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シベリア−太平洋石油パイプライン計画と日本 |
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シベリアに眠る石油を中国、そして日本などの太平洋諸国へ輸送するロシアのパイプライン計画。その内容・進め方にロシア国内のみならず各国の市民・NGOが注目し、情報のコントロールに耐えながら、疑問の声・批判の声を上げています。
この石油パイプラインが現計画に沿って敷設された場合、最悪のシナリオでは、地球上の淡水の5分の1を貯える世界最大の淡水湖で、ユネスコ世界遺産にも指定されているバイカル湖が油汚染されるほか、日本海をのぞむアムール湾西岸地域に棲む野生のアムールヒョウ豹が絶滅してしまいます。
こうした危機感から、バイカル湖の街イルクーツクでは、3月18日、ロシア市民5000人が参加し、大規模な集会を行いました。そして、わずか500〜700メートルと湖に近接し過ぎている現計画ルートの変更を求めて国に働きかけました。
また、現計画で石油積出ターミナル建設予定地となっているペレボズナヤが、前述の豹の生息地や保護地域に近すぎること、さらに、海洋汚染のリスクが他の地域と比較して17倍も大きいことなどの問題も指摘されています。
日本では、FoE JapanとJWCSが、これらの問題を訴え、石油積出ターミナルの建設予定地が環境負荷の少ない他の場所に変更されるまで日本はこの計画に対する公的資金の投入を見合わせるよう求める要望書を作成しました。この要望書は、今年1月から2月にかけて3438名の人々からの署名をいただき、4月に小泉総理・衆参両院議員へ提出されました。
このパイプライン計画でロシア政府は日本・中国それぞれの政府・金融機関に投資や借款、融資を呼びかけており、その額は数十億ドル〜百億ドル(数千億円から1兆円)の規模といわれています。
この計画はなにを生み出すのか?巨額の費用を投じて実施されるこのような事業でなぜ、災害や最悪の事態を想定した予防措置を講じるという当り前のことが行われていないのか?なぜ、情報が出てこないのか。この素朴な疑問を持ってこの計画に迫りたいと思います。
↑シベリア-太平洋石油パイプラインの終着地・石油積出ターミナル建設予定地となっているペレボズナヤと、稀少な豹の生息するケドロバヤパジ自然保護区、地元の人々が養殖を営むアムール湾(ロシア沿海地方南西部)の、俯瞰イメージ。
水深の浅さや天候の不安定さから、大型オイルタンカー航行に伴う事故のリスクは相当高いとの指摘がロシア海運業者からもなされている海域。NGOはペレボズナヤよりも環境負荷の少ない代替地として、この一帯から東南東へ約100qのナホトカ湾岸などをパイプライン終着地として提案している。
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