汚染土壌の再利用問題…環境省からの回答「ワーキンググループは混乱をよぶため非公開」
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8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用できるとする環境省の方針に関して、4月19日付で以下の質問をしたところ、回答がきました。
本件で、検討会のもとに置かれた「放射線影響に関する安全性評価ワーキンググループ」は非公開です。資料開示を求めたところ、「率直な議論を確保するため」「誤解・混乱をよぶので公開できない」とのこと。メンバーも秘密です。秘密裏に検討を進めて、どうやってその妥当性が外部から判断できるのでしょうか?
「周辺住民などの追加被ばく量」についてはこれから評価するとのこと。それでは、どうして8,000ベクレル/kgで大丈夫としたのでしょうか??
5月2日の政府交渉でさらにやりとりをしたいと考えています。
8,000ベクレル以下方針については、当該検討会の第3回で決められました。資料には明示していませんが、議事録に入っています。
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/proceedings_160330.html
以下の回答にもあるように、多方面からさまざまな批判がきているようです。(満田/FoE Japan)
1.環境省「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」第3回会合において、8,000ベクレル/kg以下の除染土を公共事業での再利用可としているが、その根拠となる文書を開示されたい。
(回答)
第3回会合では、再生資材の濃度レベルについて、「万一の場合も速やかに補修等の作業を実施できるよう、確実に電離則及び除染電離則の適用対象外となる濃度として、特措法における規制体系との整合も考慮して、8,000Bq/kg以下を原則とする。なお、用途ごとの被ばく評価計算から誘導された濃度(1mSv/y相当濃度)がこれ以下の場合は、その濃度以下とする(次回検討会で検討予定)」ことをお示ししました(第3回会合資料_資料3スライド番号6)。
http://josen.env.go.jp/chukanchozou/facility/effort/investigative_commission/pdf/proceedings_160330_03.pdfなお、用途ごとの被ばく評価計算については、次回検討会(日時未定)でお示しすべく作業中です。
2.周辺住民などの追加被ばく量は年間10マイクロシーベルトに押さえられるとしているが、その根拠を開示されたい。
(回答)
1.に関する回答と同様に、用途ごとの被ばく評価計算については、次回検討会(日時未定)でお示しすべく作業中です。
3.検討会のもとにおかれた「放射線影響に関する安全性評価ワーキンググループ」のメンバー、議事録を開示されたい。
(回答)
ワーキンググループ関連資料は、ワーキンググループ委員による率直な意見交換を確保・促進するため、また、検討段階の未成熟な情報・内容を含んだ資料を公にすることにより、不当に国民の誤解や混乱を生む可能性があるため、非公開扱いとしております。一方、ワーキンググループにおいて検討がなされた結果を、親検討会資料として整理・公表し、公開の場で更に議論いただくこととしており、情報の公開性及び議論の透明性は十分に確保されるものと考えています。
4.現在までに本件に関して、環境省に寄せられた意見を開示されたい。
(回答)主に以下のような意見をいただいております。
●土を掘り返したりすることがあった場合に、その土は砂埃として舞い地表に出てきてしまう。そうなった時の健康被害に対する懸念がある。
●地表面に出ているところが8,000Bq/kgであれば断固拒否で受入れることはできない。
●放射能濃度100Bq/kg以上の物は原子力発電所の外に出してはいけないという原子力法との整合性を取らないのか。全く違った基準があるままで放射能濃度8,000Bq/kg以下の9割は再利用可能だと発表しているのはおかしい。
●8,000Bq/kgというのは放射能濃度がかなり高いものだと思う。放射性物質を含んだものは、本来だったら管理をしなければならないものであり、公の場所に使うというのは、あってはいけない。
●放射能濃度が1キロあたり8,000ベクレル以下の汚染土を公共土木工事等に再利用することについては、放射性物質を撒いているようなものなので、その中で生活する国民の健康被害はどうなるのかと心配。体調不良になる住民が出てくるのは目に見えている。
5.本件については、パブリック・コメントにかけられるのか?
行政手続法における意見公募手続に基づき適切に対応してまいります。その必要があると考えております。