温暖化
ゴミ問題
海洋汚染
南 の 島 の 楽 園 を 救 え 。 
海面上昇による影響

 地球が暖かくなると海面が上昇します。海面上昇は海に面している地域、すなわち沿岸域に悪影響を及ぼします。
すでにこれまで、世界の平均海面水位は 15〜25cm上昇しました。その原因は温暖化によって、温まった海水が熱膨張を起こしたものと考えられています。
 この他にも、南極やグリーンランドの氷床が解けることによって、海面が上昇するといわれています。もし、南極の氷床が全て解けてなくなったら、世界の平均海面水位は70cm上昇してしまうという試算も出ています。しかも、最近では、南極の氷の面積が過去50年で半分になってしまったという報告もなされています。
IPCCの最新報告書では、「海面は2100年までに、9−88cm上昇する」という予測がなされていて、深刻な被害が及ぶことが懸念されています。もし海面が1m上昇すると、マーシャル諸島のマジュロでは、陸地面積の大部分が海面下に沈んでしまうという予想もされています。
そうなると、国家の土地を奪われ、自分の家を流されてしまった住民たちは他の国へと行かなければなりません。いわゆる環境難民になってしまうのです。
 みなさんは、自分の家が突然なくなり、他の国で暮らさなければならなくなったら、どう思いますか?
 日本も例外ではありません。もし海面が1m上昇すると、今日本にある砂浜の90以上がなくなり、たとえ上昇が30cmですんだとしても、56%以上が消失してしまうと言われています。そして、地震や異常気象によって高潮や津波が発生した場合に、日本国民の1500万人が氾濫の危険がおよぶ地域に生活していることになってしまうのです。
 ここでは、海面上昇によって発生する影響を見ていきましょう。


| 砂浜、海岸への影響 | 水資源への影響 | 人間の居住空間への影響 |


砂浜、海岸への影響

 日本の海岸線の総延長は約35.000kmです。このうち約4分の1を砂浜が占めています。そして現在、ダムや海岸構造物の建設によって砂浜の侵食が重大な問題とされています。
 IPCCの最新報告書では、2100年までに9−88cmの海面上昇が発生するといわれていますが、日本では30cm、65cm、100cmの海面上昇に対して、今ある砂浜の56.6%、81.7%、90.3%が失われると予測されています。
 日本でこれだけの被害が予想されているのに、マーシャルではさらに大きくなることがわかるでしょう。


水資源への影響

 海面上昇が発生すると、水資源に大きな影響が出る可能性があります。例えば、海面が上昇することで、河川に海水が浸入してきます。このため、今まで水道水となる淡水を汲み上げていた取水口に海水が入ってくることになり、飲料水や工業用水の水質悪化につながります。
 また、マーシャル諸島のようなサンゴ礁からなる島には、淡水レンズと呼ばれる(図挿入)地下水層があります。海面が上昇すると、この淡水レンズに海水が浸入し、生活用水の確保に関して、これに頼っている住民は水不足に見舞われることになる可能性があります。また、この淡水レンズは雨水が地下に浸透してできるため、異常気象による雨不足が発生すれば、事態はより深刻になります。









海面上昇による淡水レンズ現象の様子
(出展 地球環境研究センター 「海面上昇データブック2000」)

人間の居住空間への影響

 海面が上昇すると、マーシャル諸島など海抜の低い国では、国家存亡の危機が発生します。国が海の中に沈んでしまう可能性があるのです。すでに触れたように、こうした場合には、住むところがなくなった住民は他国への移住を余儀なくされ、環境難民となってしまう恐れがあります。
 すなわち、自分が生まれた国がなくなってしまい、かなうことのない故郷に対する思いをもって、帰りたい場所に一生帰れないまま生活を送らなくてはならなくなるのです。この先、本当にこういうことが発生すれば、国際紛争につながることもあるでしょう。しかし、その前にあいdえんティティーの喪失による人権侵害は人間として絶対に許せるものではありません。
 また、世界中ほとんどの国では都市機能を持つ地帯が海岸沿いに集中していて、世界の総人口53億人のうち、60%が沿岸部に住んでいるとされています。しかも、発展途上国では、高潮などの気象災害が発生した時のための護岸や堤防の整備が充分でない国も多いのです。
このため、海面上昇が発生し、これに異常気象による高潮が加わったときには、高層ビルや鉄道などに被害が及び、大規模な損害が出ることが懸念されています。これを修復するのにも、莫大な費用がかかり、経済への被害も予想をはるかに越える規模になる可能性もあるのです。

マーシャル諸島と地球温暖化の影響
  気温上昇の影響
  海面上昇の影響
  異常気象の影響