スーパーマーケット温度調査、報告をもとにイオンと面談しました

気候変動2024.7.17

FoE Japan、気候ネットワークなど7団体は、2017年夏、スーパーマーケットの「冷えすぎ」と省エネの関係に着目し、首都圏のスーパーマーケット100店舗以上をまわり、生鮮食品売場等の温度を測定、9月に調査結果をまとめました。

supermaeket_cover首都圏店舗100軒調査 報告と提言
「冷えすぎ改善で省エネと快適な買い物環境を」(2017年9月15日)

その後、調査で訪問したスーパーマーケットチェーン各社に連絡し、調査報告をもとに面談を依頼したところ、イオン株式会社から、快諾をいただき、10月26日(木)に海浜幕張(千葉県千葉市)の本社を訪問しました。

●対応してくれた方
イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部 金丸治子さん、奥田勝文さん

●主なやり取り

1.顧客から「寒い」という声があった場合どう対応されていますか。
→寒いも暑いもある。可能な限り対応するが、品質管理をキープしつつどこまでできるかということになる。現状については調べてみたい。

2.ショーケースについて、扉付きショーケースなどの導入は検討されていますか。
→効果が高いものから順次、導入を推進している。
新規出店の店舗については、導入されている。基本的には最新の設備が入っていて省エネ効果も良い。既存店舗は順次。
扉付きも最初は営業的視点では抵抗があったが、実際にはそれほど支障がないようで、省エネ効果もある。

3.フロン(冷媒)対策について、2020年にHCFC22が生産全面禁止となりますが、今後どのような対策をお考えでしょうか。
→HCFCR22を使用している冷蔵ショーケースが結構ある。以前はフロン規制がなく、HCFC22の省エネ効果が高かったため。
機器の入れ替えには、天井や壁をはがすなども含めてコストもかかるため、特に既存店ではハードルが高い。
しかし、イオンは2011年に「自然冷媒宣言」を出しているため、簡単ではないが進めていきたい。

4.省エネ・エネルギー対策全体について、今後の目標などがあれば教えてください。
→2020年に、店舗でのエネルギー消費量を、原単位で50%削減(2010年比)という目標をかかげている。現状27~28%削減できているが、これから先については、設備更新だけでもできないところがあるので、どうしようかと考えていた。
この調査について社内でも共有し、参考としたい。

●意見交換を終えて

まず、10社程度に連絡をしたところ、意見交換について快諾いただいたのは10月現在イオン株式会社のみでした。多忙の中時間をとってくださったことに感謝します。

また、今回の調査結果について、社内で共有してくださるというのは嬉しいことです。その中での議論をへて、具体的な対策につながっていくのか、またお聞きできればと思います。

一方、店舗での空調の温度設定をどうしているのか、夏と冬で変えているのか、など実務的な対応については、各チェーンなどに確認する必要がありそうです。
今後、他のチェーンに対しても、調査結果をもとにした質問を送るなど、さらなる実態把握や事業者との意見交換をしていけたらと考えています。

また、冬の温度がどうなっているか、可能な範囲で冬季の測定も考えています。

(FoE Japan 吉田 明子)

<調査実施・報告書発行団体>
国際環境 NGO FoE Japan 、 NPO 法人気候ネットワーク、 NPO 法人世田谷みんなのエネルギー、足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ、環境まちづくり NPO エコメッセ、NPO 法人川崎フューチャー・ネットワーク、 NPO 法人まちだ自然エネルギー協議会

 

関連するトピック

関連するプロジェクト