私たちは北ダバオ州およびコンポステラ・バリー州の関連住民団体で、北ダバオ州アサンション町ブアン村に建設予定のサウグ川多目的ダム事業（38億ペソ）に対する私たちの堅い反対の意を伝えたい。同事業によって、2万人以上の小農民および先住民族が暮らす第一級の農地約553ヘクタールから669ヘクタールが沈むことになる。これらの人々は、各々北ダバオ州アサンション町のブアン村とカマンサ村、また、ニュー・コレラ町のマンビング村とカビディアナン村、コンポステラ・バリー州モンテヴィスタ町のサン・ヴィセンテ村、マヤオン村、ニュー・ダラグエテ村といったサウグ河川系沿いの村々に分布して生活している。

私たちは開発に反対はしないが、もし政府の開発アジェンダが混乱を伴い、先住民族や小農民の居住者の生活に大きな危険を及ぼし、神聖な埋葬地を冒涜し、高価な作物の植えられている第一級の農地を水の底に沈め、環境に甚大な損害を及ぼすことを意味するのであれば、私たちはそのような「開発侵略」への最大限の反対の意を前面に押し出す。

公表されている同事業の低地の村における利益は、住民に取り繕い、欺くための宣伝に過ぎない。というのは、提案されている同事業のサイトは、環境天然資源省（DENR）と国家灌漑庁（NIA）によって、環境面において高度に危険な地域として調査されているからだ。その事業地は、各々The Philippin Rift Zone、The Philippine Trench、The Davao Trenchという3つの大きな地震断層につなっがている活断層のある地域だ。サウグ川多目的ダム事業の建設は取り返しのつかない環境的大災害につながるだろう。このため、私たちは生きている限り反対する覚悟を決めている。

このような事業が被影響住民に対して及ぼす社会的、経済的、環境的、政治的影響のコストがどれくらいのものになるか、政府が知っているのは非常に明らかだ。しかし、政府は、海外の融資機関を利用し、彼らの選挙区民を害するような計画を押し進めることに熱心であるように思える。私たちは、全世界に対して、特に海外の融資機関や政府に対して、非人道的で危険かつ野心的なインフラ事業を推進しようとする私たちの政府に利用されないよう呼びかけを繰り返していきたい。

要するに、同事業はミンダナオ南部の北ダバオ州とコンポステラ・バリー州の影響を受ける地域に暮らす先住民族と小農民の中に混乱を生じさせ、更なる苦しみをもたらすという意味で、不適切かつ危険なものなのである。

したがって、私たちは同事業に対する非常に強い反対の意を繰り返し述べるとともに、日本政府、特に国際協力銀行（JBIC）や国際協力機構（JICA）、そしてその他の関連機関に対して、北ダバオ州アサンション町ブアン村に計画されているサウグ川多目的ダム事業（SRMP）への融資を行わないよう勧告したい。

同ダム事業に対する反対闘争が成功を収めれば、基本的人権や人々の福祉を向上するために団結した私たちの努力の成果と見なされるだろう。私たちは、先住民族や地位の低い小農民の苦境を理解するのに十分な思いやりを日本政府が持っていると信じている。また、私たちは日本の融資機関が、一般に環境、人々の文化、そして、地域社会に影響を及ぼすような事業を承認する際には特により厳しい対応をとると信じている。

サウグ川多目的ダム事業への反対を証明するため、下に同ダム事業の悪影響を指摘し、反対することを決意した住民団体および住民ネットワークのリストを添付する。