「辺野古・高江」キャンペーン
なぜ、辺野古を守るのか?
辺野古・大浦湾。長い年月をかけて形成された美しいさんご礁とジュゴンの海。
複雑な地形とやんばるの森から流れ込む二つの川は、豊かな海洋生態系をつくりだしています。まさに、国際的に保全が提唱されている「保護価値の高い生態系 (HCV)」の典型とも言えるでしょう。
ここで、新基地のための埋め立て工事の準備が急ピッチで進められています。
昨年の名護市市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院議員選挙でも新基地建設反対を唱えた候補者が選ばれました。沖縄の方々の意思は、選挙によって明確に示されたといえます。
やんばるの森にオスプレイパッド
沖縄県東村と国頭村のやんばるの森にある面積約7,800ヘクタールの「米国海兵隊北部訓練場(ジャングル戦闘訓練センター)」は、沖縄県内だけでなく日本国内でも最大の面積をもつ米軍専用基地です。
この北部訓練場に隣接する東村高江は人口150人ほどの小さな村です。豊かな自然環境に恵まれ住民は平穏に暮らしてきました。しかし、高江は今、「標的の村」になっています。集落を取り囲むように、6か所の米軍オスプレイ用着陸帯(オスプレイパッド)が造成されようとしています。
地域一帯に広がる、やんばるの森は、亜熱帯の常緑広葉樹林。オキナワトゲネズミ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ、オキナワイシカワガエル、ヤンバルテナガコガネなど、地球上でこの森や琉球列島にのみ生息する固有種が多く見られます。これらは、地質時代、特に氷河期に琉球の島々が大陸からの分離と連結を繰り返した頃、大陸から移動し島々に隔離され、独自に進化した生物です。
やんばるの森では、森林・淡水生態系における固有種の種分化の過程がみられ、また、絶滅のおそれのある種など生物多様性保全のための重要な生息地であることから、世界自然遺産の登録基準を満たし地球規模でみて普遍的な価値を持っています。
現地の状況は?
<辺野古>…2016年6月現在
翁長沖縄県知事は、承認取り消しにあたり、きわめて慎重な検討を行ってきました。知事の指示により設置された第三者委員会は、法的な検証を行った結果、4つの瑕疵をあげています。
すなわち、①「埋め立ての必要性」が立証されていない、②「国土利用上、適正かつ合理的」という要件を満たしていない、すなわち利益が不利益を上回っているということが立証されていない、③環境影響評価がずさんであり環境保全措置が不十分、④「生物多様性おきなわ戦略」、「琉球諸島沿岸海岸保全基本計画」など法律に基づく地域の計画に反している――の4点です。
これをもとに、2015年10月、翁長沖縄県知事は埋め立て承認を取り消し。これに対して国土交通省は10月27日、行政不服審査法に基づく沖縄防衛局の申し立てを認め、知事 の取り消しの効力を一時停止することを決めました。しかし、行政不服審査法は、行政に対して、個人の権利の救済のための法律です。国がこれを使うのは権利の濫用と、行政法の専門家たちの批判が相次ぎました。沖縄県は、国土交通相が執行停止をしたのは違法だとし、国を訴えました。
2016年3月4日、辺野古新基地建設事業に関して、国と県との間で争われていた代執行訴訟について和解が成立しました。この和解条項には、「防衛局は埋立工事を直ちに中止する」と明記されました。
FoE Japanとしての活動
FoE Japanは、貴重な生態系を保全するという立場からも、民主主義を守る立場からも、民意を無視して強行されている、辺野古・大浦湾での新基地建設、高江ヘリパッド建設の工事の強行に反対します。FoE Japanは辺野古・高江を守るため、いままでの活動の経験を活かし、現地のみなさまをはじめ、多方面の市民や専門家と協力しながら、当面、以下の活動を行います。
・法的な手続きの検証
・現地への派遣
・現地からの招へい
・政府交渉・集会の開催
・国会議員、メディアへの働きかけ
・現地での監視活動の応援
・国内外での情報発信