台風15号の被災地 千葉県鋸南町を訪問しました
旧佐久間小学校の被害
*台風15号の被害に会われた方々にお見舞い申し上げます。
9/15に事務局長満田とともに千葉県鋸南町に災害支援に行ってまいりました。
昔、祖父母が鴨川市に住んでいたこともあり房総は馴染みの深いところ、お世話になったところであり、なにかできることをしたいと行ってきました。支援になっているかわかりませんが自分のためにやらせていただきました。ネットでは知ることのできない現地の人の心の一端を知り、インフラの様子を知り、今後の意識の向け方に役立てればと思います。
○町の様子
鋸南町役場は通電しておりdocomo系は通信ができました。ここにくることができれば充電や通信はできそうです。地元の方によるとここまで充電をしにくるのは面倒なので停電はとても不便とおっしゃってました。 家屋の半分くらいは瓦が飛ぶなどなんらかの被害を受けていた印象です。ブルーシートでカバーしていた家屋は約10~20%くらいの印象。いかに強風であったかが想像できました。 ビニールハウスはほぼ全滅ではないでしょうか。ガラスのハウスは一見大丈夫そうに見えるので被害はわかりませんが、知り合いの案内で訪問したカーネーションを栽培しているところでは天井のガラスが半分以上落ちて、中のカーネーションにばらまかれていた状態でした。我々も含めて10人くらいで破片をひとつひとつ拾う作業をしました。200坪以上あったと思うので、大変な規模で、あと何週間かかるのでしょうか。
道の電柱は傾いているものが多数あり、電線で引っ張られて傾くのか、電柱が強風で傾くのかよくわかりませんでしたが、補修する必要がありそうです。看板も半分から折れてそのままになっていたりして、2次災害のための安全確保は自分でやる必要があります。
○物資
事前に情報を集めて物資を用意し、屋根や壁の補修用にブルーシート、ロープ、土嚢袋、ガムテと防災食をお渡ししました。水は受入れされず持ち帰りしました。
物資置き場のスタッフによると、現時点では物資は足りているとのこと。あえて言えば食品と言っていましたが、カップめんのような即席食品は十分ですとのこと。
ボランティアでご一緒させていただいた方は野菜類はあるので肉を親戚に届けたとのこと。 必要な物資は刻々と変わると思うので、行かれる方は最新情報を入手する必要があります。 シュナイダーエレクトリック社より支給いただいたバッテリーと太陽光パネル付きランプを持ってきました。太陽光で充電でき、スマホを充電したり夜はランプとして使用できます。物資スタッフの方にお見せして、ニーズがあるか聞きましたが、停電のところは良いと思うがわからないとのこと。スタッフの方が使ってみるとのことでお渡ししてきました。
○労働活動
1箇所目、ボランティアセンターで受付をして、近くの廃校になっていた旧佐久間小学校でごみ拾いや災害ごみの分別をしました。木造三角屋根の素敵な校舎であったと想像できましたが、屋根の大半は飛ばされており、内部もガラスや破片でいっぱいでした。廃校ですが自衛隊の訓練の宿泊にも活用できていたのに、地元の方は、良い校舎なのにお金がないから解体しかないだろうとおっしゃっていました。 校舎からの破片を拾ったり受け入れた災害ごみのうち、分け切れていないものを分別する活動をしてきました。腰を痛めていたので今回の活動では重いものを運ぶ活動はできませんでした。 佐久間小学校の校庭は、災害がれきの集積場になっていて、軽トラなどでひっきりなしに捨てに来る方がいます。瓦、壁板、木、鉄トタン板、プラその他に分かれていて、きっちり分別していました。がれきが少なく、校庭の広さに余裕があるので混乱もありませんでした。津波や浸水被害であったり、首都圏や地方の大都市クラスではこんな秩序だった片付けはできそうにありません。
2箇所目、上で書いたように同僚の知り合いのつてで、カーネーション栽培ハウスで割れたガラスの片付けをしました。まだ中途半端に引っかかっているハウスのガラスを全部落として片付けしないと次の収穫ができないようでした。それだけの深刻な被害でも、明るく我々に接してくださった農家さんにたいした言葉をかけられませんでした。
○災害/支援情報
自治体だけでこの状況を乗り切るのは厳しいでしょう。今回は特に初動の遅さが指摘されました。やはり、国が「災害対応省」とかつくって、情報発信とか災害対応のシステムづくりとか、サポートすべきではないかと感じました。刻々と変わる中人や物のニーズ把握やマッチングなどの重要性を感じました。情報収集がもっと早ければ状況は変わっていたかもしれません。
練馬の保養団体の方、辺野古問題に取り組んでいる方など、市民運動やっている方々もいらしていました。心強かったです!
被害に会われた方々が早く普段の生活にもどれますよう願っています。
(田渕透)