9月3日 南極セミナーの報告
こんにちは。 インターンシップで来ている草深です。
私は、9月3日に「かけがえのない南極の海を守ろう!南極海洋保護区をめぐる国際的議論は今」のセミナーに参加してきました。
このセミナーのスピーカーは、国際NGOネットワーク「南極・南極海連合」(ASOC)事務局長のクレア・クリスチャン氏、生物学者/国際NGOネットワーク「南極・南極海連合」(ASOC)アドバイザーのボブ・ジュール氏、国際環境NGO FoE Japan代表理事のランダル・ヘルテンさんでした。
そもそもASOC/南極・南極海連合とは、南極大陸とそれを取り巻く南極海の保護活動を専門に行う唯一の非政府組織(NGO)として1978年に設立されました。
ASOCは、南極の生態系が陸上・海洋と共に、確実に保護され、手つかずで存続するよう努めていて、重要な環境保護目標の推進をしています。また、南極の環境問題専門家を世界各地で活動家として雇用し、南極圏において存在感を示す国々との緊密な協力を実現しています。さらに、一般市民への啓発のためにこのASOCウェブサイトや、ブログ、プレスリリース、キャンペーン支援などを活用しています。近年では、南極海に広大な海洋保護区ネットワークを構築することに注力しているといいます。
本セミナーでは主に、生命の宝庫であった南極海が今、気候変動や水産資源の乱獲、ツーリスト増大や外来種の持ち込みなどの原因により多くの危機に直面しつつあるという件を扱ったものでした。セミナーでは地球上の生物多様性を守るためにはMPA(海洋保護区)は無くてはならないという事を強く訴えていました。
では、MPA(海洋保護区)があるとなにがいいのでしょうか。まず、海洋保護区は海の生態系の保全やその地域の環境の保護を進めることが出来ます。今、漁業で乱獲されたり、生態系や生息環境の破壊等により絶滅が危惧されている海洋生物が存在します。海洋保護区は、そのような海洋生物や環境を自然保護区という明確な区域によって法律またはその他の効果的な手法により管理することができます。また、大規模な生態系を残せること、海洋性の生物たちの生きる場所を残せるなどのメリットもあります。さらに、海洋保護区を作ることにより漁業にもプラスになるといいます。しかし、まだ海洋保護区は南極海の10%しかないとのことなのでこれから海洋保護区を増やしていくことが南極を守る事、海洋生物を守ることに繋がります。
最後に、日本政府・日本人に求めることについてお話されていました。
昔日本は100万トンものオキアミをとっていたそうで、実は日本と南極は深く関わりがあると言います。そのため日本が果たす役割は重要です。日本人に求めることとして、MPAの保全の支持とサポート、市民の関心が大事ということです。南極を守っていくためにも私達一人一人が少しでもこの問題について関心を持ち、MPAを支持することが大切だと思いました。また、この問題の最大の悪影響は気候変動なため、どうしたら気候変動を止められるかを考えていくことも南極を守るために大切なことです。
今回参加して思ったのは、この問題を解決するのには海洋保護区を広めていき支持することが一番良い解決策だと感じました。しかし、全部の地域で海洋保護区を作れるわけでもないため、その部分が今後の課題だとも感じました。また、この問題は他人事ではなく昔から南極と関わりのあった日本人こそ取り組むべき問題だと思うのでたくさんのひとが今の南極の現状を知ることが重要だと思います。
★参考文献 環境省 <海との付き合い方> https://www.env.go.jp/nature/biodic/kaiyo-hozen/viewpoint/viewpoint05.html