インターンレポート:(2/24)Climate Justice Now!気候正義のアジアでの被害
インターンの近藤です。
2月24日、文京シビックセンターにおいて、アジアの気候変動の現実とClimate Justice(気候正義)との題目でシンポジウムが行われました。今回は、はじめに科学的な視点から見た気候変動の現状について地球環境研究センターの江守氏から基調講演をいただきました。それから、FoEスタッフの小野寺と深草からそれぞれCOP22交渉のポイントとCOP23に向けて、COP22と気候正義を求める市民社会の声という題で国際交渉の観点からの話があり、さらにArief Khristanto氏とAmalia Wulansari氏からインドネシアにおける被害の現状と彼らの取組についてのプレゼンテーションが行われました。
今回の講演での大きな収穫は、やはりインドネシア現地で働く方の声を生で聞けたということです。途上国では、インフラの整備が十分ではない上に自然環境の影響を受けやすい農業や漁業に従事している人が多く、気候変動は彼らにとって生活に関わる重大な問題となっています。家屋や畑が浸水しトイレやお風呂も使えなくなるなど、まともに生活を営むことができなくなっている映像はわたしにとって大きな衝撃でした。今まで海面上昇で影響を受けているのは、ツバルのようなオセアニアの島国だけかと思っていたからです。同じアジアでもこのような状況に陥っているということに、同じアジアの島国に住む人間として危機感を覚えました。
気候変動の影響に対して脆弱なのは、これまで温室効果ガスをほとんど出してこなかった途上国の人々です。しかしながら、途上国の住民も行政も気候変動によって引き起こされた問題について解決する能力をもっておらずなすがままにしてきたため、被害は深刻になる一方でした。インドネシアでも、浸水の影響を緩和するための政府の計画はインフラのみで、未だに以前のような暮らしに戻ることができていない人々もいます。わたしたち先進国の人間は今まで多量の温室効果ガスを排出してきた現実を受け止め、パリ協定での気温上昇を1.5℃に抑える目標に向けて自国の対策を進めるとともに、途上国に資金と技術の供給を行うことで責任を取ることが早急に求められているのです。
Climate Justiceという単語は、FoE Japanでインターンをして初めて耳にしました。わたしが理解するに、「気候正義」とは今まで化石燃料などを大量に消費してきた一握りの先進国が気候変動の現状を真摯に受け止め行動することでその責任を果たし、今までさほど化石燃料などのエネルギーを使ってこなかったにも関わらず気候変動の被害をもろに受けている途上国の不公平性を正そうというムーブメントのことです。気候変動の影響はよくマスメディアでも取り上げられますが、だれがこの変化の影響を最も被るのか、という点は見落とされがちです。まずは、「Climate Justice」についての先進国の人々のいち早い理解・協力が必要であると考えます。
(インターンスタッフ 近藤)