気温上昇による影響
地球温暖化とは、緯度によって差はあるものの、世界中の気温が上昇してしまう現象のことです。気温は主に高緯度地域で顕著に上昇するといわれていますが、たとえ中緯度で1〜2℃上昇しただけでも、かなりの悪影響が予想されています。今年の夏も、日本では記録的な暑さとなっており、熱中症にかかる人も出るなど、地球温暖化によると見られる被害が出ているのです。
ここでは、気温が上昇することによって発生が予想される影響についてみていきましょう。
| 人体への影響 | サンゴ礁への影響 | 海洋へ影響 |
先ほど少し触れたように、気温が上昇することによって、熱中症にかかる人が増加することが懸念されています。日本でも時折、「最高気温が39度に達しました。」などと報道されることがありますが、今後3℃上昇したと考えてみてください。とても、生活できる環境ではなくなることがわかるでしょう。
特に、マーシャル諸島共和国を始めとする熱帯地域では、平均気温のその高さから、気温の上昇は深刻な問題になることが懸念されています。
また、暖かい地域でよく流行する伝染病が今まで発生しなかった地域で流行することも心配されています。マラリアなどの病原菌を媒介する蚊が生息できる環境が整ってしまい、流行地域が拡大することが懸念されています。
サンゴ礁は、比較的暖かい海に生息する生物で、海の中で、重要な役割を果たしています。光合成を行い、石灰化することでサンゴ礁を形成し、そして海の生物に重要な生息環境を提供しているのです。また、とても美しいその姿は観光客の注目の的にもなっています。
特にマーシャル諸島のサンゴ礁は、'97〜98年に発生したエル・ニーニョ現象の影響を逃れ、ダイバーなどからも「こんなに美しく残っているサンゴは世界中でも稀」とされています。
サンゴ礁は一般的に水温22〜28℃の海にしか生息できないとされています。しかし、気温の上昇による水温の上昇で、沖縄を含む地域のサンゴが死滅してしまう、いわゆるサンゴの白化現象が発生しています。これは、そこに住む生物に多大な影響を及ぼすだけでなく、美しい自然を失うことになる私たちにとっても大変悲しいことです。
この先、温暖化が促進されることで、マーシャル諸島のサンゴ礁に危機が及ぶことが懸念されます。
海洋は世界を駆け巡って大きな循環を繰り返しています。この循環は、赤道付近の熱をうまく分散していて、正常な気象パターンの形成には必要不可欠なものとなっています。
温暖化で気温が上昇すると、海水温度が上昇します。海水温度が上昇すると、海水が軽くなり、この海洋の大循環が狂ってしまうことが予想されています。そうなると、異常気象を引き起こすだけでなく、海洋生物への悪影響も発生することになってしまうのです。
また、水温が上昇することで、海中のプランクトンが増殖し、赤潮が発生することが指摘されています。こうなると、海中の酸素が極度に不足することにより、魚類などの海洋生物に壊滅的なダメージが及ぶ可能性があります。
マーシャル諸島では、漁業が経済の基盤のひとつとなっているため、海洋資源への影響が心配されています。
マーシャル諸島と地球温暖化の影響
気温上昇の影響
海面上昇の影響
異常気象の影響
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