインセンティブを損ないます。
また日印原子力協定によってインドが不拡散体制に組み込まれるとしていますが、どのように民生利用が転用されていないと確かめるのか、そのことをどのように担保するのかがまったく不明です。
その他、インドの原発事情や原発輸出が抱える問題点はこちらにまとめてありますのでご覧ください。
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