ホットスポットに特定された場所に対してその後、重点的な自然保護を行っていくことで多くの絶滅危惧種、希少種、固有種、そして先住民族の人々の暮らしを守っていくことが出来ますが、実際には費用などの面でいろいろな困難に直面しています。また、ホットスポットに指定された場所でも資源開発が優先されて自然が破壊されてしまうことは今日のロシアでは決して珍しくありません。
私達は現在まで、幾つかのホットスポットに対して現地のロシア人専門家やNGO、住民の人々とともに自然保護化の実現その他に取り組み、そのうちの数か所においては或る程度の成果が上がり、数か所においては成果を出せずにいます。
これまでにシベリアHOTSPOTプロジェクトの協力で保護区指定の実現したホットスポット
* 沿海地方、ボリソフスコエ高原(絶滅危惧種アムールヒョウの生息地)での保護区指定実現
* 沿海地方、ハサン地区での保護区指定実現(渡り鳥の生息に重要な湿地帯)
* サハリン島、プルシュ-プルシュ川、ヴェンゲリ川流域の森林地帯での保護区指定実現(オホーツク海に注ぐ川の流域。エゾマツを中心した6万ヘクタール以上の原生林がある。日本の財団「自然保護助成基金」の助成を受けた日ロの専門家が現地の植生や生物を調査し、保護区指定を勧告する報告書をサハリン州政府に提出した)
シベリアHOTSPOTプロジェクトとして取り組んだが今のところ成果の出せていないホットスポット
* カムチャツカ半島の針葉樹林地帯
* ハバロフスク地方、アニュイ川流域の森林地帯
現地の先住民族の人々とともに保護に取り組んでいるホットスポット
* 沿海地方北部、サマルガ川流域(サマルガ川は沿海地方から日本海に直接注ぐ川で、上流にはエゾマツ、カラマツを中心とするタイガがある。このタイガでは、先住民族ウデゲの人々が、数百年以上前から採取・狩猟を行ってきた)
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