ガザ・イスラエルに関するFoEインターナショナル声明 

2023.10.24

 「天井のない監獄」--ガザ地区の言葉を失うような残酷な状況に、多くの人たちが心をいためていることと思います。忘れてはならないのは、これが今に始まった話ではないということです。閉じ込められ、自由と尊厳を奪われ、あらゆる権利を奪われ、それでも必死に生きてきたガザの人たちが、いま連日の攻撃にさらされ、次々に殺されています。ガザへの地上侵攻が迫っています。「自衛」という大義名分でこれを正当化してもよいのでしょうか。

イスラエルとパレスチナ・ガザ地区では、今年10月7日からの双方の攻撃により、すでに6000名以上が亡くなっています。ガザ地区では、難民キャンプや病院も空爆の対象となっています。

 FoEインターナショナルの声明にもあるように、民間人を対象にした攻撃は戦争犯罪です。この争いに勝者はなく、死と苦しみ、憎しみが生まれるだけです。

 戦争や紛争は、人々の命を奪い、環境を破壊し、さらなる憎悪を生み出します。即時停戦と人質の即時解放、国際社会によるガザ地区への人道支援を求めるとともに、イスラエルに対してはガザに対する暴力を直ちにやめ、違法な占拠に終止符を打つことを求めます。

 FoEインターナショナルおよびFoEアジア太平洋による声明を以下に掲載します。

ガザとイスラエルに関するFoEインターナショナル声明

原文はこちら

 FoEインターナショナル(FoEI)は、平和を希求するネットワークととして、あらゆる暴力行為に反対します。私たちはイスラエルとガザ双方からもたらされる映像に恐怖を感じています。そして、持続不可能な状況に対する根本的で正当な解決策がないまま、何十年にもわたって罪のない人々が代償を支払わされていることに心を痛めています。私たちは、無実の人々の殺害と人質を取った行為を明確にかつ強く非難します。

 FoEIは、1967年戦争以来イスラエルが占領した地域におけるパレスチナの人々の自己決定を支持しています。私たちは、パレスチナ人に対するイスラエル入植者の暴力やテロに強く反対するとともに、イスラエルの軍事占領と入植活動のために続けられている土地の収奪に断固反対します。私たちは、国連決議 67/19 (2012) で示されたビジョンを全面的に支持します。これは、1967年に始まった占領を終え、パレスチナの人々の犯されてはならない権利に基づく中東和平調停の実現を満たす2つの国家のビジョン – 1967年前の国境に基づいて、イスラエルと平和と安全のもとで隣り合って暮らす、独立し民主的で存続可能なパレスチナの主権国家を実現するものです。

 私たちはこれまでも、ガザ地区の悲惨な状況について繰り返し声を上げてきました。イスラエルは16年間、ガザへの物の出入りや人の移動の自由を拒否してきました。この封鎖中にイスラエルは、何ら責任を問われることなくガザに対し爆撃を繰り返し、民間インフラを破壊し、罪のない人々を殺害しています。 2016年、国連事務総長は「集団的処罰に対する責任が問われなくてはならない」としました。ガザの人々に、言葉では言い尽くせない深い精神的苦痛を負わせることになっています。

 ガザを封鎖する中、イスラエルは、すべての人々の平和と安全につながる長期的な解決策を講じることを拒否し続けています。また国際社会は、イスラエルによるパレスチナの土地の占領を恒久的に終えるよう求める国連安全保障理事会決議をイスラエルに遵守させるために、イスラエルに対して影響力を行使せず、傍観してきました。今、最悪の事態が起きています。イスラエルとガザの間で強大な武力に物を言わせた一方的で冷酷な戦争が勃発しています。イスラエル民間人に対する攻撃は恐ろしいものでした。パレスチナ人に対するイスラエルの反応は圧倒的で壊滅的なものとなっています。この争いに勝者はなく、死と苦しみが増えるだけです。

 多くの国がイスラエルへの支援を約束し、イスラエルを支持すると主張していますが、イスラエルはその軍事力でガザを全面攻撃しています。大規模かつ衝撃的な危機がガザに訪れています。ガザの人々は長年にわたって虐げられてきました(人口のほぼ半数が18歳未満)が、今現在、電気、飲料水、燃料の供給も遮断されています。ガザの人々とインフラに爆弾の雨が降り注いでいます。何千人もの人々が家や避難先を失い、把握できない数の人々が命を落としています。この攻撃は民間人に対するもので、戦争犯罪であり、直ちに止めなければなりません。

 この重大な瞬間に、私たちは暴力の終結を求め、すべての当事者が国際人権法および人道法に基づく義務を尊重し、この紛争の根本原因が最終的に解決されることを要求します。我々はイスラエルに対し、東エルサレムを含む1967年占領地域からの撤退を求める国連決議を受け入れ、パレスチナ難民に帰還の権利と補償を適用するよう求めます。

 この戦争はおそらく何千人もの罪のない人々の人命が失われて終わるでしょう。パレスチナ人もイスラエル人も等しく自分の命と土地に対する完全な自治を獲得し、安全と尊厳を持って生きることができるようになるまでは、長期的に続くこの状況は変わらないでしょう。私たちはすべての国と国際機関に対し、現在の紛争を解決するために今すぐその影響力を行使し、占領の終結とパレスチナの人々のための公平、公正、恒久的な解決を要求するよう呼びかけます。

FoEアジア太平洋による声明

原文はこちら

 Friends of the Earth Asia Pacificは、占領とアパルトヘイトに対し抵抗するパレスチナの人々を支持し、ガザ攻撃の即時停止を求めます。

 パレスチナの人々は、16年間にわたるイスラエルによる違法な軍事封鎖と、75年間にわたる残酷で不正なアパルトヘイト体制の下で、想像を絶する苦しみを受けてきました。

 占領下で平和はあり得ません。

 先週末のイスラエル人への攻撃への報復として、イスラエルはガザに対して正式に宣戦布告をしました。 彼らは空爆を開始し、数百人のパレスチナ人を殺害、数千人を負傷させ、住宅、学校、医療機関を爆撃し、食料と水の供給を遮断し、電力を遮断し、包囲されたガザにいるパレスチナ人に対してさらなる戦争犯罪を犯すと脅しています。

 イスラエルの国防大臣は、「我々は(人間の顔をした)動物を相手にしているのだから、それ相応に行動する」と宣言しました。(長年続くパレスチナ人に対する)強制退去、抑圧、屈辱的行為、飢餓、民間人の殺害を正当化するために、恥知らずにもパレスチナ人を人間ではないものとして扱っているのです。

 過去1年だけでも、イスラエルの人種差別的・原理主義的な抑圧のシステムは、ヨルダン川西岸のパレスチナ人に対する攻撃の原因となっており、子ども40人を含む238人のパレスチナ人が死亡しています。また、占領地の併合を宣言し、実行することに加えて、アルアクサ・モスクやキリスト教とイスラムの聖地への襲撃も行われています。 

 イスラエルが、署名された合意を否認し国際規範や法律を遵守しないことが、歴史的なパレスチナの地におけるパレスチナの人々の生活を破壊し、パレスチナの人々にとって絶望的な状況をもたらしてきました。

 イスラエル占領軍によるパレスチナの人々に対する犯罪かつ人種差別的な行為、そしてパレスチナの人々がさらされている不正義と弾圧の継続に対する国際社会の沈黙が、この現在の悲劇的な状況と、地域の安全保障の不在の理由となっています。 パレスチナの人々のための正義、自由、独立、そして国際法の完全な履行が尊厳を保つために求められています。

 平和の実現を目指す組織として、私たちは無実の人々の殺害と無実の人質を取っていることを強く非難します。

 ガザの200万人が継続的な爆撃と人道的危機に直面している中、Friends of the Earth Asia Pacificは、正義のために戦うすべての人たちに次のことを呼びかけます:
・パレスチナ人民に対するイスラエルの犯罪攻撃の停止を求め、ガザ包囲と進行中の封鎖の解除を求める抗議を強めること
・メディアであろうと政府であろうと、パレスチナの人々に対する歴史的かつ現在進行中の攻撃を無視または正当化するイスラエルのプロパガンダに反論すること
・アパルトヘイトに対する国連特別委員会の即時再開を求めるパレスチナ人の呼びかけを支持するよう、各国政府に働きかけること。

 

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