極東ロシアの "生物多様性ホットスポット”は、極東ロシア各地の科学者(ロシア科学アカデミー極東支部の研究者の人々)や地方政府機関の人々、NGOの人々(近年ではロシアの人々も各地でNGOを作って環境保護活動を始めています)が円卓会議を行って特定します。
極東ロシアという地方の特徴に合わせて、私達は特定すべきホットスポットを次のようなものと考えます。
“生物多様性の温床、あるいは先住民の生活の場として国際的に認知される必要があり、自然破壊防止の重要度・緊急度のとくに高いと考えられる森林地帯・湿地帯・海域など”
これを以下に挙げる特定条件、ホットスポットたる条件と併せて、円卓会議を行うロシアの人々に伝え、特定のための調査、分析、議論を行ってもらいます。
特定条件)
・下記@〜Bの全てに該当する箇所
・下記Cに該当する箇所
・下記@〜Cの全てに該当する箇所
@絶滅するおそれのある動植物や希少種、固有種の生息・生育する箇所(例:トラの生息地)
A計画されている、若しくは現在進行中の開発による影響の懸念される箇所(例:森林伐採、採掘、石油開発)
B生態系が脆弱で、破壊されると回復の困難な箇所
C先住民の伝統的な自然利用の見られる箇所
(例:先住民ウデヘ族の伝統的な狩場、ニブヒ族の伝統的な漁場)
※この他、過去に十分な調査は行われていない箇所であってもこれらの項目に該当する可能性がきわめて高いと判断される場所は生物多様性ホットスポットに特定し得るとした。
私達が極東ロシア地方のために考えたホットスポットは、生物の生息地だけでなく、先住民族の生活圏となっている場所も含むものとなっています。これは、彼らの暮らしも生物多様性同様、決して破壊されて良いものではないという考えと、彼らの暮らしが現地の自然と深く結びついているという理解から決めたものです。
このため、私達は実際には"生物” という言葉を取って、単に "ホットスポット”という言葉を用いることが多くなっています。
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