先住民族の権利を侵害する可能性の高い炭素クレジットプロジェクトへの反対の請願書を提出(マレーシア)

マレーシアのSaraCarbon社による炭素クレジットプロジェクト[1]にFoEのメンバーであるSahabat Alam Malaysiaはコミュニティの慣習的な権利の侵害につながるとして、Sala Carbon社などへ反対の請願書を提出し、FoE Japanも署名しました。

このプロジェクトは「マルディ森林保全・回復プロジェクト」と呼ばれているものの、マルディにある15の村の住民において、プロジェクトの範囲が住民の生活圏と重複していることから、新しい形での土地奪取であり、先住民族の慣習的な権利(Native Customery Rights[2])を直接的に脅かすとしています。

マレーシアでは、先住民族の慣習的な権利が憲法および裁判の判決にて認められているだけでなく、該当する土地内での狩猟や林産物の採取、作物の栽培もその権利の中に含まれています。
先住民族が生活を営むうえで欠かすことができない基盤の権利となっているため、このような基盤を奪う可能性の高い企業活動やプロジェクトの実施が許されるべきではありません。

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(中根杏)

脚注・参考文献

[1] 炭素クレジット:植林や省エネ機器の導入などによって生まれた温室効果ガスの削減・吸収量をクレジット(排出権)として発行し、取引できるようにした仕組み
引用元 https://shizenenergy.net/decarbonization_support/column_seminar/carbon_credit/

[2] NCR:Native Customary Rights
国が発行する土地や資源に対する法的所有権ではなく、先住民族や地域コミュニティの慣習法、価値観、慣習、伝統に従った、長年にわたるコミュニティの土地や資源の利用パターンにおける権利
参考文献 https://www.un-redd.org/glossary/customary-rights

SaraCarbon社:
https://saracarbon.com/about/

Sahabat Alam Malaysia:
https://foe-malaysia.org/about-us/

 

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