No Nukes Asia Forum(NNAF)2026@フィリピン参加報告

4月からFoE Japanに入職した田中瑛子です。広報を担当しています。
2026年6月17日~21日にフィリピンで開催された、No Nukes Asia Forum (NNAF)2026に参加してきました。

No Nukes Asia Forum(NNAF)とは

No Nukes Asia Forum(NNAF)とは、核も原発もないアジア、そして世界をめざす草の根の人々が手を取り合うネットワークとして1993年に結成された市民団体です。1、2年に1度、アジアのいずれかの国で会合を開き、核・原発のない世界を目指しながら、他国の人たちと励ましあってきました。FoE Japanは2011年以来15年ぶりの参加となりました。詳しくはNNAF Japanのサイトをご覧ください。

フィリピンの原発について

フィリピンにはバターン原発という、建設されて以来一度も動いていない原発があります。
1980年代、当時独裁政権を敷いていたフェルディナンド・マルコス政権(現フィリピン大統領の父)が多額の借金をして建設した原発でしたが、数万人もの民衆の運動により政権を降ろされ、原発の稼働も中止となり、それ以降一度も稼働していません。フェルディナンド・マルコス政権後に稼働しようとしたところ、東日本大震災があり、稼働計画が中止となりました。政府は稼働のタイミングを見計らっているということです。

フィリピン・バターン原発入口

NNAF2026に参加してみて

1、2日目はフィリピンの首都マニラ・ケソン市・3日目はバターン州のバランガ市にて、若者参加者によるプレゼン・パネルディスカッションや、各国参加者から原発稼働の環境・経済的影響などの話をしていただきました。
2025年に国内の全原発を廃止した台湾も参加しており、未だ核のごみ処理が残っているという話をされていました。
フィリピンの原発状況についてもお話があり、バターン原発も現政権下ではいつ稼働してもおかしくなく、国民も7割ほどが原発に前向きとのことです。しかし、フィリピンは海に囲まれており、原発で何かあるとフィリピン国内外に影響が出る懸念があります。

日本から参加した20代のお2人のお話に感銘を受けました。1人は新潟で柏崎刈羽原発再稼働の県民投票運動に係わる佐々木かんなさん、もう1人は福島で生まれ育ち、6歳のときに原発事故の影響で家族で他県に避難をした曽根俊太郎さんです。2人とも、若い世代を中心に、原発について発信をしたり、対話をする活動をしています。「日本では政治や社会問題について話がしづらい。どのように原発の課題を広めていくかが課題」と仰っていました。佐々木さんは10代、20代が原発について対話をする会を主催、曽根さんは高校生のときに高校生平和大使に選ばれて以来、署名活動や平和学習を行ってきました。悩みながらも、自分に何ができるかを考え、行動する様子が伝わりました。

3日目の若者参加者によるパネルディスカッション。左から3番目が佐々木かんなさん、右から3番目が曽根俊太郎さん。

4日目はバターン原発があるバターン州モロン町にて、バターン原発の前で原発反対のアクションを行い、地域の教会で地域の人たち向けの集会を行いました。集会には1985年の大規模反原発運動時から運動を続けてきた方も多く来ていました。「政府は原発稼働のタイミングを常に狙っている。自分たちは地域や家族、コミュニティのために戦ってきた。」といかに声を上げてきたかを伝えてくれました。

その後、参加者で連帯マーチを行いました。太鼓があり陽気で、歌やダンスが好きなフィリピンの国民性を表したような楽しいマーチでした。

バターン原発までの道のりは山道でのどかな田園風景が広がっており、日本の原発所在地を彷彿とさせます。フィリピンでは多くの国民が車を持っていません。子どもも多いです。もし原発を稼働して有事が起きたときに即座に避難するのは難しいと感じました。

フィリピン・今回の会議の位置関係
バターン原発までの道のり

5日目はNNAF2026の総括を行い、閉会となりました。

NNAF2026終了後、朗報がありました。フォーラム終了翌日の6月22日、バターン原発が立地するバターン州モロン町で、「非核地帯条例(Non-Nuclear Zone Ordinance)」が最終承認されたことです。この条例では、モロン町全域を非核地帯と位置づけ、原子力発電施設の建設・運転や放射性物質の保管などが禁止されるということです。40年以上にわたる市民一人ひとりの声が、今回の条例に繋がったのでしょう。参照記事

一方で、日本政府は原発の稼働を推進する方向性を示しています。
今回の参加各国は福島の災害を繰り返してはならないと訴えます。それは私たち当事国にも全く同じことが言えるのではないでしょうか。
広報としてこれからも原発の問題について、発信・提言を続けていきます。

(田中瑛子)

バターン原発前でのアクション

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