日本政府はパレスチナに連帯し、即時停戦のために行動を!要請書提出

2024年7月19日、世界73カ国にメンバー団体を有するFoEインターナショナルの地域構造であるFoEアジア太平洋は日本政府に対し、パレスチナに連帯し、即時停戦のための行動をとるよう求める要請書を提出しました。要請書では、防衛省によるイスラエルからの軍用ドローンの輸入もやめるよう求めています。
同日、首相官邸前でアクションも行い、アクションには90名が参加しました。

パレスチナに関する日本政府への書簡

東京都千代田区永田町2-3-1
首相官邸

日本国内閣総理大臣 岸田文雄様

Friends of the Earth Asia Pacificからご挨拶を申し上げます。私たちは73か国で活動する環境団体の連盟である「Friends of the Earth International」のアジア・太平洋地域のメンバーです。私たちは最も切迫した環境的・社会的問題について活動しています。

現在、パレスチナで進行中の大量虐殺と広がり続ける環境破壊、そして子ども、高齢者、病気の人を含む一般市民が無抵抗に殺戮されていることについて、私たちは深刻な懸念を表明します。ガザの厚生労働省によれば、イスラエルが2023年10月に攻撃を開始してから3万8000人以上のパレスチナ人が殺されたと伝えています。

しかしながら、国際的に著名な医学雑誌であるThe Lancetは、実際の死者数は18万6000人以上に達しうると推測し、公式の数はがれきの下に埋まっている数千の遺体やガザの医療制度、食料分配制度や他の必要不可欠なインフラへの計画的な攻撃による間接的な死を含んでいないと指摘する文書をオンラインで発表しました。たとえガザ戦争が直ちに終了したとしても、侵攻の結果による病などを通じて何か月か何年か後に多くの間接的な死を引き起こし続けるだろうと指摘しています。

これに加えて、汚染された水源や、武器や戦車からの炭素排出量の増大は戦争が終わったあとも長きにわたってガザのすべての命を破壊し続け、生涯にわたる環境破壊となることが懸念されています。重要なインフラは全て破壊され、沿岸地域、土壌や生態系に甚大な被害を与えています。国連環境計画事務局長であるインガー・アンダーセンが6月に指摘した通り、これらすべてが人々の健康、食の安全、そしてガザの復興の大きな障害になっています。環境破壊のリスクは真に迫っており、緊急に対応されなければなりません。

ここ9か月間、私たちはみな、パレスチナに対するイスラエルの残酷な攻撃を目撃してきました。一般市民を生きたまま燃やし、若者や高齢者を無慈悲な状況で身動きがとれないようにさせ、重要なインフラに対して計画的に攻撃することまで。やつれた子どもたち、手足の切断された男女、そして重傷を負った人たちの写真や動画を誰でも見つけることができます。近代の世界が目撃したことのないようなガザ地区の現状にもかかわらず、絶え間なく続くことが許されています。

昨年11月、日本は人道支援に6500万ドルを追加提供すると公約しました。今年の4月には、日本はパレスチナ難民の支援のための3500万米ドルを寄付するとともに国連パレスチナ難民救済事業機関への資金援助を再開しました。国連パレスチナ難民救済事業機関がパレスチナ人やパレスチナ難民への重要なサービスを再開することができているのは、このような必要不可欠な支援のおかげです。私たちはそれが続くことを願っています。 

しかし、もっとなされねばならないことがまだ沢山あります。

過去9か月間、岸田政権はイスラエルとパレスチナの間で慎重な綱渡りをしてきました。ガザ地区での人道的な状況が最優先事項であり、ガザ地区の市民に必要な支援を届けることが優先課題だと述べました。その一方で、日本は2023年10月に人道的な休戦に賛成すると投票することを棄権した45国のうちの一つです。昨年、岸田政権はパレスチナの反抗武装勢力ハマスとかかわりのある個人や企業に制裁を下しましたが、ヨルダン川西岸の違法イスラエル入植者や、物議を醸しているイスラエル国防軍のネツァ・イェフダ部隊と関係のある人たちを制裁しませんでした。日本はイスラエル軍によるあからさまな人権侵害を非難する姿勢を示さず、ボイコットや投資撤退の呼びかけにもかかわらず、イスラエルから軍用ドローンを輸入しようとしています。

私たちは人道上の罪や重大な国際犯罪が目の前で繰り返されるのを目撃しており、日本にパレスチナの人々と連帯するよう強く求めます。米国の最も重要な同盟国の一つとして、日本はイスラエルへの資金援助や武器売却を停止するよう政治的圧力をかけることができる立場にあります。

すべての政府は、あらゆる外交的・経済的メカニズムを駆使してさらなる死者や土地への被害を防ぐためにイスラエルのガザ攻撃を阻止し、イスラエルやイスラエル企業との経済関係を停止し、外交関係の断絶を検討しなければなりません。日本政府は不法占領に反対するより強い主張者でなければなりません。

これは、日本にとって、国際舞台で外交的リーダーシップを発揮し、国際法と正義が守られるようにする機会です。

何ヶ月もの間、日本の市民はパレスチナの人々のためにデモ行進や抗議を行い、殺戮の停止を求めてきました。日本政府がこれらの求めに耳を傾け、真剣に受け止める時が来ています。

上記を踏まえ、Friends of the Earth アジア太平洋は日本政府に次のように訴えます:

第一に、私たちは日本政府に対し、パレスチナで現在も続いている虐殺と戦争犯罪を即時かつ無条件に終わらせるために、あらゆる外交手段を講じるよう求めます。

第二に、私たちは日本に対し、パレスチナ国を主権国家として承認する措置を講じ、財政援助にとどまらない強くかつ意義ある支持をするよう求めます。

第三に、ガザで犯された残虐行為と戦争犯罪に対する国際法上の手続きを日本が支持することが不可欠です。これには、戦争犯罪の疑いのある者の逮捕など、裁判所の判決に従い日本の国際的義務を遂行することが含まれます。

最後に、私たちは日本政府に対し、イスラエルとの武器取引を無期限に停止するよう訴えます。

この手紙をお読みいただきありがとうございました。私たちの訴えをどうか検討していただければ幸いです。

敬具

Friends of the Earth Asia Pacific

署名:

Palestinian Environmental NGOs Network
Wahana Lingkungan Hidup Indonesia
Sahabat Alam Malaysia
Friends of the Earth Australia
Friends of the Earth Japan
Bangladesh Environmental Lawyers Association
The Legal Rights and Natural Resources Center
Centre for Environmental Justice
Centre for Environmental Law and Community Rights, Inc
Friends of the Earth India
Forum for Protection of Public Interest – Pro Public
Korean Federation for Environmental Movement

 

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