若者向けオンラインイベント「オランダの学生と学ぶ、暮らしと環境問題」実施報告

2024.7.5

こんにちは!

FoE Japanインターンの片山果恋です。

本日は、11月17日(木)に行われた10代・20代向けオンラインイベント「オランダの学生と学ぶ、暮らしと環境問題 ―私たちに今できること―」の報告ブログです!

気候変動対策など環境問題は世界全体で取り組むべきスケールの大きい課題です。しかし同時に日々の生活のあらゆる場面と深く結びついており、一人一人の力が非常に重要となります。

今回は「暮らしと環境問題」をテーマにとりあげ、オランダ在住の松下さんの協力で、オランダの学生たちと共に勉強し、交流することができました。

  • さまざまな環境問題が日常生活とどのように結びついているのか
  • 私達一人ひとりが何をすべきか
  • 海外ではどのような環境政策が行われているのか
  • 若者は環境問題に対してどのように考えているのか

このような疑問に対して気付きを得る機会となりました。

前半の勉強会ではオランダと日本の学生が各3組ずつ、関心のある分野についてプレゼンテーションを行いました。

(以下発表の概要)

~オランダ~

①リサイクル

飲料容器のデポジット制度 ”statieheld”は、スーパーマーケットで買ったペットボトルやビンなどを返却するとお金が戻る仕組みです。また、電池の回収箱が店に設置されていたり、路上に家具を置いておくとリサイクルしてくれるなど、オランダにはさまざまなリサイクル制度があります。国王の誕生日である4月27日には毎年大規模なフリーマーケットが開かれており、文化としても根付いています。

②交通

“サイクリングの天国” オランダでは自転車の普及が進んでおり、大統領も自転車で通勤するほどです。レーンの整備や教育、文化など、自転車の利用を進めるためにさまざまな取り組みが進んでいます。また、ゼロエミッションバスや電気自動車など、環境に配慮した乗り物も利用され始めています。交通のサスティナビリティにおいて世界をリードしていると言えます。

③電子廃棄物

電子機器生産の裏には発展途上国における鉱物の採掘、内線、採掘の際に毒素による健康被害があります。またパソコンやスマホを買い替えることで、古いものは電子廃棄物となります。電子廃棄物はリサイクルされているものも多いですが、一部は途上国で燃やされ、その過程で再び健康被害や児童労働など人権問題が発生します。私達は電子機器をむやみに買い替えず、中古品を賢く使うべきです。

~日本~

①建築

日本の建築には歴史的に「寒すぎる」という問題があり、暖房の使用量を減らすべく断熱性能の向上が求められます。行政の取り組みとして、今年6月に定められた建築物省エネ法では、新築の住宅や住宅以外の建物の断熱性能が義務化されました。また、個人ができる取り組みとしては、住宅の太陽光パネルの設置などによるエネルギーの自給自足があります。

②化粧品

歯磨き粉などに使われるマイクロビーズや日焼け止めに使われるオキシベンソンは海洋生物の命を脅かしており、化粧品に使われる雲母は途上国で児童労働により採集されているなど、化粧品に含まれる化学物質はさまざまな環境問題・人権侵害を引き起こしています。

また美容業界の対応として、グリーンウオッシングによって事実を隠蔽し、消費者を誤解させることもあります。化粧品業界はresponsible(責任のある)、aware(環境に配慮している)、truthful(嘘をつかない)であるべきです。

③食糧生産

農林業由来の温室効果ガスは人間活動の4分の1を占めており、特に畜産業は餌となる穀物の生産~飼育の過程で大量のメタンや亜酸化炭素を排出しています。また、畜産業は大量の水の使用や森林伐採にも繋がっています。ヴィーガンやベジタリアンなど肉食を控えることは解決策の一つであり、近年注目されています。日本において認知度はまだまだ低いですが、大手スーパーマーケットや飲食店では、肉の代替食品が増え始めています。

発表の後はグループに分かれ、発表の内容やお互いの国の環境政策・文化について活発な意見交換が行われました。英語が堪能な人もそうでない人も、言語の壁を越えて交流することができました。

イベントに参加した感想として、まず、私達の便利で豊かな生活の裏にはさまざまな環境問題や多くの人々の犠牲があり、それは絶えず続いています。その事実を一人ひとりが知り、自分にできる行動をすることで地球環境に少しずつ良い影響を与えられるのではないかと思いました。

また、オランダの学生発表や交流を通して、オランダにおける環境政策の浸透、人々の意識の高さに大変驚かされました。日本ではあまり環境に意識したライフスタイルが普及しているとは言えず、現状を改善していくべきだと思いました。

環境知識のインプットはもちろん、普段なかなかできない国際交流をオンライン上で経験することができ、大変有意義なイベントとなりました!

 

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