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政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会議録 政府参考人(外務省経済協力局参事官)黒木 雅文君
○北川 委員
次の質問なんですけれども、実は、政治倫理というところもここは審議をするところでありますので、ODAの問題、これは外務委員会とか外交防衛委員会とか、そちらの方でも取り上げられた問題なんですが、ケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電事業についての見直しをめぐってということで、やはり政治家の関与とか、そういう部分が何らかにおってくるような報道もされているものですから、少しお伺いをしてみたいと思うんです。 五月三十日の朝日新聞によれば、「ケニア円借款 外務大臣見直しも ダム建設の環境問題」、問題があるよということで、田中外務大臣が見直しもあり得るという答弁をされたわけですね。それを受けましてかどうかわかりませんが、六月一日の記者会見で、在ケニアの青木大使は、NGOが根拠もなく余りに騒ぎ立てたために事業への融資がとまってしまったと。これは、第二期分の円借款百六億円というのを今検討しているんですね、一九九九年から。今まだ結論が出ていないのが、どういうわけか、田中外務大臣の言葉を受けてかどうかわかりませんが、青木大使が発表された。そうしましたら、六月八日にまた、モイ大統領の方から発言があって、NGOが事業に問題があるということを世界じゅうでふれ回ったとかというふうなかけ合いになってしまっているんですが、これは御存じであるかということ。 もう一つは、NGOが根拠もなく余りに騒ぎ立てたために事業への融資がとまってしまった。そこで、JBIC、開発銀行の方にもきょう来ていただいているんですが、融資が、今検討中だということなので、ストップしているというふうに認識していいのかどうかわかりませんが、この青木大使の記者会見の内容は事実に即しているんでしょうかということをお伺いしたいと思います。 ○黒木政府参考人 お答えいたします。 ただいま御質問のありましたケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電計画につきましては、委員御指摘のとおり、第二次分に関する円借款供与につきまして、現地におきまして環境、社会面の諸問題が指摘されたこともありまして、現在、慎重に検討を行っているところでございます。 なお、本計画の環境、社会面の問題につきましては、田中外務大臣からも、ケニア側とよく相談しつつ本計画を再検討するようにという指示がございましたので、これを受けまして、在ケニア大使館、具体的には青木大使より、ケニア側の政府関係者に対して、ケニア側として至急かつ誠実な対応を行うようにという申し入れを行っております。これに対しても、ケニア側からも、可能な限りとり得る対策をまとめたいということになっております。 いずれにしましても、本件につきましては、環境問題に十分配慮して、ケニア側と協議しつつ、慎重に検討するという立場でございます。 なお、青木大使の六月一日の記者会見における発言につきましては、我々としては、委員御指摘のような発言があったというふうには理解しておりません。 ○北川委員 理解していないというのと、青木大使が六月一日に記者会見を行った事実を知っているかどうかということでは違うんでしょうか。では、六月一日の青木大使はこういう記者会見をしなかったと理解されているんでしょうか。 ○黒木政府参考人 六月一日付で青木大使が現地で記者会見をやっておりますけれども、その際、青木大使よりは、本件計画につきまして、日本の国内で、国会等でいろいろ問題として取り上げられておるのでケニア側として適切な対応が必要であるという発言をされたと理解しております。 ○北川委員 だから、それは国際政治同士というか国同士の問題であるということで、NGOというのは昨今、非政府機関として実力を示してきておりまして、なぜこの問題を出したかといいますと、モイ大統領が六月八日には、NGOが事業に問題があるということを世界じゅうでふれ回ったと、やはり青木大使の記者会見の内容と同じようなことを言っていらっしゃるわけですね。それで、六月六日にNGOの方が記者会見を開いて、命の危険を感じているということを訴えた。私も、このケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電所の事業の内容を以前にNGOの方に聞かせていただきまして、日本が関与しているODAでありながらなかなか問題が深いなというふうに思っていたので、関心を持っていたわけです。そこで、NGOが命の危険を感じているという、現実にけん銃を発砲されたと言われている方もいらっしゃいますし、これは六月七日付のネーションできっちり発表されています。 こういう問題があって、またケニアは多重債務国、リセットしたということなんですけれども、財務省の方も、この水力発電の第二期工事分に対しての円借款については、このままストレートに百六億円出しても、不良債権じゃないですけれども、回収が可能なんだろうかという意見を財務省から外務省へ言われているというふうに聞いているんですが、それは本当でしょうか。 ○溝口政府参考人 円借款を供与いたしますときは、プロジェクトの内容でございますとか、あるいは相手国の経済の状況とか、いろいろなことを政府内で検討するわけでございまして、御指摘のように、ケニアにおきまして、経済状況は、干ばつなんかがございまして状況は必ずしもよくないということはございますが、現在、過去に供与した円借款の延滞の問題が生じているという状況ではないわけでございます。 いずれにしましても、御指摘のように、その国の財政状況等もよく検討の上、こういう問題は決定していくのが通例でございます。 ○北川委員 案件の審査が長引いているということがなぜかNGOの責任に転嫁されてしまったような発言をされているのは、問題が深いと思います。そして、命の危機まで感じながら活動していらっしゃるメンバー、それは多分に、移転の補償の問題やそこが聖地であるという問題、環境への汚染等々がもう既に出ているというところでも、NGOは頑張って踏ん張っているわけです。 今の御答弁からすると、これはもう国が第二期分を執行するかどうかを決める段階、今十分に検討しているということなんですが、それは現実に透明性の高いものにする必要があると思いますし、パブリックコメントや、そして今回のNGOの人たち、それぞれこの間の見えてこなかった点を提言しているわけですから、開発銀行の方もこのコメントを踏まえないといけないと思うんですけれども、先ほどの御答弁とあわせて、その点は今どういうふうに思っていらっしゃるか。そして、透明性を図るときにおいて、政治家の関与というものの廃絶、それは強い意思を持っていらっしゃるのかどうかをお伺いしたいと思います。 ○岩田政府参考人 お答え申し上げます。 本件のプロジェクトにつきましては、計画の段階から、ケニア側の実施機関で関係者への説明でございますとか意見交換なども行われたということを、私どもの現地調査などを通じまして確認いたしてきておりまして、また、その後、事業の実施段階におきましても、その方法などに関して地域住民との対話集会が累次にわたって開催をされてきておるわけでございますが、昨年の暮れに至りまして、現地において環境、社会面に対する指摘がなされたということで、本年一月にさらにNGOなどの参加を得て地域住民との対話集会が開かれたところでございまして、その結果、先生も御存じのことと存じますが、この事業の実施上の諸問題とその解決策について、技術委員会というような場を設定して、そのための議論をするという場が設定をされたわけでございます。 私どもも、こうした場における協議内容をフォローいたしまして対応してまいりたい、このように考えております。 ○北川委員 まとめて発言していただいたんですけれども、審議のときに透明性を高くする、そしてNGOが何かふれ回ったからというような言い方をしている青木大使に対して、この記者会見が本当になされたということを確認されて以降なんですけれども、そうではなくて、今ストップしているのは、財務省、外務省、そして田中外務大臣ともどもが慎重に検討しているからなんだということを進言するべきではないかと思うんです。 先ほどの御答弁の中から抜けていました政治家の関与を絶対廃絶するんだという意思の表明、では透明性の確保を何でするんだというところとあわせて、この青木大使の記者会見のコメントは確認されていないということなんですが、確認された段階では、私が先ほど申しましたように進言をしていただきたい、すべからく、今は国内の政治的な状況の中で第二期分円借款するかどうかを検討しているんだということを青木大使に進言していただきたいと思うんですが、この二点について御答弁をいただきたいと思うんです。 ○黒木政府参考人 お答えいたします。 本件につきまして、日本の国内で環境問題も含めて慎重に検討するということになっているので、ケニア側としても適切な措置をとるようにということで、青木大使の方からケニア政府側に対しては既に伝えてございます。 それから、政治家の関与につきましては、既にこの国会におきましても田中外務大臣からも答弁しておりますけれども、特定の政治家の関与ないし影響力の行使があったという事実は一切ございません。 ○北川委員 ありがとうございました。 ○中馬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会
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