インターン報告:国際シンポジウム「気候危機とたたかうアジアの人々」第3部

気候変動

インターンの牧野友香です。

第3部では、私たちはどのような社会を目指すのか、そしてその社会の実現のために日本は何ができるのかをテーマにしたパネルディスカッションでした。

まず、気候危機から抜け出すための取組みについてパレスチナの事例をRasha Abu Dayyeh氏が紹介してくれました。パレスチナでは、女性が苦しい状況の中で暮らしていましたが、酪農や家庭で太陽光パネルを利用した電力を使えるようになったことで、時間と収入を増やすことができるようになったそうです。また、かつてはイスラエルの企業から電気を購入しなければならず、依存した状況でしたが、エネルギー自立が出来るようになりました。さらに、太陽光パネルの設置や管理、維持などの訓練を女性主体で行ったことにより、女性の技術的なスキルの向上にもつながったと話していました。しかし、現在も続くイスラエル軍による大規模な攻撃により、その電力システムの多くが破壊されてしまったとのことです。即時停戦を強く求める世界の声がもっと必要だと訴えていました。

FoEインターナショナル議長のHemantha Withanage氏からは、再生可能エネルギーに移行するとはいえ、それがどのぐらい生物多様性に影響を与えているか理解することが重要だという意見が述べられました。現在のエネルギーの大量消費や、その需要を満たすためのエネルギー供給から脱却するためのシステムを変えることが必要になっています。

FoEフィリピンのMai Taqueban氏は、再生可能エネルギーへの移行のために必要とされている鉱物資源の開発について、現場では人権侵害が行われていると報告しました。

FoEオーストラリアのChloe Aldenhoven氏は、オーストラリアの石炭産業による健康被害や、雇用の問題を訴えました。従業員を半分にするなどコミュニティが破滅的になっていったことにより、失業から貧困、家庭内暴力、犯罪率が高くなっていったそうです。雇用を生み出す取り組みやジェンダー格差の取り組みは不十分で、働いているのはほとんどが男性だという現状を伝えていました。

これらの課題を解決する為には、人やコミュニティを巻き込んだ「公正な移行」をどう実現していくべきなのかを考えていくことが大切です。また、利益だけではなく私たち一人一人の消費についても見直し、包括的に考えていくことが大事なのだと学びました。

日本の私たちが出来ることとしては、まず海外で起こっている問題を知り、現地の人たちの視点に立って考えていくことだと思います。また、気候変動の原因である温室効果ガスの排出量を削減すること。電力の発電方法だけではなく、日々どれだけ私たちがエネルギーを消費しているのか知ることが大切だと思いました。一つの問題だけに目を向けるのではなく様々な問題が起こっていることを理解することが必要になってくるのだと、このディスカッションを通して感じました。 

今回、お話していただいた中で印象的だったことは間違った対策にお金を払っていることにより、前のような生活ができなくなってしまっている方々がいる事です。どのような対策が行われているのか理解していく事が大切だと感じました。そして、無駄なエネルギー消費をしていないか生活を見直し、温室効果ガスを削減するための対策を考えて行動していこうと思います。


インターン報告:国際シンポジウム「気候危機とたたかうアジアの人々」第1部
インターン報告:国際シンポジウム「気候危機とたたかうアジアの人々」第2部

【国際シンポジウム】気候危機とたたかうアジアの人々〜「公正な移行」の実現にむけた日本の役割〜
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