FoEインターナショナル声明:停戦は「終わり」ではないーこれは始まりだ
(この声明は2025年1月29日にFoEインターナショナルが発表しました。)
私たちFriends of the Earthインターナショナルは、PENGON(Friends of the Earthパレスチナ)とともに、パレスチナ人の人権を守るべく一緒に戦い、パレスチナでの正義のために共に歩むメンバー団体、サポーターの皆さんに心からの感謝を申し上げます。今回の停戦同意は、戦争や人々の死、そして苦しみを終わらせるための重要な第一歩です。ガザで想像を絶する苦しみや破壊を耐え抜いたパレスチナ人の方々には長らく待ち望んでいた安心が与えられることとなるでしょう。
大切な人を失った家族や、家を失った方々、怪我を負った方々に、心からのお悔やみを申し上げます。この戦争の犠牲は甚大で、生活に必須なサービスや教育へのアクセス、そして人間としての尊厳までを脅かしました。
束の間の休息ではありますが、この時間は私たちにとって振り返りを行う、また団結を強めるためだけでなく、緊急行動を起こすべきときでもあります。今こそ、ガザに残されたものを守り抜き、建て直す時です。だからこそ、ガザ地区に住む人々のため、正義と安全を保障する停戦を続ける必要性を強く訴えます。
ガザの住人が北部に残され残骸と化した家へ帰る様子(出典:Pengon/FoEパレスチナ)
472日間続いた虐殺ののち、公式に停戦が発表されました。しかし、以下について知っておくことが重要です。
- パレスチナ人にとって、今回の停戦はこの虐殺や環境破壊の終わりを意味するものではなく、ただ速度が落ちただけである。停戦は、平和宣言ではない。正義をもたらさない。自由のかたちではない。停戦は、パレスチナ人とその土地の抹殺の、ただ一時停止に過ぎないのだ。爆弾が落ちるのは止まっても、占領は続き、暴力は止まらない。
- この戦争によって引き起こされた破壊の規模は凄まじいものである。人々の家、学校、病院、そして主要インフラが攻撃され、生存者は嘆きと荒廃の風景を彷徨うこととなった。家に戻っても、悲惨な喪失、そして灰となった野原から一から生活を建て直さなければいけないという、気の遠くなるような現実を突きつけられた。
- 停戦発効から数日後、イスラエルはヨルダン川西岸地区にて大規模軍事作戦に着手している。898箇所ものゲートや検問所を設置し村や街を分断していることに加え、西岸地区における各エリア、主に北部での軍事活動はさらに活発になっている。
- ガザでは、19年来の分離壁により実質天井のない監獄となっており、230万人が飲み水、電気、医療物資へのアクセスを絶たれてきた。この現実は虐殺が始まるよりもずっと前から続いている。停戦発効後でさえも、戦争による破壊の影響でこのような状況は悪化しており、ガザはさらに大きな困難を抱え抑圧を受けたことで住むことが不可能になってしまった。
この状況を継続するわけにはいきません。真の正義へ向かって変化を起こすために、私たちは以下を要求します。
全ての政府に対し、以下を要請します。
- パレスチナ人の主権に基づいたかたちで、経済的にガザの復興支援をすること
- イスラエルに対して一切の武器、軍事支援や部品の輸出を止めること
- 正義と責任を果たすための第一歩として、ICCに基づく義務を遂行すること。
全ての国際的コミュニティへ、パレスチナの人々を支えるため、以下に沿って具体的な行動を起こすよう要請します
- 各政府に上記の措置を実施するよう圧力をかけること
- Mekorot(メコロット、イスラエルの水道会社)など、占領により利益を得ている企業に活動を停止するよう圧力をかけること;
- パレスチナ人の体験、困難や、占領の終わり・自由を求める声を共有すること。