|
まず、3月10日には首都マニラで記者会見が開かれました。会見に臨んだのは、国際協力銀行(JBIC)の支援で丸紅・関西電力が建設したサンロケ多目的ダム、日本の政府開発援助(ODA)で進められているボホール灌漑用ダム、そして、日本の社団法人 海外農業開発協会(OADA)(農林水産省と外務省の認可により設立)による補助調査が行なわれ、現在建設の準備が進められているサウグ川多目的ダムの問題に各々取り組んでいる地元のリーダーら。
サンロケダムによって破壊された地元住民の生活の回復とサンロケダム灌漑部門への日本ODAの拠出反対、ボホール灌漑ダム1が引き起こしている問題(水の供給不足や土地の生産性の低下など)の検証と灌漑ダム2の建設の見直し、553〜669ヘクタールの農地が沈むことで2万人以上の農民と先住民族が影響を受けることが懸念されているサウグダムへのJBICによる融資の拠出反対――日本政府およびJBICの適切な対応・判断が訴えられました。
記者会見後には、在マニラ日本大使館のODA担当官との間で会合が開かれ、地元のリーダーらがそれぞれ用意した要請書などを提出。日本政府に自分達の抱える問題点と要望を直接訴える機会も設けられました。しかし、担当官からは日本政府の対応に関して明確な回答は得られず、また、翌11日に予定されていたJBICマニラ駐在事務所との会合は、約束の2時間前に突然キャンセルされるなど、地元のリーダーらにとって日本側との会合は大変不満の残る結果となりました。
3月14日のダムアクション・デー当日は、各々の地元で住民らが活動を行ないました。サンロケダムの現地では、ダム上流に暮らすベンゲット州のイバロイ先住民族、また、ダム下流でダム開発の影響を受けている農民ら約300名がパンガシナン州ダグパン市に集合。朝から夕方まで、未支払いの補償や下流の洪水、上流の土砂堆積、全国的に高騰している電気料金など、サンロケダムに関わるさまざまな問題について話し合いました。夕方からは「サンロケダムの撤去を!」と大きく書かれた横断幕を先頭に市街地でのデモ行進が約1時間半行なわれ、サンロケダム問題の解決の必要性をフィリピン市民に訴えました。
|
|
<ダグパン市でのサンロケダムに関するフォーラム>
パンガシナン州、ベンゲット州の農民、先住民族ら約300名がサンロケダムの問題を話し合った (2005年3月14日 FoE Japan撮影)
<ダグパン市街でのデモ行進> 「サンロケダムの撤去を!」と書かれた横断幕を先頭に約300名の参加者が問題の解決を訴えた。(2005年3月14日 FoE Japan撮影) |
|