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企業の生物多様性に関する活動の評価基準検討委員会
パフォーマンス指標分科会 第1回 議事録
主催:国際環境NGO FoE Japan
日時:平成20年11月1日(土) 15:15〜17:00
場所:地球環境パートナーシッププラザ EPO会議室
出席者:
(委員)田中委員(分科会委員長)、大沼委員、松田委員、上田委員、永石委員、森本委員、佐藤委員
(事務局)宮崎、中澤、籾井、能勢、攝待
 (委員一覧

※下記の議事録には、用語解説のためWikipedia等へリンクしているものがありますが、あくまで参考であり、リンク先の情報は必ずしも当団体Friends of the Earth(FoE)の公式見解を表すものではありません。


 事務局は、配布資料について説明後、議論の整理の仕方の提案として、1:直接影響(一次影響)、2:間接影響(サプライチェーンでの影響)、3:本業以外の社会貢献、に分けて検討してはどうかと提案した。

●直接影響について
委員:直接影響には、操業による影響も入るのではないか?

事務局:その通りである。

委員長:今日は委員の意見を聞いて、その後事務局がそれを受けた評価基準のたたき台を次回の分科会で提出することになる。まずは、各委員から直接影響に関する意見を聞いていきたい。前回は生物多様性の定義について議論があったが、生物多様性というより、まだまだ自然保護=緑化というような捉え方が主流のようであり、今日の議論はかなりラフな形で進めていかなければならないのでは、と考えている。

委員:3つの事例を挙げたい。(1)電力会社における送電線建設による開発では外部からの土の搬入に伴い植物移入種が増えるので、事前と事後に生物モニタリングした上での順応的な生態系管理;(2)施設建設は、土地の改変をできるだけ防ぐために景観をできるだけ変えない開発。操業時における夜間照明により蛾類やコウモリ、鳥などの夜行性動物や樹木に影響が出ないような照明方法と時間の設定。(3)施設内のアクセス道路の開発では、地下水や湧水が分断されず順当に流れ、両生類などの動物の移動を妨げないような配慮。このように、開発や操業時において、生物多様性にどんな負荷があるかをまず把握しないと生物多様性への配慮を考えるのは難しいと思う。

委員:直接影響の場合は例えば開発地域などの経済的に貧しい地域などでは、都会のコンサルタントが行くのではなく、地域住民を巻き込んで地域経済の活性化を目指しそれをうたうべき。

委員長:直接影響は、生物多様性分野の環境アセスメント(EIA)をどういう形でやるのか、ということと同義と考えている。ところが、EIAは諸外国では企業活動に対して網羅的に行われているが、日本ではEIAの対象がきわめて限定的であり、課題が多い。生物多様性に対してどういう影響がありどういう基準があり評価をするか。日本のEIAにおける生物多様性分野はまだ始まったばかり。そういう理由で企業活動の評価はなかなかEIAに結びついて来ないが、EIA抜きには直接影響の話は議論できないと思っている。

委員:EIAでは、鳥類のリストアップでも多様性を論じるほどのデータが集まっていない。報告書をまとめた時点でEIAが終わってしまっている。これをなんとかしないと意味がない。

委員長:開発事業の直前で内容がほぼ決まった段階でEIAを行う現在の状況では直接影響の評価が難しい状態。また、ほとんどの企業活動はEIAの対象になっていない。大規模開発事業のみが対象になっており、国の開発事業のみが対象である。それを補う意味で自治体がEIA条例を導入しているが、それでもほとんどの企業活動は評価の対象になっていない。この分科会では、現在の法規制の範囲を超えても、企業がどこまでやっていくかを決めて行くことになっている。また、定量評価の義務づけが必要である。

委員:この分科会では、企業が環境保護活動をアピールしていく上でのガイドラインの議論であると理解している。個別の自主的な取り組みをどう評価していくか、ではないか。例えば、風力発電では、企業は積極的であるが、環境保護団体の中には鳥がぶつかるという事で反対することもある。しかし様々な指標があってよい。

委員長:日本企業がCSRとして踏み込んだ生物多様性への配慮ができない大きな理由は、法規制やガイドラインの欠如が挙げられる。日本では、統一的、横並び的に義務感がないと腰が重い。この会での検討は、ガイドライン作りへ貢献する。

委員:NPOは世界の潜在的な問題点を発掘して提案する。企業は必ずしもネガティブではなく潜在的な問題をいち早くキャッチして取り入れる、という姿勢があり、それが先進企業。企業が遅れているという発想ではなく、市民・政府の側から企業の積極的姿勢を応援していくことが大事である。

事務局:GEF(地球・人間環境フォーラム)が昨年作成した報告書によると、企業は生物多様性保全になかなか取り組めない、という結果がでているが、その理由としては、生物多様性という概念がわからない、定量評価が難しいため、ということが挙げられている。この委員会では諸外国での既存の定量評価、例えば、HEP(ハビタット評価手続き)などを日本に導入できるかというような点を議論していただきたい。

委員:企業がCSRをやるというのは環境のことを考えているからというのは疑問。利益につながるからCSR活動をやる。カーボンオフセットが流行っているのは何トン削減したかわかりやすいから。マレーシアのサバ州で生物多様性オフセットをやっているが単位がha(ヘクタール)。生物多様性とhaという単位は結びつけるのが難しい。これをやれば消費者が企業がいいことをしていることがわかる指標がいるのではないか。この会は、非常に意欲的な委員会である。

委員長:Rio Tinto 社(鉱山会社)の例でも回避、最小化、代償するというミティゲーションの種類と優先順位が明確になっている。代償の部分はカーボンオフセットと同様、非常にわかりやすい。

事務局:生物多様性オフセットの目標はノーネットロスであるが、オフセットといった場合、負の影響を正の影響で相殺することであり、開発を進める言い訳になるのではという懸念が市民社会からある。No Lossを先に考えていかなければならない。

委員:愛知万博の環境委員会でもそうした議論があった。No Lossというのは不可能ではないか。いったん作った鉱山においてはRio Tinto のようにノーネットロスというのは非常なコストがかかる。そんな厳密なことだけに限らずに、少しでも企業がやる気になったら、それを評価するシステムもいいのではないか。

委員:生物多様性の内容と企業の理解にはかなりのギャップがあるとの指摘があったが、これはこちらが繰り返し教育していくしかない。
 生物多様性保全が進んでいないのは企業が逃げていると思われる場合もある。生物多様性の意味がわからない、自社との関係がわからない、指標がないから取り組めない、我が社らしい事業がわからない等の意見を聞くことも多いが、先進的に取り組んでいる企業は、そういった理屈の部分にこだわりすぎることなく、すでに始めている。取り組めていない企業は、他社の顔色をうかがって横並びを意識しているようで、取り組めない理由が、取り組まないための言い訳に聞こえる。
 先ほどの鹿島建設の例で指標にコゲラを選んだというのがおもしろいと思った。指標というのはすべてのケースを網羅することはできないので、誰かに決めてもらうのではなく、その現場に最適な生き物を指標に自ら選び、それを保全していく手法をとるしかないのでは。例えば、新潟のダム建設では、クマタカの子育てがきちんとできる環境を保護する、という指標が用いられた。
 海外の企業から、統一指標は一種の規制となり、それを作ると自由度が下がってしまうので、指標がない方がいいというコメントがあったという。

委員長:生物多様性とはなにかをわかりやすく示す部分がガイドラインに必要である。また、指標は地域ベースで考えるべきである。指標としては野生生物種を持ってくるとわかりやすい。
 生物多様性オフセットでの単位は面積でやっているところが多い理由は、今や主要先進国ではノーネットロスの時代からネットゲイン(Net Gain)の時代に移りつつあり、例えば1ha壊すと 2ha確保などが義務づけられてきていること。HEPやWETが生きてくるのは、10haに対して8haしか用意できない、しかし生物多様性が高い、という場合である。面積が足りなくても質が良ければ良いという開発の言い訳に使用される、という面もある。土地面積が消失面積の何倍も広く確保できることが確実であれば、細かい質のことは言わない、という背景もある。土地が確保できなければ質の議論はナンセンスであるからだ。アメリカやドイツのバンキングという仕組みは、開発で失われる前に復元するので細かい質よりも面積の方を重視してカウントする傾向がある。

委員:CO2の場合はトンで換算できるため、非常に安い手法で削減できる場合はそれに集中する傾向がある。生物多様性の場合もそうならないか。

委員長:生物多様性オフセットを考える際、地域ベースの話なのか、国境を越えた国際の話なのか、地球レベルの話なのか、様々なレベルが考えられる。カーボン(炭素)の場合は国際ベース。生物多様性の場合は、地域をどこまで細かく見るのか。先ほどの意見はまさに地域への配慮が反映される。

委員:地域が異なるのだから、ある会社ではコゲラ、別のある会社ではオランウータンを指標とするのもよいだろう。しかし、指標となる種が異なっている場合、取り組みレベルの差を何らかの形で比較してほしいという要望が企業から出るのでは。

委員:岡本委員が以前NSC(Network for Sustainable Communication)で提案されたものがあり、企業の評価を7段階にわけて行った。経済的なものではなく企業行動のレベル分けをした。
それから企業行動とは別の視点についての意見になるが、埼玉県の貴重な田園景観が残る三富新田という地域で、すでに都市計画決定されていた県の道路開発の計画が持ち上がったとき、道路開通予定のすぐ近くに、国内希少野生動物種かつ国の絶滅危惧U類に指定されているオオタカが繁殖していて、生息環境が破壊される懸念があった。県が地域のNGOや有識者と協議をした結果、一番大きな問題は、道路そのものができることでそれに伴う様々な開発を呼び込むこととの指摘がされた。一部の生息環境を保護しても周囲の環境が悪化しては何にもならない。その結果、開発を抑止するために道路の周りの土地の買い上げや借地化により生息地を保護する方針ができた。ノーネットロスというのは生物多様性オフセットに関係する考えだが、生息環境や景観を丸ごと守るための施策として面積で考えるということも大切だと思う。

委員長:指標を作るにあたり、とりあえず地域の生態系を代表する生物種を決め、そのハビタット(生態環境)を評価するということがどうも良さそうである。さらに、@その種のハビタットとしての質、Aハビタットの面的な広がり(面積)、Bハビタットの存在する時間(HEPでは、同じような生態系を復元する場合、それが2010年にできるのか、2050年にできるのか、では差がある。40年の差は大きい)の三つの視点が重要である。時間軸の評価はあまり日本のEIAでは取り上げられていない。屋上緑化でも、施行に5年かかるのか、半年なのかでは環境保全の効果の差が大きい。こうした差が明確に出てくるような指標が必要ではないか。

委員:生物多様性への影響は年数で測ることができる。10万年かけて進化した生物の絶滅の確率を10万分の1高くすることは、1年短縮と評価することができる。
EIAにおいては地域やステークホルダーの合意が非常に重要である。その地域で重要な種の選定は専門家だけが決めることでなく、地元で大切にしたい普通種も守ればよい。報告書の段階で何を大事とするか明確にし、パブコメ(パブリックコメント)でステークホルダーの意見を意思決定に反映させる。

委員:生物多様性関数を使えば、生物多様性への効果が明確に定義できる。ワイツマン(経済学者)が「ノアの箱船」という論文で、生物多様性の関数により、限られた費用の中でどのような種を保護するかを議論した。どの種を選ぶのか、蚊よりもパンダの方が良いというような好みの問題もある。遺伝子の特異性と人間の好みが要素である。

委員長:HEPの中でも同じ議論があり、生物学的な重要性だけでなく人々の Preference(好み) を重要視している。評価対象種を地域ベースで選定していく、そのプロセスでステークホルダーの意見を取り入れる、という仕組みが大事であるが、HEPはまさにそういう仕組みである。生物多様性を経済価値に換算する例として、希少種だけのビオトープと普通種のビオトープを比較すると、希少種は生息地がなくなってきたから希少になったのであり、そういう生息地を確保するための土木工事費は高くなる、というのがアメリカのHEPの仕組みである。つまり希少性、脆弱性が高ければ高いほど高価になり、誰にでも簡単に復元できる生息地のタイプは安価になる。人々の好みを示すCVM(仮想評価法)TC(トラベルコスト)とは異なる。

委員:生物の価値を、生息地保全のための工事費で評価することは可能である。希少性の視点からはどのレベルから開発してよいのか?

事務局:BBOP(Business and Biodiversity Offsets Programme)の生物多様性オフセットの閾値についての提案では、IUCNのカテゴリー(絶滅の危険度)と、開発地域に当該種の何%が生息しているか、という評価軸で、No Lossとする条件を示している。

委員:生物多様性を配慮するときにレッドデータリストの基準はあってもよいが、地域の生物相の影響については、地域の人の意見を反映させるべき。特に地域個体群は大切。

委員長:普通種であってもここにいて欲しいという人たちもいる。

事務局:地域性の問題であるが、ある生態系が失われてオフセットされても、地域から遠い場所にオフセットが起こるとその地域にとっては受け入れがたいオフセットになる。また、安い土地がオフセットの対象になることは起こりうる。安いクレジットが提供される可能性があるため、本来No Lossとすべき地域はNo Lossを何らかの形で確保しなければならない。

委員:安いというのは経済価値のない土地なので、むしろ生物多様性がよく保護される場所であるのかもしれない。

委員:二次林や草原、湿地などの荒廃地は、価値が低いとみなされやすい場所であるが、地域の住民にとっては恵まれた自然に囲まれ豊かに暮らす上でとても重要なところであり、そうしたところでの開発が問題になっていることも多い。

委員:ステークホルダー参加と合意が重要である。

委員:最終段階だけでなく計画段階から各プロセスにおいてステークホルダーの参加を確保することが重要である。

委員長:この委員会の最終的な成果物としては、手法についての理念的なものとなるだろう。次回は事務局でたたき台を用意していただきたい。

●間接影響について
委員長:最大のポイントはサプライチェーンである。

委員:鹿島建設さんは2005年から取り組んでいるが、ああいう取り組みをしたら自治体や他の企業から引き合いがくるか、と質問したが、「ない」という回答であった。活動に対してインセンティブが与えられるような仕組みが必要ではないか。CBD-COP(生物多様性条約 締約国会議)の決議や日本の国家戦略でも企業の責任に言及があるので、それを評価システムに織り込んでいくのが必要ではないか。

委員長:一番最初に言ったように、上のルールがあるかないかは大きい。法で義務付けられていないとしてもCSRで企業のリスク対策として生物多様性保護が理解されれば促進されるのではないか。欧米では、CSR報告などを見ていても、ルールがどうのこうのではなく、取り組まなければやっていけないと言っている。確かにノーネットロスのような概念がルールになっていれば、嫌でも義務づけられればそれが商売になっていく。鶏と卵のようであるが、ルールがないと始まらないということはある。

委員:ルールができて加速される、ということがある。グリーン購入はその例である。

委員:金融における赤道原則のように投融資における条件などもある。

委員長:生物多様性に配慮したものを購入する例としては、木材であればFSC認証のものを調達するという取り組みがある。

委員:イギリスでは、政府機関は、適切な認証証明のない木材を扱っている企業とは契約しないというルールがある。

委員:ルールの話でいくと、バラスト水による外来種の侵入防止などはルールを作らないと企業は取り組まない。対策コストが高いので、ルールがなければ自主的には何もしないが、ルールがあればすべての企業が実施するので同じ土俵で競争できる。ルールを作るという発想がインセンティブになればよい。MSCやFSCは多国籍企業であれば当然相手の国で通用するものを想定して展開していると思われる。

委員長:この会の目的は、法律などルールのありかたを踏まえながらも、企業側の自主的なガイドラインについて提言しましょう、という理解でいいか。

委員:ISO14000のマネジメントに対応させていくというのはどうか?

委員長:間接影響の場合は、ISOなどの既存の様々な仕組みを取り上げ、整理し、それらをどううまく使っていくかを考えればいいのではないか。

委員:企業全体の評価は難しいので事業毎の評価で、という話になったが、それがグリーンウォッシュになる場合がある。ある企業のほんの一部の取り組みを大きく評価することで、その企業の事業の別の大きな負のインパクト部分がグリーンウォッシュされることがある。スケール感を考慮することも大事。

委員:企業活動の一部を前向きに評価して、他の部分は批判するということもあるのではないか。免罪符になったとしても、少しは良いことをしているのであり、免罪符を排除するようなガイドラインにする必要はないと思う。

委員:イスラム金融では、彼らのネガティブスクリーンにひっかかるものには投資しない。キリスト教は昔からやっていたが、70年代に入って社会的責任を追求することが増えて来た。このように倫理面での格付けは行われている。生物多様性の指標でも、いろいろな面で評価してAAA、AAなどのような格付け評価を行う形がよいのではないか。

委員長:一つの数値的指標だけで何かを判断するのは無理がある。並列的にいろいろなものがあり、それを総合的にみるとAAAのような評価に結びつくのではないか。曖昧なところを残すことが必要である。また、企業本体のスケール感を考慮しながらも、そのことで否定的になり過ぎないようにしたい。生物多様性を考える時、地域的に区切ることが必要ではないか。ステークホルダーと言った場合も地域を限定しなければ考えづらい。

●傍聴者意見
傍聴者:レベル評価をする際にその企業の取り組みの成熟度のレベル評価をしなければならないのではないか。全社的に取り組んでいるのか、まだ始めたばかりなのかで違う。

委員:段階的に取り組むというのも理解するが、改善度をどうやって評価するのか?マイナス100だった企業がマイナス1までがんばった事例と、マイナス8だったのがマイナス1になった事例をどう評価するか?

傍聴者:このアウトプットは何なのか、どう使われるのかがよくわからない。企業のランキングをするのか、またそれにより企業にはどんなメリットがあるのか。
植生を考える上で地域種を植えていくうえで、どこから植物を持ってくるか?ランドスケープの場合様々な種を取り入れることが多い。生物多様性に配慮した場合にはコストがかかる。この会のアウトプットが何らかの助成などに繋がればおもしろいと思うが。

委員長:企業のランキングではなく、企業の生物多様性保全活動についてのランキングには使われるかもしれない。植物種の話では、自然再生のための種屋、苗屋などがアメリカにはたくさんある。つまりニーズがあれば業界が分化して深化していく。新しい業界ができる時にはコストがかかる。しかしそれが重なってくれば業界が深化してくる。そういうことの可能性も長期的に見た上でのガイドライン作りであると捉えている。

傍聴者:検討会に期待することは、ゴールは生物多様性が保護されればよい。企業がこれから何かやろうとする時にそれを促すようなものができればいいと思う。また、企業の活動はグローバル。グローバルな活動をどう誘導するか、という視点を入れてほしい。

傍聴者:誰にこの話をするのか、という点で考えると、いまは企業が想定されているが、他にも様々な組織がある。例えば、自治体など。ある組織がどういう取り組みをするか、という風に広げて考えることが必要ではないか。この取り組み自体は持続可能でなければならない。そうなるためにはどうすればよいか?組織のコンセプト、哲学がしっかり出来上がっていなければならない。多くの組織では、まだそこができていない。コンセプトや方針ができたとき組織はこれを受けどういう風に活動していくか。リーダーシップを持つ人々にどのように伝えるのかが大事である。組織の全構成員が認識すること。組織全体に広げなければ意味がない。パフォーマンスの結果だけを見ても仕方がないので、全体として考えることが必要。

委員長:例えばイギリスのBAP(生物多様性行動計画)などに近くなってくるのではないか。本来はBAPなど理念や計画があって初めてパフォーマンスの話になるのではないか。企業内に生物多様性保全のアクションプランがあるかないか。それをチェックできるような評価軸もあれば良いのではないか。

委員:企業が生物多様性に取り組むうえの指標の話になってくると思う。WBCSD(World Business Council for Sustainable Development)等が2008年3月に発表した新しいマネジメント指標として「企業のための生態系サービス評価(ESR)」があり、また、パフォーマンス指標としてGRI(Global Reporting Initiative)が2007年1月に発表した「GRI Biodiversity Resource Document (生物多様性 持続可能性報告のためのGRI参考文書)」がある。どちらも日本語に翻訳されウェブで公開されているので参考になると思う。

事務局:次回までに、できるだけ早期に事務局としての評価基準のたたき台を提示したい。

委員長:では皆様、本日は以上にて本会を終了したいと思います。ありがとうございました。

全員:ありがとうございました。

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