「共謀罪」142団体から「市民社会への脅威」と反対の声~NGO活動の現場からの警鐘
現在、参議院でいわゆる「共謀罪」法案(「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法の改正案)が審議中です。
同法案では、捜査・監視の対象が、恣意的に決められてしまうため、すべての市民運動にとっての脅威となりえます。
FoE Japanやメコン・ウォッチなどが、反対声明を発出。連名を呼びかけたところ、6月8日までに、環境・開発・人権・平和・国際協力などの分野で活動している142のNGOや市民団体からの賛同が集まっています。
http://www.foejapan.org/infomation/news/170529.html
国内だけではなく、バングラデシュ、フィリピン、ミャンマー、オランダ、ドイツ、イタリア、タイ、カンボジア、イギリス、インドネシア、マレーシア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ベトナムなど海外の14か国からも賛同が寄せられています。日本でいま生じていることは他人事ではない、そういった思いからの連帯の声だと思われます。
本日、FoE Japan、メコン・ウォッチ、日本国際ボランティアセンター(JVC)、グリーンピース・ジャパンの4団体による記者会見を行いました。
記者会見の模様は、グリーンピース・ジャパンのフェイスブックにアップされていますので、ぜひご覧ください。
https://www.facebook.com/GreenpeaceJapan/videos/1614446501921285/
JVC・人道支援/平和構築グループ マネージャーの今井高樹さんは、アフリカにおけるご自身の経験から、国家的な開発事業で土地収奪が生じ、それに反対する市民団体に対する脅迫や迫害が生じたり、人道支援を行っている団体が拘束されてしまったりした例などを紹介しました。
メコン・ウォッチの木口由香さんは、東南アジアにおいて国家による事業に反対する団体が、政府により、「反政府」「反社会」とレッテル貼りをされ、監視され、逮捕され、さまざまな抑圧が加えられている事例について紹介し、「共謀罪」成立によって、日本でもこのような状況が生じかねないことに対する懸念を表明しました。
グリーンピース・ジャパンの米田祐子さんは、よりよい社会を目指して健全な議論を行うことができる環境は、民主主義の基盤であること、共謀罪はそれを委縮させ、破壊してしまう恐れがあると発言。
FoE Japanの満田からは、「国家」の名のもとに、環境が破壊され、人権が侵害される事例もあること、それを批判する団体が、監視される可能性があること、法案が通れば、捜査そのもの、または捜査によって得られた情報の恣意的な切り
取りによって、対象者の社会的信用を落とすことが可能になることなどを指摘しました。
そもそもすでに多くの人が指摘している通り、政府は、国連越境組織犯罪防止条約を批准するためにテロ等準備罪が必要と説明していますが、この条約の対象はテロではない上、この法がないと条約に加盟できないわけではありません。テロ
防止関連条約は既に締結していますし、国内法でもすでに、殺人や強盗、爆発物使用などの着手以前の段階の行為を処罰するさまざまな法律が整備されています。
「共謀罪法案」反対声明については、6月15日まで賛同団体をつのっています。
ぜひ、国内外に広くご紹介ください。
賛同はこちらから。
https://pro.form-mailer.jp/fms/6ef8abac123124
英語版はこちらから。
http://www.foejapan.org/en/news/170529.html