FoE Japan
シベリアタイガプロジェクト
シペリア トップ トピック 写真館
シベリアタイガプロジェクトトピック>シベリアの森林破壊
日本とのつながり
タイガの保護は21世紀の危機管理
タイガの破壊がなぜ問題なのか?
破壊の実態
タイガの現状
日本とのつながり(6)
日本への木材輸出を目指してマレーシア企業が極東ロシアのタイガの伐採権を獲得

1997年9月20日、「日刊木材新聞」に、マレーシアの某大手林産企業が海外で新たに森林の伐採権を獲得したことを報じる記事が掲載されました。(「RHリンバナウヒジャウ、ロシアで林業伐採 − ハバロフスク州で伐採権確保−対日合板用カラマツ輸出」)

本国マレーシアのほか、パプアニューギニア、ガボン、カメルーンなど世界各地で伐採事業を展開し中国に木材加工工場の建設を進めるこの会社が、このとき獲得したのは、極東ロシアにおけるタイガの伐採権でした。地元ハバロフスク地方政府が国際入札にかけた伐採権 − 30万ヘクタール、50年間 − を同社が落札、というニュースとなっています。

このニュースが当時どの程度注目を集めたのかわかりませんが、私達の見るところ、ここには将来を予感させる材料が二、三ふくまれていました。これからタイガ、そして日本のつながりを知るための、手がかりになりそうです。

@まず、外国企業がタイガの伐採権を獲得したこと※4
(ロシアでは現在も大部分の森林が国有財産とされていますが、開発、伐採に関しては、各地方政府の判断により外国企業をふくむ民間企業に権利を与えることが可能となっています)
Aそしてそれが日本への木材輸出を目指す事業展開となっていること※5
この伐採事業で環境破壊が生じるか否かを判断することはまだ出来ませんが※6、注目したいのは、マレーシアの企業 − それも、これまでは熱帯地方の森林(広葉樹林)を中心に伐採を行ってきた企業 − が、はるばるロシアまでやってきてタイガの伐採に着手した、という事実。そして、伐り出されるのが日本向けの針葉樹(この場合カラマツ※7である、という事実です。
この記事の出た3か月後、ハバロフスク地方では同じ会社がさらに別の地区でタイガの伐採権を獲得しています※8。
ハバロフスク地方をはじめとする極東ロシア各地(沿海地方やサハリン島など)では、1990年代前半から数十、数百という数の企業がタイガの伐採権を求めて激しい競争を繰り広げていました※9。それらの会社は、民営化した各地の旧国営伐採企業と、次々生まれた中小の伐採企業で、エゾマツやカラマツの茂るタイガの伐採権を求めて凌ぎを削っていました。しかし、実は極東ロシア地域の木材需要は1990年に入ってから大幅に縮小してしまっていたのです。
マレーシアからやってきた会社の例は氷山の一角に過ぎません。伐採会社各社のこの勢いは、何を表していたのでしょうか? そしてロシア産の木材を使うことは、ほんとうに地球にやさしかったのでしょうか?

←戻る 次へ→

(c) 2002 FoE Japan.  All RIghts Reserved.

サイトマップ リンク お問い合せ サポーター募集 English