【第1回スクール・オブ・サステナビリティ報告】日本にくらす私たちも気候危機に加担。その中で私たちにできること、参加者の声。
初めまして。FoEでインターンをしている横浜国立大学の佐藤悠香です。
今回は、スクールオブサスティナビリティの第1回目に参加させていただきました。
このセミナーでは、まず初めにFoE MozambiqueのDipti Bhatnagarさんから、気候変動は単なる環境問題ではなく、社会システムがもたらすあらゆる不平等と密接に関わっているということを「気候正義」の点からお話しいただきました。先進国が中心となって引き起こした気候変動の被害を最も受けているのは途上国だという事実を、数字や写真を用いながら説明していただき、気候危機が喫緊の問題であることを痛感した参加者の方は多かったように思います。
私自身、気候正義という言葉も、途上国で起きている災害の状況もだいたいは知っているつもりでしたが、写真で彼らの被害状況を改めてみると、とてもショッキングで気候危機がいかに不平等かを再確認させられました。
日本が、これまで排出してきたCO2量に全く見合わない対策を取っていることを知ると、政府や企業を責めたくなりますが、でも実は自分もその加害者の一人であり、この暴力的な不平等に加担していること。私としても、とても受け入れがたい事実ですが、これが現実です。確かに、自分の行動の選択を全てを誰も傷つけないものに変えることは難しいかもしれません。しかし、今回のセミナーを通じて、それでもなお日本に住む一人の日本人として、日本政府に対して声を上げ、世論を変えようと情報発信を行いながら、先進国としての責任を果たしていく必要性を強く感じました。
2人目のゲストスピーカー Fridays For Future Tokyoの谷口美優さんのお話では、Fridays For Future(以下、FFF)の紹介や活動内容、そして美優さんがこのムーブメントに参加するようになったきっかけを動画や写真とともに紹介していただきました。
美優さんのお話を聞き、同世代で実際にアクションを起こしている方の考えや感情を知ることで、FFFの活動に共感し、アクションを起こすきっかけを見つけた参加者の方もいたのではないでしょうか。まずは若い世代が連結し、強い意志を持って行動し続けることで私たちの未来は少しでも良い方向へ向かっていきます。運動を継続させるためには、同じ危機感を抱き、同じ目標を掲げる仲間を見つけることはとても重要になってくるため、今回のセミナーがそういった仲間づくりの場になっていれば大変うれしく思います。
台風15号に被災して感じたこと、被災からFFFにたどり着くまでの心境変化をお話しする
谷口さん
その後の小グループに分かれて行ったディスカッションでは、ゲストスピーカーのお話を聞いた上での感想として、
・漠然とした危機感を感じていたが、数字を見ることでその危機感が増した。
・Net zeroの考え方が、政府に利用されやすい考え方だというのが新鮮だった。
・身の回りで仲間を見つけ、なにかアクションを起こすことの敷居の高さを感じる。
・知識がなくても行動に起こすことの大切さは日々痛感している。
・日々の生活で危機を感じることは日本人だとあまりないが、実際に毎日恐怖を感じている人は世界中にたくさんいることを知り、この問題の緊急性を感じた。
・自分たちが加害者で途上国の人々が被害を受けていることは初耳だった。
・無関心を変える方法は教育が最重要ではないか。
・気候変動アクションをする際に周りの人に伝えにくい。自分の想いと周りからの見え方にギャップがある。高圧的な印象にとらえられがち。伝え方が難しい。
といった意見が参加者の皆さんから出ました。
そこから、「無関心層を惹きつけるにはどうするべき?」という話題について話し合うと、「マイボトルやマイバックなど、マイ〇〇を友達にプレゼントとして話のきっかけにする」「SNSで発信してみる」「環境問題以外の社会問題にも関係していることを説明する」など、各々のやり方で工夫をしながら取り組まれていることが分かりました。
私自身も活動していて、「応援してるよ」「頑張ってるね」と友人から声をかけてもらうことは多いのですが、そのたびに応援の言葉だけでなく「一緒にアクションを起こしたいと言ってくれたらな」などと毎度思ってしまいます。熱意がありすぎても一歩距離を置かれてしまうし、一方でただ曖昧に伝えたところで本当に大切なことは伝わらないでしょう。試行錯誤しながらも、より多くの人へ影響を与えられる「関心を持ってもらう伝え方」を自分も見つけていかなければと痛感しました。
(インターン 佐藤悠香)
第1回のゲストスピーカーのお話は、Youtubeからご覧いただけます。
*お話しの内容*
・Dipti Bhatnagarさん「モザンビークでの気候危機と、気候正義に則った解決策」資料はこちら
・谷口美優さん「台風15号によって気付かされた気候危機」
★次回のお知らせ★
「気候危機に立ち向かうため、世界はどのように動いているの?〜パリ協定から5年。気候変動と政治の関係〜」
・日時:2020年12月15日(火)19:30〜21:00
・ゲストスピーカー:亀山康子さん(国立環境研究所)、
能條桃子さん(NO YOUTH NO JAPAN)
・参加費無料
・申込みはこちら:https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZEkf-yrqz0rGNZ0FZ5LtREL7ylGSJyfIAxj
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