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[世界」と「日本」と「地元の人々」にとってのタイガ
タイガは炭素の貯蔵庫
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ウデゲ族の子供たち
「世界」と「日本」と「地元の人々」にとってのタイガ(2)
タイガには、少数民族の生活基盤となっている場所がある

タイガには、ウデゲ人やナナイ人といった先住民族の暮らし、文化の基盤となっている場所がある。そういった箇所でのタイガの破壊は、先住民族の暮らしや文化に壊滅的な打撃を与える場合がある。 シベリアの写真

1989年、韓国の某多国籍企業と旧ソ連の企業の合弁企業が沿海地方のビキン川という川の上流域のタイガを伐採する計画を発表しました。これに対して反対運動を起こしたのがこの一帯で数百年以上暮らしてきた、ウデゲ人と呼ばれる少数民族の人々でした。(写真)

意外に思われるかもしれませんが、タイガには人々の暮らす場所、大規模商業伐採以外の利用 − 狩りや山菜採り−をする場、となっているところが沢山あります。なかでも、日本海に沿って連なるシホテ-アリニ山脈のタイガは、このウデゲやナナイの人々(ツングース系の少数民族です)にとって何百年も前から家や庭も同然となってきました。黒澤明監督の映画にも、この地方を舞台とし、ナナイ人の猟師が主役となった作品(『デルス・ウザーラ』)があります。
シホテ-アリニ山脈のタイガは、後述の「アムール−サハリン生物圏」の中でも中心的な役割を果たす森林で、まだ林道が達していない箇所には数多くの動植物の暮らすタイガの生態系が見られます。少数民族の人々も暮らしの場としてこのタイガのある場所を選んだわけですが、極東ロシアの林産企業が針葉樹丸太を集めるために最も注目しているタイガも、このシホテ-アリニ山脈のタイガとなっています。

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