台風被害のボランティア@君津市の報告
9月16日(月)FoE Japanスタッフ篠原、矢野とサポーターの土川さん3人で、千葉県君津市のボランティア作業に参加してきました。前日から大雨予報からボランティア活動の中止を告知する地方公共団体が多く、当日もボランティアに行くかどうかギリギリまで躊躇しました。かろうじて、君津市は午前中だけ受付けと記載があり、もしボランティアが無理でも支援物資だけ届けようと、君津市に向かいました。
君津市ボランティアセンターに事務所に保管していたmobiyaランプ(太陽光パネル付きランタン:携帯充電機能あり)を10台もっていったところ、支援物資として喜んで受け取っていただきました。
ボランティアセンターで手続きをすると、神奈川、埼玉から来た事に驚かれ、感謝されました。でも、車でアクアラインを渡れば僅か1時間半、時間、距離以上に普段の生活の場と被災地との意識の違いがある事を感じました。
君津市は、海岸近い町の中心地は、電気も水道も復旧し、コンビニやスーパー、レストランが普段通りに営業しています。ところが、君津市の4分の3を占める地域には、被災から8日たった今も通電はなく、水道も止まっている地域もあり、5キロほど山に向かうと信号も動いていません。
ミッションは市の中心部から離れた地域の集落の各戸をまわり、「ボランティアセンターの開設」の案内チラシを配り、話を聞いてくる役目でした。今日の溢れる情報社会において、電気を失う事で普段簡単に出来る事が全く出来なくてしまう現実がありました。昔ならば口伝て拡散する情報も希薄な人間関係からなかなか伝わらず、逆の情報収集も出来ない事から打開するお手伝いでした。
私たち3名は、君津市の女性1名とチームを組み、清和地区を担当しました。まず避難所になっている清和公民館で情報をもらいました。避難しているのは1家族だけですが、自衛隊のお風呂提供、支援物資(ブルーシート・食料・水など)、保健師の常駐など、清和地区の拠点となっています。清和地区は2つのエリアに分かれており、公民館に遠い三島エリアが、支援場所まで来られていない可能性があり、心配であるとの情報をもらいました。
君津市の南端にある集落から順番に一軒一軒家を訪ねていき、3時間ほどかけて4人で60軒を訪ねることができました。
道沿いには、倒木や折れた枝があちこちにあり、看板が折れ曲がっているところ、電線に飛来物や倒木がひっかかっているところ、電柱が傾いているところ、家の屋根やビニールハウスの破損など、被害の復旧作業はまだまだこれから、と感じました。
訪ねた集落は、ほとんどが農家。水道も電気もまだ復旧していないところがほとんどで、それ以外にも大きな被害受けていて、すごく困っていらっしゃるのですが、それでも、発電機を借りてきて井戸水をくみ上げていたり、ソーラーパネルで電気を自給していたり、屋根は雨が降る前に自分で直したという人がいたり、近所で助け合っている様子もうかがえました。そこに住む方たちの逞しさと昔ながらの近所付き合いの確かさ、それと、道中にすれ違った全国から応援に来ている電気工事関係のたくさんの車に救われた気持ちになりました。
今回訪れた君津市はボランティアセンターが立ち上がったばかりのところでした。必ずしも日頃からボランティアに接しているわけではない方たちがボランティアセンターを運営するのは大変そうです。こういうときに、大勢のボランティアを仕切ることのできる人材が必要だと感じました。平時に、マニュアルに沿った訓練をするだけでなく、仕切り屋さんを養成することも訓練の一つ、と感じました。
(土川、矢野、篠原)