モトゥリキ島は、ヴィチレブ島の東部に位置し、もともと首都であったレブカのあるオバラウ島のすぐ下にある小島です。人々は明るく、やはりフィジー特有のコミュニティーを尊重したライフスタイルを持っており、人々の結びつきがとても強いです。会う人会う人が「ブラ!」と声をかけてくれ、皆が醸し出すこの島の雰囲気はまさに平和そのものです。
各村は沿岸部に存在するため、フィジー国内の他の地域と比べてその生活は海とより密接な関係をもっていることや、村々の裏側は高い岸壁になっており(海岸から岸壁までは60mほど)、土地面積自体が小さいことなどから、異常気象や海面上昇の影響に対してもっとも脆弱な地域の一つです。
無邪気に、そして楽しそうに私たちを迎えてくださった村の人々をとても頼もしく思ったのを覚えています。海面上昇の影響など起こって欲しくないと本当に感じました。
ナサブウキ村には、USP(南太平洋大学)の研究施設があり、陶器や海面上昇の影響などについての調査が行われています。
村民たちは海面上昇の影響は最近になって気づき始めたと口々に語ります。
温暖化による海面上昇の影響は確実に発生していると考えられ、最近では満潮時になると海水がSeawallを越えて村の中まで入ってくるようになりました。
夫婦で海岸線に一番近いうちに住むコロイさん夫妻は、家の中まで海水が入ってくるようになったのは、過去5、6年のことだと指摘します。満潮になるたびに、海水が入ってきそうな感覚はやはり圧迫感があるといいます。また、もしここに住めなくなったとしても、移動できる土地が無いのだという意見もモトゥリキ島では良く聞かれました。限られた土地で農業もまかなっており、この食糧調達の重要な農耕地を住居のための土地に帰ることはできず、これ以上の海面上昇は致命的になると語っていました。
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