【第3回 スクール・オブ・サステナビリティ報告】サステナブルファッションにチャレンジしよう!

気候変動2024.7.10

はじめまして、FoEインターンの増田千紗です。第3回スクール・オブ・サステナビリティに参加しました。

今回は、「暮らしのどんなところで気候変動に繋がっているの?」パート1として、サステナブルファッションについて、Kamakura Sustainability Instituteの青沼愛さんと、パタゴニア日本支社環境社会部の中西悦子さんにお話していただきました。

ソーシャルオーディタ―(社会的責任監査員)として活躍されている青沼さんから、ファッション産業がいかに自然環境と人権に影響を与えているのか、また私たちは具体的に何ができるのかについてご説明頂きました。口に入らない商品だからこそ気にしてこなかった、見えてこなかった汚染問題や資源の無駄遣いがあることに気が付かされました。洗濯方法一つで、環境汚染を抑えることができることに驚いた方は少なくなかったのではないでしょうか。

一方で、サプライチェーンにかかる環境問題や強制労働等の構造に変化をもたらすためには、消費者としての責任ある行動が必要だと感じました。ゲストスピーカーのお二人が指摘していた、企業や社会に訴えかけていくというアクションに貢献できると感じた参加者が多くいらっしゃいました。大量消費文化を見直し、効率性よりも公正性を求める行動を心がけたいですね。

上述の通り、私たちが企業や社会に訴えかけていくことが必要とされています。しかし、参加者の方からは「発信したいけどできない」という声が聞かれました。というのも、日本では個人がSNSで政治や社会情勢について考えを発信する文化が受け入れられていないのが現状なのです。ある参加者の方は、アメリカにいたときと比較し、日本はSNSを発信ツールとして使いにくいとおっしゃっていました。地球規模の問題を「自分事」として捉えることができていないユーザーが多いのかもしれません。

これを解決するには、魅力的で発信力のある企業が、情報提供や行動指針を提示していくことが求められているのではないでしょうか。そのような取り組みを早くから行うのが、パタゴニアです。二人目のゲストスピーカーとして、中西悦子さんには、パタゴニアが取り組む環境再生型(リジェネラティブ)の活動や、再エネ化や選挙にむけたアクション事例について伺いました。

興味深かったのは、パタゴニアのビール生産。なぜアパレルブランドが食料品を?と疑問に思うかもしれませんが、これもリジェネラティブな取り組みなのです。青沼さんから指摘があったように、世界で排出されている二酸化炭素量の10%がファッション産業から。パタゴニアは、炭素を土に固定するための農業によって、ファッション産業などから排出される炭素の環境負荷を軽減させようと取り組んでいます。特に、農業のリジェネラティブ化は、カーボンニュートラルに大きく寄与できるそうです。必要性のあるものでビジネスを拡大するという考えは、これぞ「つくる責任」。中西さんが「ヒット商品であっても、本当に必要とされていたものだったのか」と何度も考え直し、悩むこともあるとおっしゃっていたのが印象的です。

グループディスカッションでは、参加者の方から「知ってるつもりになっていた。まだまだ知らないことが多い。」「考えや情報を家族や友人と共有したい」といった声が聞かれました。知らないことへの探求心を持つ次世代が、声を上げることができる社会を私たちでつくっていきたいと強く思いました。

(インターン 増田千紗)

第3回のゲストスピーカーの青沼さんのお話は、Youtubeからご覧いただけます。
https://youtu.be/hI-Ic-2vg84

★次回のお知らせ★
「暮らしのどんなところで気候変動につながっているの?
part2〜食卓とつながっている気候変動の影響〜」
・日時:2021年2月17日(水)19:30〜21:00
・ゲストスピーカー:山ノ下麻木乃さん(地球環境戦略研究機関)、
          Mageswari Sangaralingam(FoE マレーシア)
・参加費無料

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